著者
永田 晃也 佐々木 達也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.15-25, 2002-03-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
10

本稿では,知的財産マネジメントにおける戦略パフォーマンスの決定要因を定量的に分析し,戦略論の基本的なイシューとの関連を慮した検討を行う.近年の経営戦略論の論壇では,戦略的ポジショニングの重要性を強調する見解とResource-based viewが対峙している.しかし,本稿の分析結果は,い ずれの戦略アプローチが合理的であるのかは一般的に言えるものではなく,事業戦略が依拠する技術の成熟度によって異なることを示唆している.
著者
楠木 建 野中 郁次郎 永田 晃也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.92-108, 1995 (Released:2022-07-22)
被引用文献数
11

組織の保有する知識は(1)知識ベース,(2)知識フレーム,(3)知識ダイナミクスという3つのレイヤーの重なりとして把握できる.それぞれの知識のレイヤーは相互に異なる組織能力を提供しており,したがって組織能力は重層的な性格をもっているというのがわれわれの概念的フレームワークの基本的なアイデアである.この論文では上場している日本のすべての製造業企業を調査対象とした大規模サーベイに基づいて日本企業の製品開発における組織能力についての仮説を導出し,われわれの概念的フレームワークのもつ意義とインプリケーションを考察する.
著者
上野 彰 永田 晃也
出版者
研究・技術計画学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.256-259, 2008-10-12

一般講演要旨
著者
池見 直俊 永田 晃也
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, pp.900-903, 2017-10-28

一般講演要旨
著者
永田 晃也 西村 文亨
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.126-136, 2010-03-01
参考文献数
16

Transfer and shearing of knowledge is a key factor for competitiveness of businesses that provide goods and/or services of highly standardized quality to a widespread area. However, it is often difficult to promote the utilization of such systems. The present work uses data on utilization of a knowledge transfer system introduced in the Distribution Department of Kyushu Electric Power Company to analyze problems that hinder effective use of the system. Examination of factors that determine utilization of the system by the supply and demand sides of knowledge revealed that conditions for accumulation of knowledge, such as long career and job experience, can increase the cost of knowledge transfer, which consists principally of the time needed to use the system. The cost is not symmetrically distributed on the supply and demand sides: the suppliers of knowledge have to pay more than receivers. This may limit transfer of knowledge of a person to the few people around him/her. The paper is concluded with discussion of possible solutions of this problem.
著者
井田 聡子 隅藏 康一 永田 晃也
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.169-191, 2009 (Released:2010-05-26)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

近年の医薬品産業においては,企業間の合併・買収,戦略的提携が増加している。このような企業境界の変化は,当事者企業のイノベーションに様々な影響を及ぼすと考えられるが,その影響は十分に明らかになっていない。そこで,本稿では,イノベーションの決定要因である専有可能性と技術機会という2つの概念に着目し,製薬企業間の合併がこれらの要因に及ぼす影響について分析を行った。第一三共(三共と第一製薬の合併)とアステラス製薬(山之内製薬と藤沢薬品工業の合併)を対象とした事例研究の結果,以下の知見が得られた。 (1)同質的な製品セグメントにあった2社が合併した場合は,専有可能性が向上する。 (2)異質的な製品セグメントにあった2社が合併した場合は、技術機会の源泉となる情報源が多様化する。 このように,合併がイノベーションの決定要因に及ぼす影響は,合併を行った2社の製品セグメントの異同によって異なることが明らかになった。
著者
井田 聡子 隅藏 康一 永田 晃也
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.257-271, 2008 (Released:2010-05-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

近年の医薬品産業においては,新薬の開発競争の激化を背景として,世界的な規模で業界再編が進展している。日本国内においても,企業間の合併,経営統合,戦略的提携等が活発化しつつある。本稿では,このような企業境界の変化がイノベーションの決定要因である専有可能性(appropriability)と技術機会(technological opportunity)に及ぼす影響を分析した。対象事例として,中外製薬とロシュによる戦略的提携を取り上げ,両社による戦略的提携が専有可能性と技術機会に及ぼしつつある影響を考察した。中外製薬における医薬品売上構成の変化,開発パイプラインの品目構成の変化を中心に分析した結果,提携後の中外製薬においては,(1)イノベーションから得られる利益の専有可能性が高まった,(2)ロシュ・グループ外部からの技術機会が制約された,などの結論が得られた。