著者
重田 公子 笹田 陽子 鈴木 和春 樫村 修生
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.164-171, 2007
被引用文献数
2 4

近年の若年女性においては, Body Mass Index (BMI) を基準とする体型区分ではやせおよび正常でありながら, 特有の体重調節意識を持つ者が増加している。本研究では, 若年女性の痩身志向が心身に与える影響について, 食行動と疲労自覚症状をもとに明らかにすることを目的とした。<BR>  1) BMIを基準とする体型区分によるやせ, 正常, 肥満の割合は, 順に17.5%, 75.4%, 7.1%であったが, 痩身志向がある者は全体の87.9%に達した。特に痩身志向がある者の中で, BMIが「やせ」と「正常」の者の割合は92.2%であった。<BR>  2) 痩身志向のある者は, 60.3%が自分の体型を「太っている」とイメージし, 60.9%がダイエットをしたことがあり, 痩身志向の有無の間には, それぞれ有意差が認められた。<BR>  3) 自棄食い経験は, 痩身志向がない者 (38.0%) に比較して, ある者 (53.6%) が有意に高い割合を示した。<BR>  4) 疲労愁訴率合計は, 痩身志向がない者 (19.7%) に比較して, ある者 (25.9%) で有意に高かった。疲労自覚症状I群の「ねむい」, 「足もとがたよりない」では, 痩身志向のない者に比較して, ある者が有意に高い割合を示した。
著者
重田 公子 笹田 陽子 鈴木 和春 樫村 修生
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.164-171, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
18
被引用文献数
3 2

近年の若年女性においては, Body Mass Index (BMI) を基準とする体型区分ではやせおよび正常でありながら, 特有の体重調節意識を持つ者が増加している。本研究では, 若年女性の痩身志向が心身に与える影響について, 食行動と疲労自覚症状をもとに明らかにすることを目的とした。  1) BMIを基準とする体型区分によるやせ, 正常, 肥満の割合は, 順に17.5%, 75.4%, 7.1%であったが, 痩身志向がある者は全体の87.9%に達した。特に痩身志向がある者の中で, BMIが「やせ」と「正常」の者の割合は92.2%であった。  2) 痩身志向のある者は, 60.3%が自分の体型を「太っている」とイメージし, 60.9%がダイエットをしたことがあり, 痩身志向の有無の間には, それぞれ有意差が認められた。  3) 自棄食い経験は, 痩身志向がない者 (38.0%) に比較して, ある者 (53.6%) が有意に高い割合を示した。  4) 疲労愁訴率合計は, 痩身志向がない者 (19.7%) に比較して, ある者 (25.9%) で有意に高かった。疲労自覚症状I群の「ねむい」, 「足もとがたよりない」では, 痩身志向のない者に比較して, ある者が有意に高い割合を示した。
著者
鈴野 弘子 鈴木 恵子 石田 裕 笹田 陽子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.469-480, 2012-08-15 (Released:2013-10-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1

We conducted a survey on the forms of food served in nursing homes for the elderly and evaluated their physical properties by measuring the texture. The forms of food were mostly determined according to the observations of such experts as dietitians and registered dietitians. The suitability of the forms of the food was mostly assessed by care providers. We observed that the nursing homes provided 4.0 ± 2.5 forms of major staples and 4.4 ± 2.3 forms of side dishes as averages. The meat dishes served at the nursing homes had been cooked to be sufficiently soft according to the requirements specified by the universal design food table. The hardness of rice gruel and mixed rice gruel met the requirements applied to foods for people with difficulty in swallowing as specified by the Ministry of Health, Labour and Welfare, although the adhesiveness was too high to meet the requirements. The texture of chawan-mushi satisfied the Level III allowance, but the adhesiveness of steamed egg custard exceeded the Level III allowance. The hardness and adhesiveness of the rehydrating jelly drink met the Level II or III allowance, and its degree of cohesiveness was between0.2 and 0.6. These results indicate that the forms of food served in nursing homes are suitable and safe for consumption by the elderly.
著者
重田 公子 笹田 陽子 樫村修生
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.41-45, 2008-06-15

若年女性とその母親を対象とし,母親の痩身志向が次世代の健康に与える影響について,意識調査と発育記録をもとに検討した。対象者の在胎週数は39.3週,出産までの母体重の増加量は10.0kg, 新生児の出生体重は3,108gであった。低出生体重児は5名(6.0%)出現したが,指標として示したKaup指数をはじめ若年女性のBMIおよび体脂肪率に母親の痩身志向の有無による差は認められなかった。胎児の在胎週数は37.8週を超える正規産であるが,低出生体重児の在胎週数は3,000グラム以上の出生体重児と比較して有意に短かいことが認められた。しかし,母体重増加量は他の群と比べ最も増加していた。低出生体重児が成長した現在のBMIは,BMI区分では正常であるが,体脂肪率は30%を超える「隠れ肥満」であり,他の群と比べて有意に高かった。若年女性のやせが著しく増加し,妊娠した時点で低栄養状態にある母親が増えている。健康の一次予防の観点から,母体の健康および体重管理の重要性が示唆された。