著者
篠原 和子 平田 佐智子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2N4OS16a1, 2015 (Released:2018-07-30)

時間概念が空間的に表象される際の空間軸の写像構造については多くの先行研究がある.特に認知言語学の概念メタファー理論では,普遍的概念写像構造を探る方向で研究が進められてきたが,近年,書記体系や読みの経験など文化や状況による影響も指摘されている.本発表では,縦書き・横書き両方を併用する複雑な書記体系をもつ日本語の話者が,時間的順序列をどのように空間軸で表象するかについての実験研究を報告する.
著者
川原 繁人 篠原 和子
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.101-110, 2009-12-30

近年の音韻論・音声学研究において,音の対応は知覚的に近似するものの間で起こりやすいことが,洒落や韻などの分析をもとに指摘されている(Steriade 2003)。これは日本語のダジャレの音対応分析によっても確認され,特に子音の対応には知覚的近似性の知識が使われていることが示された(Kawahara and Shinohara 2009)。本稿はこれらの研究に基づき,新たに日本語のダジャレにおける母音の対応を分析する。ダジャレのコーパスデータにみられる母音の近似性行列の特徴を分析したところ,弁別素性(distinctive fatures)に基づく音韻的近似性ではこの特徴は説明しきれず,知覚的近似性を考慮して初めて説明可能となることが判明した。ゆえに本研究の結果からは,弁別素性に基づく音韻論的対応仮説よりも知覚的近似性にもとづく音声学的対応仮説の方が音の対応をより適切に説明できる,という結論が得られる。
著者
川原 繁人 篠原 和子
出版者
The Phonetic Society of Japan
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.101-110, 2009-12-30 (Released:2017-08-31)

近年の音韻論・音声学研究において,音の対応は知覚的に近似するものの間で起こりやすいことが,洒落や韻などの分析をもとに指摘されている(Steriade 2003)。これは日本語のダジャレの音対応分析によっても確認され,特に子音の対応には知覚的近似性の知識が使われていることが示された(Kawahara and Shinohara 2009)。本稿はこれらの研究に基づき,新たに日本語のダジャレにおける母音の対応を分析する。ダジャレのコーパスデータにみられる母音の近似性行列の特徴を分析したところ,弁別素性(distinctive fatures)に基づく音韻的近似性ではこの特徴は説明しきれず,知覚的近似性を考慮して初めて説明可能となることが判明した。ゆえに本研究の結果からは,弁別素性に基づく音韻論的対応仮説よりも知覚的近似性にもとづく音声学的対応仮説の方が音の対応をより適切に説明できる,という結論が得られる。
著者
宇野 良子 小林 史幸 篠原 和子 小竹 佐知子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.2P2OS18a2, 2017

<p>本研究は、米菓の食感認知を、オノマトペに着目した認知言語学的分析により解明する。特に、実際に米菓を食べる場合と想い浮かべるだけの場合(記憶)とで食感表現がずれる可能性とその原因を探る。実験では、実際に米菓を食べるときより、食べる経験を思い浮かべるときの方が同じ米菓がより硬く表現される観察を得た。ここから、食体験と食文化の記憶における拮抗を言葉から解明する手法を提案する。</p>
著者
宇野 良子 小林 史幸 篠原 和子 小竹 佐知子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本研究は、米菓の食感認知を、オノマトペに着目した認知言語学的分析により解明する。特に、実際に米菓を食べる場合と想い浮かべるだけの場合(記憶)とで食感表現がずれる可能性とその原因を探る。実験では、実際に米菓を食べるときより、食べる経験を思い浮かべるときの方が同じ米菓がより硬く表現される観察を得た。ここから、食体験と食文化の記憶における拮抗を言葉から解明する手法を提案する。