著者
大森 隆司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2I5OS17b2, 2015 (Released:2018-07-30)

人は相互作用の場面で感情を表現して他者に対象の評価を伝達し,受け手はそれに合わせて自身の行動を決めることで,円滑なコミュニケーションや意思決定を実現する.少なくとも対人インタラクションの場面では,人工知能に感情の機能は必要と考えられる.では感情とはどういう機能なのか,さらにそれはどういう人工知能にとって有用なのか,本発表は汎用人工知能の範囲と機能について,モデルの立場から検討する.
著者
篠原 和子 平田 佐智子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2N4OS16a1, 2015 (Released:2018-07-30)

時間概念が空間的に表象される際の空間軸の写像構造については多くの先行研究がある.特に認知言語学の概念メタファー理論では,普遍的概念写像構造を探る方向で研究が進められてきたが,近年,書記体系や読みの経験など文化や状況による影響も指摘されている.本発表では,縦書き・横書き両方を併用する複雑な書記体系をもつ日本語の話者が,時間的順序列をどのように空間軸で表象するかについての実験研究を報告する.
著者
桂 裕樹 岡田 将吾 新田 克己
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3N43in, 2015 (Released:2018-07-30)

本研究ではタブレット端末を対象とした,グラフィックインターフェースを備えた議論支援ツールを設計・開発する.議論を可視化する手段・研究は様々あるが, 必ずしも論理的に正確であるとはいえない.また,これまでの研究では既に終了した議論を分析することを主眼に置いており実際の議論では使えなかった.そこで本研究では数理議論学をベースに論理性を確保するとともに,リアルタイムな議論支援を行う.
著者
竹林 洋一 本田 美和子 Yves Gineste
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2M3NFC04a1, 2015 (Released:2018-07-30)

『ユマニチュード』は、「人と何か、ケアする人とは何か」という哲学をベースに開発された認知症ケア技法であり、「見る」「話す」「触れる」「立つ」「歩く」を基本とする具体的テクニックから構成されている。ユマニチュードは既存のケア技法との共通点も多いが、「人間尊重」を徹底して、マルチモーダルな介入(インタラクション)を行うことが特徴であり、心と脳に刺激を与え、認知症の人の心身の回復が促進することが実証されている。本報告では、MinskyとDamasioの感情・思考・身体に関わる研究の観点から、ユマニチュードの有効性と可能性について論じる。
著者
山本 康平 橘 素子 前野 蔵人 北川 正嗣 岡田 志麻
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.1C22, 2015 (Released:2018-07-30)

近年、加速度センサデバイスの普及により、簡便に睡眠深度を推定することが可能となってきている。しかし、これらのデバイスは利用者が意識的に装着や操作を行う必要がある。本報告では、マイクロ波を用いることで遠隔から非接触にて微細な呼吸動作を含む体動を計測し、それらからの特徴抽出と機械学習モデルを組み合わせることで、人体への装着や操作が不要な睡眠深度の推定技術を提案する。
著者
浅山 和宣 森山 甲一 福井 健一 沼尾 正行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.1F24, 2015 (Released:2018-07-30)

対戦型コンピューターゲームにおいてAIの操作するキャラクター(NPC)は熟練した人間のプレイヤーに及ばないことがほとんどであり、NPCの強化が課題となっている。本研究では格闘ゲームを題材に、認識の速さが強さに及ぼす影響を調べ、未来の状態を予測することで行動パターンを変えることなくNPCを強化することを図った。未来の状態の予測にはk近傍法を適用し、計算の単純化を可能にした。
著者
渡辺 哲朗 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4M11, 2015 (Released:2018-07-30)

政治資金の不適切な収支は社会的注目度の高い問題であり、不適切な政治活動実態は見逃されるべきではない。本研究では、Web上の情報を用いることによって政治資金収支報告書を分析し、不適切な政治資金の収支を自動検出するための手法の提案を目指す。政治資金収支報告書に記載のある収支相手の名称・住所などを用いて、関連情報をWeb上から効果的に抽出し、これを外部情報として利用することにより、適正性の判定を試みる。
著者
井上 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1C53, 2015 (Released:2018-07-30)

Arnold’s CatMapはそのカオス性により様々なアプリケーションに応用されている。筆者はこれまでこの理論がもつカオス的ダイナミクスを利用したCAPTCHAシステムでの認証方式を提案してきたが、システムの堅牢性や多様性を担保するためオリジナルのArnold's CatMapを拡張してシステムに適用する。そのためのダイナミクスの検討を行った。
著者
坂本 佑樹 高橋 達二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1D21in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年の動画解析技術の進歩から現実の動物の群れの中にスケールフリー相関、相転移等の概念が新たに発見された。しかしながら、群れらしさを示すと思われるスケールフリー相関を自在に調整する手法は未だ明らかにされていない。本研究では二種類の近傍を切り替える群れのMTIモデルをベースに、スケールフリー相関の傾きを調整する手法を新たに提案する。また、その傾き係数と「群れらしさ」知覚との関係を実験的に検討する。
著者
福田 清人 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.3O16in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年, 絵画や音楽, 小説のような人間の感性に基づく創作物を計算機に自動生成させる試みが, 人工知能研究における重要な課題となっている. その中で小説の自動生成については, 既存の小説のストーリーを利用した研究がほとんどであり, 生成される小説が既存の小説に大きく依存してしまうことが問題点として挙げられる. 本研究では既存の小説に依存しないストーリーを自動生成する手法を提案し、その有効性を示す.
著者
上子 優香 榊 剛史 原 忠義 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.4I13, 2015 (Released:2018-07-30)

これまでニュース記事の一読者に過ぎなかった人々が、ソーシャルメディアを通じて意見を発信することで社会的影響力を持つようになってきた。本研究ではYahoo!ニュース内のコメントとTwitterでのコメントを対象として、ニュース記事のもつ言語的特徴が、ニュース記事の読者がソーシャルメディア上で発信するコメントの数や感情度に与える影響と、プラットフォームによるコメントの性質の違いを明らかにした。
著者
藤野 直輝 小島 一晃 田和辻 可昌 村松 慶一 松居 辰則
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.1D24, 2015 (Released:2018-07-30)

本研究では,テーマパークにおいて携帯情報端末を用いて混雑情報を取得することができる来場者の満足度を,マルチエージェントシミュレーションを用いてモデル化した.具体的には,期待不一致モデルをもとに,アトラクションに対する効用とアトラクションに並ぶ行列人数とのトレードオフの関係を考慮するようなモデルを構築した.その上で,来場者の満足度向上の観点からテーマパークにおける混雑情報の提供方法を検討する.
著者
大塚 裕子 諏訪 正樹 山口 健吾
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.2N5OS16b5, 2015 (Released:2018-07-30)

本研究では、感じ方や表現方法の個人差を重視した言語化プロセスについて研究することを目的に、複雑で多様な日本酒の味わいを対象とした言語使用のデータを作成する。作成にあたり、個人が直感的に創作したオノマトペで味わいを表現し、その後、その言語音の創作理由を弁別的に分析し、言語化する。創作オノマトペと分析的用語の対応により、従来の味覚表現を超えた、個人差の反映された味わい表現リストを作成する。