著者
細谷 千博
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.1978, no.58, pp.69-85,L4, 1978-03-10 (Released:2010-09-01)
参考文献数
69

The essay is aimed at exploring, on the basis of the British archives at Public Record Office, as well as of the Japanese Foreign Office archives, an attempt for improving Anglo-Japanese relations in 1934 in the form of the Anglo-Japanese Non-Aggression Pact.Whereas the development of talks concerning the Anglo-Japanese Non-Aggression Pact is examined, an emphasis is placed upon an analysis of domestic political processes in both countries in which their foreign policies of restoring old friendly ties were pursued.The essay finds its another feature in employing an analytical framework of looking into interaction processes of three countries-Japan, Britain and the U. S. —at that time.
著者
細谷 千博 有賀 貞 山本 満 小此木 政夫 緒方 貞子 宮里 政玄
出版者
国際大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1984

三年計画の最後に当るため、各分担者とも分担課題について研究のまとめに努力した。細谷千博は全般的概観を試みるとともに、吉田茂首相の1954年外遊の目的、当時の吉田の対外政策構想についても論文を準備した。有賀貞はアメリカのアジア政策の概観を準備するとともに、アメリカの保守派の対外政策観におけるアジアの地位について考察する論文を用意し、報告した。五十嵐武士は9月より米国に出張中であるが、ニクソン・ドクトリンについての論文を作成中である。小此木政夫は1980年代の朝鮮半島をめぐる国際関係について報告し、とくに金日成暗殺誤報問題を分析した。また緒方貞子は対中国交正常化に関する比較研究について研究を進めるとともに、ワシントンでの実地調査に基づいてレーガン政権の対外政策決定過程の特色について報告し、政権上層部は穏健派だが、中堅層以下には教条的保守派が進出している等の事実を明らかにした。渡辺昭夫は防衛費1%枠問題を国際的文脈と国内政治の文脈で検討した報告を行なった。山本満は日米とアジアNICSとの投資貿易関係について分析する論文をまとめたが、さらに新資料により、最近の状況に触れた論文を作成中である。黒柳米司は、アセアン諸国の政治動向を分析し、それが日米両国の利害とどのようにかかわっているかを論じる論文をまとめつつある。宮里政玄は、ベトナム戦争が日本の世論にどのような影響を及ぼしたかを分析した論文をすでにまとめている。草野厚は海外出張中であるが、牛肉問題をめぐる日米豪の関係をそれぞれの国内政治をからませて考察する論文を準備している。3月の最後の研究会では、研究成果の刊行準備について協議し、昭和63年度に刊行することを目標とすることになった。
著者
WELFIELD John B. 細谷 千博 塩出 浩和 信田 智人 毛利 勝彦 大内 浩 細谷 千博 WELFIELD Joh
出版者
国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

本研究では、歴史的経緯を踏まえた上で、政治・経済・防衛・パーセプション・経済援助という多岐にわたる側面から現状を分析した。冷戦後において中国の脅威論が日米両国内で議論されているが、軍事的に見て近い将来に中国は東アジアにおいて日米両国の脅威となる可能性は少ない。唯一の懸念は台湾海峡問題であるが、それに対して日米両国は中国に対して封じ込めなど敵対的な対応をするのではなく、積極的に中国が国際システムに参入することを支援していかなければならない。中国が東アジアの国際秩序形成に建設的な働きをするようになれば、台湾問題においても近い将来平和的な解決手段をみつけることができよう。言い換えれば、中国を孤立させない形で、日米両国が東アジアの新国際秩序形成にイニシアチブをとる必要がある。そのためには、防衛面だけでなく、最近の東アジアの金融不安に対する経済援助やマクロ経済調整、知的所有権問題といった面での経済政策での日米の協力や、環境問題や人口問題などのグローバルな問題においての日米両国の協力が重要になってくる。京都における環境問題国際会議に見られたように、これらの問題において日米両国は必ずしも同じ立場であるとは限らない。だが、たとえ立場が違ったとはいえ、日米両国が協力して中国を含めた新国際秩序形成のために最大限の努力をするのだということは忘れてはならない。