著者
緒方 徹
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.764-767, 2017-10-18 (Released:2017-12-04)
参考文献数
12

筋肉および神経への電気刺激による筋収縮誘導の知見は,すでに臨床の現場で活用されている技術となっている.健常者に対する筋力増強の効果はすでに確立しているが,下肢を中心とする運動器疾患での臨床成績への効果については報告にばらつきがあり,高いエビデンスとはなっていない.こうしたばらつきは,対象とする疾患の重症度や廃用の状態に影響されていると考えられる.最大随意収縮との比較(%MVIC)など刺激強度を確認する方法と,介入する筋肉の状態を把握したうえでの介入研究の蓄積が求められる.
著者
宗 栄治 山崎 昌典 緒方 徹 古賀 淳 船越 健彦 那須 繁 江里口 健次郎
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.61-63, 1994-05-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1

平成4年6月から12月までの健診受診者2,557名を対象とし,10MHzプローブを用い,甲状腺一次スクリーニングを施行した。高解像超音波装置を用い,形状,石灰化像,辺縁に注目し,また大きさにより拾い上げることにより,高率に甲状腺癌が発見された。また同時にスクリーニングで発見された微小癌を如何に考え,対処するかが今後の課題になると思われた。
著者
牛島 千衣 岡村 建 中埜 杏奈 武田 あゆみ 緒方 徹 今村 明秀 望月 直美 山永 義之
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.691-700, 2022 (Released:2022-06-30)
参考文献数
28

目的:健診における甲状腺超音波検査(ultrasonography: US)の成績,特に腫瘤性病変の特徴を検討した.方法:2018年4月1日から1年間にUSを実施した未治療の5,714例(女性3,971例,男性1,743例,平均年齢51.3±10.5歳)を対象とした.検出した腫瘤の最大径を計測,個数については単発と2個以上の多発に分類し,びまん性病変(腫大,不均質,粗雑など)の合併についても検討した.結果:2,333例(40.8%)に何らかの所見―充実性腫瘤1,551例(27.1%),嚢胞性病変1,002例(17.5%),びまん性病変467例(8.2%)―を認めた.二次検診の結果が判明した136例中,バセドウ病3例(0.1%),慢性甲状腺炎38例(0.7%),甲状腺乳頭癌9例(0.2%)であった.腫瘤性病変についてさらに検討すると,腫瘤径は対数正規分布を示し(p<0.0001),平均±2SDは6.8(3.2~14.6)mm,1,054例(68.0%)は単発,497例(32.0%)は多発性で,嚢胞性や腫大など随伴所見を527名に認めた.多発性または>20mmの腫瘤が高頻度に随伴所見を伴った.年齢とともに腫瘤が存在する頻度や多発する頻度が上昇し,その傾向は特に女性において顕著であったが,腫瘤の最大径は年代別差を認めなかった.結論:USにて27.1%の高頻度に充実性腫瘤を検出し,0.2%に乳頭癌を認めた.腫瘤の最大径は対数正規分布し,加齢とともに頻度と数は増すが増大傾向は認めず,環境や加齢に伴う非増殖性の変化である可能性が示唆された.20mm以上の腫瘤形成は約1.2%と高頻度ではなかった.
著者
住谷 昌彦 緒方 徹 四津 有人 大竹 祐子 宮内 哲
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.206-211, 2013-10-01 (Released:2014-10-15)
参考文献数
13

四肢切断後に現れる幻肢痛をはじめとする神経障害性疼痛の発症には末梢神経系と脊髄での神経系の異常興奮とその可塑性に加え,大脳を中心とした中枢神経系の可塑性が関与していることが最近の脳機能画像研究から確立しつつある.幻肢の随意運動の中枢神経系における制御機構をもとに,われわれが行っている鏡を用いて幻肢の随意運動を獲得させることによる臨床治療(鏡療法)についてその有効性と限界,そして今後の幻肢痛および神経障害性疼痛に対する新規神経リハビリテーション治療の可能性について概説する.
著者
緒方 徹 住谷 昌彦
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.384-387, 2018-05-18 (Released:2018-06-14)
参考文献数
7
被引用文献数
2

幻肢痛の発症には,脳における感覚運動野の不適応が関与している.幻肢痛を訴える症例の多くで幻肢は動かせない状態で認識されることが多く,こうした感覚と運動の不一致が痛みとして認識されると考えられる.治療に関して確立した方法はないのが現状だが,ガバペンチンなどいくつかの薬剤での臨床試験が行われている.鏡療法は鏡に映った健側の四肢を切断肢と錯覚する現象を用いて,切断肢の感覚-運動ループを整えることで治療効果を発揮する.幻肢痛は長期にわたって患者の生活の質を低下させるものであることを認識し,治療法を選択することが必要である.
著者
緒方 徹 長尾 元史 杉森 道也
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

脊髄損傷後の再髄鞘化促進は、損傷脊髄の機能回復に向けた重要な治療戦略のひとつである。再髄鞘化を促進するためには、オリゴデンドロサイトの前駆細胞を活性化し、その増殖、分化、成熟を促進する必要があるが、この過程の分子メカニズムは未だ不明な点も多い。本研究では、チャージ症候群の原因遺伝子として知られているクロマチン再構成因子Chd7が、転写因子Sox2と協調して働き、脊髄損傷後の前駆細胞の活性化を制御することを明らかにした。
著者
宗 栄治 山崎 昌典 緒方 徹 古賀 淳 船越 健彦 那須 繁 江里口 健次郎
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.61-63, 1994

平成4年6月から12月までの健診受診者2,557名を対象とし,10MHzプローブを用い,甲状腺一次スクリーニングを施行した。高解像超音波装置を用い,形状,石灰化像,辺縁に注目し,また大きさにより拾い上げることにより,高率に甲状腺癌が発見された。また同時にスクリーニングで発見された微小癌を如何に考え,対処するかが今後の課題になると思われた。