著者
唐沢 穣 松村 良之 膳場 百合子 村上 史朗 奥田 太郎
出版者
名古屋大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

「責任」や「意図」といった概念は、現実の司法において決定的な役割を果たすにもかかわらず、これらの概念が法律の世界において持つ意味と、一般人がそれについて理解する内容(「素朴法理解」)の乖離は大きい。そこで、社会心理学の研究者が中心となって、法社会学、応用倫理学等の専門家との協働により、実証研究を行った。得られた知見からは、違反行為に関する責任追求と違反者に対する責任追及の峻別の困難さ、法人等の本来は心的状態をもたないはずの社会的実体に自然人と同様に意図や動機などの作用を推論して責任判断を行う傾向等が明らかになった。また、応用倫理学や法教育に適用可能な理論的枠組みの提案を試みた。
著者
膳場 百合子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、人工知能(以下AI)が引き起こした被害に対し、一般の人々が誰にどれだけ責任があると考え、どのような責任処理(問題の解決)を望ましいと考えるか、特に日本人の判断にどのような特徴があるかを検討するものである。本研究では3つの日米比較web調査を通じ、AIに関する信念と責任判断について日本人の特徴を包括的に検討する。一つ目の調査では「AIのとらえ方」の文化差を検討する。二つ目の調査では「AIが関与した問題に対して誰をどのような根拠で人々が非難するか」の文化差を検討する。三つ目の調査では、「AIが引き起こした問題に対し人々がどのような処理を望むか」の文化差を検討する。