著者
ライプニッツ 賢治 若宮 直紀 村田 正幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.60, pp.371-376, 2005-06-10
参考文献数
11

本稿では,クラスタ型センサネットワークにおけるIEEE 802.15.4 MAC層プロトコルの解析モデルを提案している.まず,クラスタメンバが同時にクラスタヘッドに通信する環境における遅延時間分布を解析的に導出している.次に,センサ端末間の同期ずれが総遅延に与える影響について検討し,同期ずれによって衝突を回避されることを示す.最後に,クラスタメンバをいくつかのサブクラスタに分割し,送信タイミングを制御することにより,転送遅延や送信成功率を高めることのできる手法について述べる.In this paper we propose an analytical model for IEEE 802.15.4 in a clustered sensor network environment. We investigate the timing delay, when all nodes transmit synchronously and derive the distribution of the transmission time for the cluster members to the cluster head. Further, we study the effects of clock skewness from each sensor node on the total delay and show how time margins can be easily found to avoid collisions from different rounds. Finally, we discuss the possibility of scheduling logical subclusters in order to improve the performance regarding transmission time and success rate.
著者
三部 靖夫 渡辺 真太郎 干 冬 中村 太一 若宮 直紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.468, pp.13-18, 2002-11-14
被引用文献数
1

高ビットレートで高品質にMPEG-2符号化されたファイルから,分散処理によって,様々な符号化方式や符号化レートのファイルへ同時に多数のビデオトランスコードを行なう方式について報告する.まず分散処理方式の概要について述べ,次にビデオトランスコードを分散処理する際の分割点でのトランスコーディング処理の課題と,その解決方法として,もとのMPEG-2の符号化データから求めた分割点のピクチャの複雑度を用いて再エンコードする方式を提案する.ここで提案する方式は分散処理を行なう上での処理待ちが生じるのを避けて,分割せずにトランスコードした結果とほぼ同じ画質が得られることを示す.さらにこの方式を拡張して,GOP間で符号量の再割当てを行なった実験結果について報告する.
著者
若宮 直紀 村田 正幸 宮原 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.428, pp.79-84, 1999-11-15
被引用文献数
5

通信品質保証のないインターネットにおいては,高品質な通信を求めるデータ系アプリケーションはTCPを,高速な通信を求める実時間型アプリケーションはUDPをそれぞれ利用するため,ネットワークにはTCP,UDPの異なるプロトコルが存在している.そのようなネットワークにおいては,動画像通信に代表されるマルチメディアアプリケーションの生成する大量のトラヒックがUDPによりなんの制御も行なわれないまま転送されるため,輻輳制御を行なうTCPの使用帯域を圧迫し極端な品質劣化を招く. そこで,本稿ではTCPと公平な動画像転送を実現するため,TCP-friendlyの概念を導入したレート制御を対象に,動画像転送への適用可能性や効果的な制御手法について検討した.動画像の品質を保ちつつ,TCPと公平な通信を実現するレート制御を行なうためには,(1)制御間隔を適切に設定し,(2)ネットワークの状態を推測し,(3)TCPのスループットを推定して(4)動画像データの生成レートを調整しなければならない.シミュレーションによる評価により,動画像をRTTの約32倍の制御間隔でTCPの推定レートにあわせてMPEG-2イントラスライス符号化して送出すれば,TCPとの公平性を実現しつつ,高品質な動画像転送が可能であることを明らかにした.
著者
上村 純平 若宮 直紀 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.689, pp.31-36, 2004-02-26

センサネットワークにより長期間の観測を行うためには,電力効率のよい情報収集機構が必要不可欠である.センサ端末は主として情報の検出,送信,受信で電力を消費する.特に情報送信の消費電力は通信距離の2乗に比例するため,近接するセンサ端末でクラスタを構成し,クラスタヘッドと呼ばれる代表がクラスタに属するセンサの情報を集約して基地局に情報を送信する,クラスタベースの情報収集機構が有効である.LEACHでは,クラスタメンバからの情報受信および基地局への情報送信による電力消費の大きさを考慮して,クラスタヘッドを交代制にすることにより,センサネットワークの長寿命化を図っている.しかしながら,センサ端末間の残余電力の差異を考慮していない,クラスタ形成に際して領域全体へのブロードキャストが必要であるなど,端末種別や導入時期によって残余電力の異なる多数のセンサ端末からなるセンサネットワークでは効率的な情報収集が行えない.そこで,本稿では,局所的な情報交換にもとづいてセンサ端末が自律分散的に適切なクラスタを構成するクラスタリング手法を提案する.シミュレーションによる評価を通して,クラスタベースの情報収集機構のひとつであるLEACHと比較して,残余電力が均一な場合とばらつきがある場合の両方において,提案手法がより長期間に渡り,多数のセンサから情報収集を行えることを示している.
著者
上村 純平 若宮 直紀 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.691, pp.31-36, 2004-02-26
被引用文献数
1

センサネットワークにより長期間の観測を行うためには,電力効率のよい情報収集機構が必要不可欠である.センサ端末は主として情報の検出,送信,受信で電力を消費する.特に情報送信の消費電力は通信距離の2乗に比例するため,近接するセンサ端末でクラスタを構成し,クラスタヘッドと呼ばれる代表がクラスタに属するセンサの情報を集約して基地局に情報を送信する,クラスタベースの情報収集機構が有効である.LEACHでは,クラスタメンバからの情報受信および基地局への情報送信による電力消費の大きさを考慮して,クラスタヘッドを交代制にすることにより,センサネットワークの長寿命化を図っている.しかしながら,センサ端末間の残余電力の差異を考慮していない,クラスタ形成に際して領域全体へのブロードキャストが必要であるなど,端末種別や導入時期によって残余電力の異なる多数のセンサ端末からなるセンサネットワークでは効率的な情報収集が行えない.そこで,本稿では,局所的な情報交換にもとづいてセンサ端末が自律分散的に適切なクラスタを構成するクラスタリング手法を提案する.シミュレーションによる評価を通して,クラスタベースの情報収集機構のひとつであるLEACHと比較して,残余電力が均一な場合とばらつきがある場合の両方において,提案手法がより長期間に渡り,多数のセンサから情報収集を行えることを示している.
著者
福田 健太郎 若宮 直紀 村田 正幸 宮原 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.241, pp.49-54, 1997-08-28
被引用文献数
6

本稿では, MPEG-2符号化された動画像における, ユーザの要求する動画像品質と必要帯域の関係を明らかにしている. TV会議システムの様な分散型マルチメディアアプリケーションにおいて, ユーザの要求する動画像品質を保証するためには, ATMやRSVPなどのような帯域保証可能なネットワークを用いることが有効である. しかしながら, これまで量子化の度合いや, 空間解像度, 時間解像度などの動画像品質を決定するQoSパラメータと, QoSを保証するために必要となる帯域の関係は明らかにされておらず, 特に動画像の実時間転送を行なう際に適切な帯域割当を行なうことは困難であった. そこで, 本稿では実際のMPEG-2動画像データに基づき, これらのQoSパラメータから容易に必要帯域を導出することができる関係を明らかにしている. また, 本稿ではQoSパラメータと実際にユーザの感じる動画像品質(主観評価)の関係についても明らかにしている. 本稿に示す相関関係を用いることにより, ユーザの要求する動画像品質を提供するQoSパラメータを決定し, さらにQoSを保証するために必要な帯域をあらかじめ予測することが可能となる. また, ネットワークが高負荷の場合など必要な帯域の確保が困難な場合に, 動画像品質を出来る限り高く保ちつつ必要帯域を減らすためのレート制御法についても検討を行なっている.