1 0 0 0 OA 慢性呼吸不全

著者
茂木 孝
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.171-175, 2023-04-28 (Released:2023-04-28)
参考文献数
24

慢性呼吸不全は室内気で PaO2 が 60 Torr 以下という低酸素血症が1か月以上続く場合と定義される.その病態は肺高血圧・肺性心,呼吸筋疲労を中心として中枢神経系,栄養障害など多岐にわたる. 病態からみた慢性呼吸不全の管理ポイントは3つある.1つは低酸素血症と高炭酸ガス血症への対処であり,具体的介入が酸素療法および非侵襲的・侵襲的人工呼吸である.さらにこれらの管理に伴う臨床的問題への対処(モニタリング,アドヒアランスなど)が必要である.第2に栄養,代謝,臓器・筋肉障害への対処であり,介入内容は体重と栄養状態の管理,身体活動性・運動耐容能の向上・維持,および呼吸リハビリテーションである.第3にすべてに共通するのがセルフマネジメント支援である.近年新しい研究も報告されたが,残念ながら酸素療法の適用基準は40年前からほぼ進化していない.一方で新たなデバイスの研究も進んでおり適用拡大も期待されている.
著者
茂木 孝
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.327-330, 2015-12-31 (Released:2016-01-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2

呼吸器領域の患者教育は,包括的呼吸リハビリテーション内のコンポーネントとして位置づけられており,他の運動療法,栄養指導などと共に提供されるが,本稿では呼吸器に留まらず医療一般に必要な患者教育総論として概説する.近年の患者教育は,患者自身の自己管理をいかに向上させるかという点に重点が置かれている.その目標にあるのは患者の自己管理による適切な行動選択と実行である.そして患者の望ましい行動変容を教育・支援するのがわれわれ医療者の役割である.そのためには,単なる知識の伝達ではなく,患者の元々の健康に関する素養(ヘルス・リテラシーなど)とアドヒアランスにも考慮した教育・支援が必要となる.医療者自身が正確な情報を保持し,患者のニーズに合わせて適切に提供してこそ意味がある.患者の認知・教育状態を把握しながら,疾患や社会の将来までを見通した医療情報を提供するよう心がける必要がある.
著者
茂木 孝也
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.11-18, 1999-03-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
14