著者
佐藤 典子 Noriko Sato 千葉経済大学 CHIBA KEIZAI UNIVERSITY
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = The Chiba-Keizai ronso (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.21-36,

今日、必要性や有効性など、道具的機能によってのみモノが選択され、消費されることはあるのだろうか。必要なものはすべて手に入れた後の消費は何を基準になされているのか。しばしば、私たちは、その消費したモノを他者に呈示するのだが、それは、社会的・文化的にどのような意義があるのか。高度消費社会を迎えたといわれ、消費そのものが記号化し先鋭化される中で、消費がもたらすコミュニケーション機能について論じた。
著者
佐藤 典子
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.1-31, 2004-03

序I. フランスの家族に関する法と歴史的背景 1. 家族の現状 (1) フランスの婚姻事情 (2) 内縁=事実婚の傾向 (1) 内縁の実態 (2) 従来の内縁関係の問題 ア) 異性愛内縁カップル イ) 同性愛内縁カップル ウ) 内縁に対する法解釈と判例 (3) 親子関係の変化 2. 家族法の歴史 (1) 近代家族の誕生 (2) 家族の権威原則の消失 : 失墜した家父長制 (3) 複合家族の出現II. Pacsとは 1. パクス制定 (1) パクス前史 (2) パクス制定までの経過 2. パクス法とは (1) 法的な定義 (2) 法的なあいまいさ (3) 「内縁」の規定 (4) パクスの定着 3. パクスの法的な評価 (1) 内縁関係を立法化する必要があるのか (2) カップルが子を持つことの可能性 4. 社会的な意義の検証 (1) 同性愛カップルについて (1) 同性愛者個人に対する差別 (2) 同性愛カップルに対するまなざし (3) 同性愛カップルは家族か (2)異性愛カップルとパクス (3) 偽装パクス (4) 「友情以上結婚未満」カップルのケースIII. 象徴闘争としてのパクス 1. 親密関係の再政治化 (1) 「個人的なことは政治的なこと」であるか (2) 家族制度と「連帯(Solidarité)」 (3) 同性愛カップルにとってのパクス (4) 対幻想としてのパクス 2. パクスの象徴闘争としての側面 (1) パクスは脱構築されているか (2) 自己決定という名の陥穽 (3) 象徴的支配としてのパクス特集家族とその社会的生活世界の探求論文
著者
佐藤 典子 Noriko Sato 千葉経済大学 CHIBA KEIZAI UNIVERSITY
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = Chiba keizai ronso (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-23,

高齢社会の到来とともに看護師の医療・介護界での需要は高まり、その重要性の認識も社会において自明視されている。それと同時に、業務もより専門化しているが、キャリアの浅い若手看護師が2001年、2007年と連続して過労死(認定はいずれも2008年)する事件が起きており、ここ数年の調査でも、看護師の過労や離職の問題は改善されていない状況である。そこで、制度の問題だけでなく、そうならざるを得ない状況について、多くの看護師が女性であることから、これらの要因がジェンダー化された仕事としての看護職にあるのではないかといった視点を含めて考えてみたい。
著者
池上 真平 佐藤 典子 羽藤 律 生駒 忍 宮澤 史穂 小西 潤子 星野 悦子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.237-247, 2021 (Released:2021-10-25)
参考文献数
36
被引用文献数
2

Regardless of the time and location, people listen to music. One may ask why people listen to music and what function it serves. This study clarifies the psychological functions of listening to music and the attributes associated with the individual differences found in these functions. A total of 916 participants between the ages of 15 and 88 were asked to rate various psychological functions of music listening and Big Five traits. A factor analysis identified the seven factors of psychological functions of music listening: “self-awareness”, “emotion regulation”, “communication”, “tool”, “embodiment”, “social distance regulation”, and “solace”. The results revealed that the individual differences in the functions were the result of gender, age, and personality traits. The nature of these seven functions and future directions are discussed.
著者
深谷 笑子 武井 玲子 難波 めぐみ 佐藤 典子 遠藤 恵
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

目的:家庭科の最も重要な特徴は、生活に密着していることである。また、生活という概念は、住むこと、生きること、暮らすことと大きくかかわっていることであり、それは、家や家族に人間が護り護られてこそ成り立つことでもある。そこで、家の役割と家族の意義について,東日本大震災に関する調査から家庭科「家族・家庭」の学習内容を検討することを目的とする。方法:1.2012年7月本学生311名を対象にアンケート調査を実施、2.学生の震災体験記録 3.2012年8月にKGCサマーリフレッシュプログラム(教員免許状更新講習)の教員を対象にしたアンケート調査 4.県内の高等学校家庭科教員対象アンケート調査の実施 結果及び考察:1.本学生を対象にしたアンケート結果から1)震災時、どのようなことを考えたか、の自由記述で一番多かったのは、「家族・友人の安否」「自宅の心配」と、自分自身のことではなく他人、身内などの安否を心配していたことがわかった。2)震災前後の意識の変化では、家族を思う気持ちが強くなった、が7割以上であった。このことから普段家族は空気のようなものだが、困難な時ほど家族の存在が大きいことがわかった。2.本学生の震災体験記録から1)大変なときこそ家族といることが安心だと実感した。2)家族と連絡が取れなかったが、家族は家があることで、遅くなっても帰ってきた。家は家族が帰ってくるところ、家があることのありがたさに気づかされた。3)家があるとことは、家族がひとつになれることでもある。4)家に家族がいたから安心だった。5)家に一人でいたので怖かった。6)家族間に政治の話題が多くなった、など家族を守る器として、また住むということは、どこに出かけてもまた戻ってくる所で根を張っている住まいと家の役割があげられていることがわかる。3.サマーフレッシュから(児童・生徒の変化)1)小学校教諭からは、家族を大切に思う子が増えた。2)中学校教諭からは、日々の生活に感謝。防災意識が出た。3)高等学校教諭からは、子供の生活に変化が見られなかったのは、母親がずーとそばにいることができたおかげと思う。4)特別支援学校教諭からは、何かあれば家の人を思い出し、助けてくれる頼りになる人は家の人、など生徒は、日頃考えないことが、この時を境に家族や防災意識そして正常の生活に感謝する気持ちがわいたことがわかった。4.家庭科教員対象アンケート調査結果から1)緊急時は夫婦それぞれ実家を優先に行動した。2)家や家族の大切さを改めて感じた。3)家族を大切にするようになった。4)より団結力が強くなった。5)連絡が密になったなど、教員自身も実家の親を心配したリ家族を意識したり家族の存在の大きさを実感したことがわかった。体験記録(2名)から1)津波の予測で避難所へ、その後まもなく原発で避難場所を次々移動、現在も落ち着いた生活ではなく、5人がばらばらに生活している。2)地震当時頭をよぎったのは、家族、友達、生徒のこと。生活の基盤は家族。離れ離れになった家族がたくさんいることは胸が痛い。家族と共に普通の生活を送ることがいかに幸せなことなのかを感じることができた。いずれも、福島県が他と異なる東日本大震災の特徴である、地震・津波・福島原子力発電事故によって、家族がバラバラに過ごさざるを得ない不安定な状況が述べられている。 今後の課題: 高校『家庭基礎』の内容を見ると、家や家族の意義についての記載が乏しい。そこで、家や家族の存在について、住むことの本質と上記のような非日常的なときこそ強さを持つ家族についての説明、そして体験記録の掲載を期待する。
著者
佐藤 典子
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.21-34, 2009-07-27

経済の不安定さ(precarite プレカリテ)は、すなわち、社会の不安定さとして、人々の生活基盤を脆弱にしてしまう。とりわけ、雇用の不安定さは、最も影響が大きいだろう。そこで、グローバリゼーションのなかで、ネオリベラルな路線に向かいつつある多くの国が、切り捨てられる運命にある不安定雇用の実態をどのようにとらえているのか、フランスのCPE反対運動の事例から見ていきたい。
著者
佐藤 典子
出版者
日仏社会学会
雑誌
日仏社会学会年報 (ISSN:13437313)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-16, 2019-11-30 (Released:2021-08-25)

2008 年、若手看護師が過労死認定される事件が相次ぎ、同年の日本看護協会の調査では、23 人に1人、約2 万人の看護師が過労死危険レベル(残業時間が月60 時間となった判例から)で働いている(特に経験の浅い20 代の看護師)ことがわかった。勤務時間インターバルは、ホワイトカラー全体では、11 時間未満が10.4%、教員が26.3%だが、日本看護協会によれば、2 交代制、3 交代制勤務の看護師は、3交代制ではインターバルが実質4 時間、2 交代制の場合、80%以上の看護師が15 時間以上、 17 時間の長時間夜勤を行っているなど、シフトが厳守されないことによる長時間労働を行っていることが示された。 そこで、看護師の過労(死)は、なぜ、生まれるのか。長時間労働は、いかにしてなされるのか。また、サービス残業の問題などを看護師の働き方を時間から考えることで新たな視点を示したい。というのは、看護職の時間外労働による過労が常態化し、それに見合った手当がなされていないこと、それ以外にも、看護職本来の業務以外に行うことが自明視されていることが看護職にとっての大きな負担となっているからである。それでは、なぜこのようなことが起きているのかということについて、いくつかの視点から考察したい。
著者
佐藤 典子 原 笙子 角野 猛
出版者
東都大学
雑誌
東都医療大学紀要 = Tohto University bulletin (ISSN:21861919)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.33-40, 2019-03

「埼玉青ナス」は、巾着型で果皮は鮮やかな緑色をした深谷市の伝統野菜である。明治時代に奈良漬の材料として導入された品種で、「中山道ナス」とも言われ、市内では、うどんや煮ぼうとうの具、あぶらみその味噌炒めとして食されてきた。近年は、生産農家の減少に伴い、直売所等に少量出荷される程度である。そこで、「埼玉青ナス」のPRに取り組む第一歩として、栽培過程の観察、食べ頃の「埼玉青ナス」の一般成分及び遊離アミノ酸の分析を行い、次の2点についての結果を得た。1.エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、食塩相当量、水分及び灰分量の平均値は、それぞれ、25.3kcal/100g、1.0g/100g、0.1g/100g、5.1g/100g、1.0mg/100g、0.0g/100g、93.4g/100g及び0.5g/100gであった。2.遊離アミノ酸総量は平均244mg/100gであった。いずれの検体ともグルタミンが平均68.7mg/100gで最も多く、次いで機能性成分であるγ-アミノ酪酸(GABA)は、平均42.3mg/100gであった。近年、GABAは、代謝系や神経系、更にはストレス軽減への効果が報告されており、今後は調理や保存時の含有量の変動等を明らかにしたい。(著者抄録)
著者
池上 真平 佐藤 典子 羽藤 律 生駒 忍 宮澤 史穂 小西 潤子 星野 悦子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.20005, (Released:2021-09-30)
参考文献数
36
被引用文献数
2

Regardless of the time and location, people listen to music. One may ask why people listen to music and what function it serves. This study clarifies the psychological functions of listening to music and the attributes associated with the individual differences found in these functions. A total of 916 participants between the ages of 15 and 88 were asked to rate various psychological functions of music listening and Big Five traits. A factor analysis identified the seven factors of psychological functions of music listening: “self-awareness”, “emotion regulation”, “communication”, “tool”, “embodiment”, “social distance regulation”, and “solace”. The results revealed that the individual differences in the functions were the result of gender, age, and personality traits. The nature of these seven functions and future directions are discussed.
著者
佐藤 典子 Noriko Sato 千葉経済大学 CHIBA KEIZAI UNIVERSITY
雑誌
千葉経済論叢 = The Chiba-Keizai ronso (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.21-36,

今日、必要性や有効性など、道具的機能によってのみモノが選択され、消費されることはあるのだろうか。必要なものはすべて手に入れた後の消費は何を基準になされているのか。しばしば、私たちは、その消費したモノを他者に呈示するのだが、それは、社会的・文化的にどのような意義があるのか。高度消費社会を迎えたといわれ、消費そのものが記号化し先鋭化される中で、消費がもたらすコミュニケーション機能について論じた。
著者
佐藤 典子
出版者
財務省印刷局
雑誌
時の法令 (ISSN:04934067)
巻号頁・発行日
no.1398, pp.p75-84, 1991-03-30
著者
横井 輝夫 佐藤 典子 益野 淳子 郷間 英世
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.343-347, 2004
参考文献数
18
被引用文献数
1

離乳期の口腔機能に停滞していると考えられる重症心身障害児・者の適切な食形態の基礎資料を得るために,口腔機能の発達段階と食形態のレベルについて実態を調査した。対象は3歳から55歳(平均年齢28.1歳)までの摂食・嚥下障害が疑われる重症心身障害児・者92名である。方法は離乳の初期,中期,後期に特徴的にみられる口腔機能である舌運動と顎運動を評価し,提供されている食形態のレベルとの関連を調べた。結果,舌運動と顎運動については大多数が離乳中期までの段階に停滞していた。一方,離乳後期以降の食形態が主食で3割,副食で8割の者に提供されていた。全体的に舌運動と顎運動の機能に対し有意にレベルの高い食形態が提供されていた。口腔機能は,食形態や摂食姿勢などの食事環境との相互作用で発達していく。誤嚥性肺炎や食べる楽しみの喪失などを予防するために,口腔機能の発達段階に適した食形態のレベルについての再考が必要であると考えられた。
著者
植木 昭紀 磯 博行 佐藤 典子
出版者
兵庫医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

アルツハイマー型認知症における神経病理学的変化がプレパルスインヒビションを制御する神経回路に影響すると考えられ、プレパルスインヒビションの測定がアルツハイマー型認知症の前駆段階と考えられる健忘型軽度認知障害、軽度アルツハイマー型認知症、正常加齢を判別するための簡便な非侵襲的検査として応用できる可能性がある。