著者
川島 真 茂木 敏夫 岡本 隆司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本科研は、所期の計画に従って、主に以下のような事例研究を提示した。第一に、冊封や朝貢に代表される中国の諸王朝と周辺諸国との関係は19世紀末に終焉するが、その過程で、清と周縁諸国との冊封・朝貢関係が言わば近代的国家関係を利用しつつ再編されたことに関する事例研究を示すことができた。第二に、20世紀に入り、中国が19世紀以前の周辺諸国との関係を、ナショナリズムの動向や日本との戦争、その時々の外交政策などとも関連させながら、伝統的な周辺との関係として記憶化してきたことが事例研究で示された。
著者
茂木 敏夫
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.45-61, 2014-09-30

The world order that prevailed in East Asia was one in which relations between Chinese dynasties and neighboring countries, regions, and social groups were formed as relationships of tribute and investiture on basis of Sinocentric civilized/barbarian thought and the Confucian ideals of rule by virtue and propriety. This interpretation has become fixed in recent years, and it is now necessary to reconsider.
著者
飯野 成憲 辰市 祐久 山崎 実 茂木 敏 吉田 慎太郎 井上 宏 荒井 康裕
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.24, 2013

東京都は小型電子機器などが多く排出されているため、「都市鉱山」としてのポテンシャルが高い。しかし、不燃ごみ中の希少金属・主要金属は鉄やアルミなど一部の資源を除いて破砕を経て最終処分場に埋め立てられている<sup>1)</sup>。不燃ごみ中の有用な金属の再資源化のためには、小型電子機器等の回収可能量を定量的に把握することが必要である。<br> そこで、不燃ごみ中の電子機器等のごみ質組成を調査することにより、都内において実際に排出される小型電子機器等の総排出量を推計した。また、天然資源採掘量の削減という点に着目し、再資源化による天然資源採掘量の削減効果を推計したので報告する。
著者
茂木 敏夫(1959-)
出版者
東京女子大学論集編集委員会
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.87-102, 0000

From the early 19th Century, Chinese society was enveloped in a sense of deadlock. Some scholar-officials, such as Lin Zexu (林則徐) and Wei Yuan (魏源), were seeking policy reform by considering and criticizing historical studies (考証学). These reformers came across and acquired new knowledge that had been accumulated in Canton (広州) as a result of trade with Western countries. This led to their thought developing to a new stage. Haiguo tuzhi(海国図志)is its symbolic work.19世紀初以降、中国社会の閉塞状況のなかで登場した改革論(経世論)は、その頃に完成された考証学を、一方ではふまえつつ、一方では批判することにより、確立していった。この改革論は広東に蓄積されていた新たな知の蓄積と出会うことにより、新たな展開を遂げた。その象徴的作品である『海国図志』を見ることにより、当時の知の枠組の変容や知の地域性を考察する。