著者
荒川 規矩男 代田 浩之
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.831-841, 2009

荒川規矩男先生は世界で初めてヒトアンジオテンシンの単離に成功し, 構造決定を行いました. その後もヒトアンジオテンシン-II生成バイパス, キニン・テンシン系などを発見されました. また, 活躍の場所を福岡大学に移されると運動療法による降圧効果の研究, 食塩と血圧の研究をされてきました. 国際高血圧学会や高血圧治療ガイドラインにも関わられるなど国際的にも高血圧分野において多大なる功績を残されました.<BR>今回のMeet the Historyは, その荒川規矩男先生をゲストに, 本誌編集委員の代田浩之先生をホストとして, 逆境のなかで研究に邁進された荒川先生の半生をお伺いしました.
著者
向野 義人 荒川 規矩男 恒矢 保雄
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.279-284, 1984-01-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
5

目的と方法: 耳のツボである肺点と噴門点の効果差を検討するために, 42例の単純性肥満を無作為に肺点治療群 (L), 噴門点治療群 (C) に分け, 皮内針で2週間治療した。摂食量, 空腹感, 満腹感, 摂水量, 尿量の変化を5~7段階評価し, 体重, 血清滲透圧, 抗利尿ホルモン (ADH) の変化も比較検討した。結果: L, Cにおいて同等の摂食量減少, 空腹感減少, 満腹感亢進, 摂水量減少, 体重減少をきたした。しかしLでは尿量増加 (P<0.10) を示し, 血清滲透圧, ADHが有意に減少した (P<0.02, P<0.02)。一方, Cでは変化しなかった。結論: 噴門点, 肺点の食欲抑制効果は同等であるが, 水代謝への影響には相異があると考えられた。
著者
岡部 眞典 福田 圭介 川口 浩 河野 知記 中島 与志行 広木 忠行 荒川 規矩男 菊地 昌弘
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.22, no.10, pp.1140-1150, 1990-10-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
27

従来の報告に類をみない,明らかなリンパ球集籏を伴う慢性心筋炎の3剖検例を経験した.3症例は全て50歳台の女性で,互いに類似した臨床像と病理形態を呈した.2例は心不全,1例は伝導障害で発症したが,いずれも主徴候は治療抵抗性の心不全であった.これら3例では発症から3~6年の経過を観察できたが,心不全が入院加療を要する程度にまで進行した後,約3年で全例が死亡した.剖検心の重量は,それぞれ480・530・430gと増大.肉眼的には,心室壁の菲薄化を伴う左右両室の拡張を認めた.組織学的には,多数のリンパ球の集籏をみたことがきわめて特徴的で,一部では活動性炎症,すなわち心筋細胞の破壊像を認めた.心筋線維症は,左室中輪状筋層を中心に帯状ないしは不整斑状に認め,膠原線維は密で成熟しており慢性の経過を裏付けた.このような臨床経過と,特異的な病理組織所見より,我々はこれら3例に関して“慢性活動性心筋炎(chronic activemyocarditis)”という新しい概念を提唱した.
著者
向野 義人 荒川 規矩男
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3-4, pp.211-216, 1985-03-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
9

肥満の耳針療法における右刺激と左刺激の効果差と味覚変化効果を検討した。方法 (1) では39例の単純性肥満を無作為に両側肺点治療群 (BL), 右噴門肺点治療群 (R1) に分けた。方法 (2) では24例の単純性肥満を無作為に右噴門肺点治療群 (R2) と左噴門肺点治療群 (L) とに分けた。各々皮内針で4週間治療し, 食欲抑制効果及び体重と味覚の変化を比較した。その結果 (1) でBLの方が食欲抑制効果及び体重減少量が大で, 塩味覚はBL, R1とも過敏となった。(2) で, R2の治療前塩味覚閾値は体重減少量に正相関 (r=0.794) し, Lでも同様傾向を示し (r=0.536), 塩味覚が鈍い程体重減少量が多かった。この回帰直線の傾きはR2でより急峻 (P<0.05) であり, 右刺激が左刺激より有効であった。