著者
中村 浩一 兒玉 隆之 向野 義人
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.131-135, 2014
被引用文献数
2

〔目的〕格闘技選手においてstate-trait anxiety inventory(STAI)とemotion intelligence scale(EQS)から精神的特性を検討した.〔対象〕格闘技選手(健常男性80名,平均年齢22.6 ± 4.7歳)とした.〔方法〕STAIとEQSを実施し,ボクシングとキックボクシング(打撃群),柔道とレスリング(組み技群)に分け,群間及び競技種目間で比較検討した.〔結果〕STAIでは,群及び競技種目間に差はみられなかったが,状態不安,特性不安が基準値に対し高値の傾向にあった.EQSでは,打撃群が組み技群に比べ「自己対応」が有意に高値,「対人対応」が有意に低値であった.〔結語〕格闘技選手の精神的特性として,不安を抱えやすい傾向にあり,競技特性が情動知能の対応領域に差をもたらす可能性が示唆された. <br>
著者
尾崎 昭弘 今井 賢治 伊藤 和憲 向野 義人 白石 武昌 石崎 直人 竹田 太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.779-792, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
39
被引用文献数
1

「耳鍼に関するこれまでの研究の展開」を主テーマとしてセミナーを行った。セミナーでは、近年の国内外の耳鍼の展開、作用機序や臨床効果のレビューを行い、知見を総括した。耳鍼による肥満の基礎研究では、耳介と視床下部-自律神経系の関連、耳鍼を受ける側の状態の違いに起因する個人差などが紹介された。さらに、作用機序では耳介の鍼刺激により白色脂肪組織 (WAT) に発現したレプチンが、末梢と中枢の両者に存在するレプチン受容体 (Ob-R) に結合して、摂食を抑制することなどが紹介された。耳鍼の臨床効果については、肥満に関する欧米の知見を中心に紹介された。しかし、欧米の論文のレビューでは共通した治療方法、評価指標などが乏しかったため、総合的な結論を下すには至らなかった。鎮痛効果や薬物依存では、臨床効果が期待されたが、禁煙では否定的であった。
著者
中村 浩一 兒玉 隆之 向野 義人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.131-135, 2014 (Released:2014-03-26)
参考文献数
19
被引用文献数
2

〔目的〕格闘技選手においてstate-trait anxiety inventory(STAI)とemotion intelligence scale(EQS)から精神的特性を検討した.〔対象〕格闘技選手(健常男性80名,平均年齢22.6 ± 4.7歳)とした.〔方法〕STAIとEQSを実施し,ボクシングとキックボクシング(打撃群),柔道とレスリング(組み技群)に分け,群間及び競技種目間で比較検討した.〔結果〕STAIでは,群及び競技種目間に差はみられなかったが,状態不安,特性不安が基準値に対し高値の傾向にあった.EQSでは,打撃群が組み技群に比べ「自己対応」が有意に高値,「対人対応」が有意に低値であった.〔結語〕格闘技選手の精神的特性として,不安を抱えやすい傾向にあり,競技特性が情動知能の対応領域に差をもたらす可能性が示唆された.
著者
沢崎 健太 木下 藤寿 平野 修 末藤 俊寿 本田 達朗 茂原 治 向野 義人
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.492-499, 2001-08-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
5
被引用文献数
3 5

企業内労働者における運動器症状への経絡テストを用いた鍼治療の効果と医療費との関連性があるかを鉄材の移動、組立、溶接作業などの動作を繰り返し行う肉体労働職を主体とした有痛者117名を対象として検討した。8週間の治療で痛みが半減した者は頚肩部痛で83%、腰痛で77%、膝痛で88%に達した。心理検査 (POMS) では緊張、抑鬱、怒り、疲労、情緒混乱のスコアが有意に減少した。鍼治療期には運動器疾患の受診は半減し、その健康保険医療費は約1/3となった。終了後も医療費減少は持続し、経絡テストを用いた鍼治療は健康づくりならびに医療費削減に有用と考えられた。
著者
向野 義人 荒川 規矩男 恒矢 保雄
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.279-284, 1984-01-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
5

目的と方法: 耳のツボである肺点と噴門点の効果差を検討するために, 42例の単純性肥満を無作為に肺点治療群 (L), 噴門点治療群 (C) に分け, 皮内針で2週間治療した。摂食量, 空腹感, 満腹感, 摂水量, 尿量の変化を5~7段階評価し, 体重, 血清滲透圧, 抗利尿ホルモン (ADH) の変化も比較検討した。結果: L, Cにおいて同等の摂食量減少, 空腹感減少, 満腹感亢進, 摂水量減少, 体重減少をきたした。しかしLでは尿量増加 (P<0.10) を示し, 血清滲透圧, ADHが有意に減少した (P<0.02, P<0.02)。一方, Cでは変化しなかった。結論: 噴門点, 肺点の食欲抑制効果は同等であるが, 水代謝への影響には相異があると考えられた。
著者
向野 義人
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.67-74, 1981
被引用文献数
1 1

(目的と方法) 耳に食欲を抑制するツボがあるかどうかを検討するために, 50例の単純性肥満 (18歳~45歳) を無作為に神門治療群, 肺治療群に分け, 皮内針で2週間治療した。摂食量, 満腹感, 空腹感の変化を5または4段階評価により検討し, 各症例における有効・無効を判定した。また空腹時 Glucose, FFA, Insulin, Gastrin, Secretin の変化及び水300ml負荷時の Gastrin 分泌の変化を比較検討した。(結果) 両群の有効率には差 (p<0.005) があった。肺点治療により, 摂食量の減少 (p<0.05), 満腹感の亢進 (p<0.01), 空腹感の減少 (p<0.05) をきたし, また Insulin の減少 (p<0.05), 水負荷時の Gastrin 分泌が亢進 (p<0.05) した。(結論) 耳に食欲を抑制するツボがあり, その刺激により Insulin 分泌が低下し, Gastrin 分泌が亢進する。
著者
沢崎 健太 星川 秀利 宮崎 彰吾 向野 義人
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.260-264, 2014 (Released:2014-09-26)
参考文献数
14

目的 : 非侵襲性の微細突起による皮膚刺激を用いて, 大学生の便秘に及ぼす影響を検討した.対象 : 便秘の事前調査を回収できた280名の内, 研究趣旨に同意が得られた17名とした.方法 : 微細突起を耳甲介腔に各自貼付するS群 (9名) とプラセボP群 (8名) を封筒法により無作為に割付け, 便秘 (CAS-J) , 体重, 体脂肪率, 血圧の評価を行った.結果 : S群では介入開始前と比較して研究終了後にCAS-Jが有意に低下 (P=0.02) したが, P群では有意な差はなかった. 両群共に体重, 体脂肪率, 血圧は研究終了後に有意差はみられなかった.結論 : 本研究は耳甲介腔への微細突起による非侵襲性の皮膚刺激が便秘の改善傾向, 特にセルフケアの一手段として活用できる可能性を示唆する.
著者
向野 義人 荒川 規矩男
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3-4, pp.211-216, 1985-03-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
9

肥満の耳針療法における右刺激と左刺激の効果差と味覚変化効果を検討した。方法 (1) では39例の単純性肥満を無作為に両側肺点治療群 (BL), 右噴門肺点治療群 (R1) に分けた。方法 (2) では24例の単純性肥満を無作為に右噴門肺点治療群 (R2) と左噴門肺点治療群 (L) とに分けた。各々皮内針で4週間治療し, 食欲抑制効果及び体重と味覚の変化を比較した。その結果 (1) でBLの方が食欲抑制効果及び体重減少量が大で, 塩味覚はBL, R1とも過敏となった。(2) で, R2の治療前塩味覚閾値は体重減少量に正相関 (r=0.794) し, Lでも同様傾向を示し (r=0.536), 塩味覚が鈍い程体重減少量が多かった。この回帰直線の傾きはR2でより急峻 (P<0.05) であり, 右刺激が左刺激より有効であった。
著者
中村 浩一 向野 義人 兒玉 隆之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.13-17, 2011 (Released:2011-03-31)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

〔目的〕Individual Muscle Stretching(ID)が心身に及ぼす影響を検討した。〔対象〕健常男子学生60名60肢右脚とした。〔方法〕IDを施行する群(ID群),Static Stretchingを施行する群(SS群),ストレッチングを施行しない群(control群)に被験者を分け,群間及び各ストレッチング前後で,ゴニオメーター,サイベックス,アンケートを用いて比較検討した。〔結果〕柔軟性と筋出力において,ID群は介入後有意に柔軟性の向上と筋出力の低下を認めた。アンケートの結果,ID,SS群ともに,介入後,有意に身体的疲労及び気分の改善を示す結果を得た。〔結語〕IDは柔軟性向上,筋出力低下,精神心理の改善をもたらすことが示唆された。
著者
沢崎 健太 星川 秀利 宮崎 彰吾 向野 義人
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.260-264, 2014

<b>目的</b> : 非侵襲性の微細突起による皮膚刺激を用いて, 大学生の便秘に及ぼす影響を検討した.<br><b>対象</b> : 便秘の事前調査を回収できた280名の内, 研究趣旨に同意が得られた17名とした.<br><b>方法</b> : 微細突起を耳甲介腔に各自貼付するS群 (9名) とプラセボP群 (8名) を封筒法により無作為に割付け, 便秘 (CAS-J) , 体重, 体脂肪率, 血圧の評価を行った.<br><b>結果</b> : S群では介入開始前と比較して研究終了後にCAS-Jが有意に低下 (P=0.02) したが, P群では有意な差はなかった. 両群共に体重, 体脂肪率, 血圧は研究終了後に有意差はみられなかった.<br><b>結論</b> : 本研究は耳甲介腔への微細突起による非侵襲性の皮膚刺激が便秘の改善傾向, 特にセルフケアの一手段として活用できる可能性を示唆する.
著者
近藤 史生 天野 和彦 田中 亜紀子 向野 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.196, pp.9-12, 2002-07-06
被引用文献数
2

ヒトの動きは多関節多軸を連動させることにより、手先の微細な動きやスポーツ動作のようなダイナミックな動きを可能としている。スポーツ選手のパフォーマンスの低下が生じる際には、この多関節の連動のうち、いずれかの部位に原因があると考えられる。本報告では、卓球競技歴7年以上のスポーツ選手を対象にして多関節の連動異常を調べる理学検査法である経絡テストにおける負荷動作のうち肩関節屈曲動作を鍼刺激前後において三次元計測した。
著者
天野 和彦 神田 亮 下田 達也 向野 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.644, pp.37-40, 2005-01-22

ヒトの動きは筋と骨格と多関節を連動させることにより、手先の微細な動きやスポーツ動作のようなダイナミックな動きが可能となる。しかし、ヒトの身体は動きに異常があると本来の運動能力を発揮できないことが起こる。そこで、本研究ではヒトの筋と骨格と多関節を連動させた負荷動作を体系化し、身体の動きに支障のある系統と関係する東洋医学の治療点の選択を目的とした負荷動作の指導をするweb用三次元CGの開発をした。その結果、三次元CGによる負荷動作の人体モデルと、身体の動きの異常を修復するツボの選択を指示する写真画像とを関連付けるwebを介したバイオメカニックス的な治療指導の見通しを得た。