- 著者
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内田 あゆみ
荻原 淳
熊谷 日登美
赤尾 真
松藤 寛
櫻井 英敏
関口 一郎
- 出版者
- 日本食品科学工学会
- 雑誌
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.5, pp.280-285, 2009-05-15
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
-
1
5
ジャンボリーキ(大粒ニラネギ)と他のネギ属について,スルフィドおよびスルフィド基質成分を比較した結果,ジャンボリーキは,ニンニクやGHガーリックとは異なり,リーキに近似することが判明した.<BR>すなわち,ジャンボリーキから生成するスルフィドとしてM-SS-M(1.7mg/kg wet wt),M-SS-Pe(15.7mg/kg wet wt kg),P-SS-Pe(7.5mg/kg wet wt),M-SSS-M(21.5mg/kg wet wt),M-SSS-P(10.0mg mg/kg wet wt),M-SSS-Pe(14.0mg/kg wet wt),alk(en)yl CS0として,MCS0(4.1±0.5mg/kg wet wt),PCSO(0.1±0.3mg/kg wet wt)およびPeCSO(2.4±0.4mg/kg wet wt)が検出され,その総量はタマネギ,およびリーキと類似していた.<BR>またスルフィド基質前駆体物質であるGlu-alk(en)yl Cの検索を試みたところ,Glu-PEC(87mg/kg wet wt)が単離,同定された.<BR>従って,ジャンボリーキの低臭気発現機構は,リーキと同様に,基質前駆体物質のGlu-PECがγ-グルタミルトランスペプチダーゼにより<I>S-E</I>-1-プロペニルシステイン(PEC)となり,これが酸化される結果,スルフィド基質であるPeCSOが形成され,もともと存在するalk(en)yl CSOと共にアリイナーゼ(C-Sリアーゼ)によりジアルキルチオスルフィフィネートを経由でスルフィドが形成されるものと推定された.