著者
田内 悠太 荻野 智之 森沢 知之 大松 重宏 坂本 利恵 和田 陽介 道免 和久
出版者
医学書院
雑誌
総合リハビリテーション (ISSN:03869822)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.1099-1105, 2018-11-10

要旨 【目的】介護支援専門員(ケアマネジャー,care manager;CM)を対象に,心不全疾患理解度とケアプラン状況を把握することを目的とした.【対象・方法】2016年9月時点での兵庫県丹波医療圏域内に登録してある60か所の事業所に在籍しているCM 152名に対し,郵送法にてアンケート調査を実施した.【結果】回収率は71.7%.CMの心不全の疾患理解度は高かった(72.0%)が,ケアプラン作成においては「運動・活動量」の症状を反映しておらず,心不全モデルケースに対して身体活動量を維持・向上させるための運動支援系サービスの選択は少なかった.医療情報の収集では医師からは直接的に得ていたが,コメディカルからは書面上で間接的に得ており,情報提供書の有効性が高かった.【結語】CMの心不全疾患理解度に比して運動支援系サービスの選択が少ない原因として,身体活動量を含めた運動療法の重要性の認識が低く,在宅心臓リハビリテーションを推進するうえでの課題になっていると考えられた.
著者
荻野 智之 玉木 彰 解良 武士 金子 教宏 和田 智弘 内山 侑紀 山本 憲康 福田 能啓 道免 和久
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.124-130, 2014-04-30 (Released:2015-11-13)
参考文献数
29

【目的】健常成人を対象に,体幹前傾角度や上肢支持姿勢の違いが肺気量位,胸腹部呼吸運動,呼吸運動出力に及ぼす影響を調査した.【方法】測定肢位は,安静立位,体幹前傾30°位,60°位,各体幹前傾姿勢での上肢支持(on handとon elbow)の7姿勢とした.肺気量位の測定は呼気ガス分析器を用い,胸腹部呼吸運動はRespiratory Inductive Plethysmograph(RIP)を用いて測定した.さらに呼吸運動出力として各姿勢時のairway occlusion pressure 0.1 s after the start of inspiratory flow(P0.1)を測定した.【結果】上肢支持位で肺気量位は有意に増加し,胸郭も拡張位となった.しかし,同じ体幹前傾角度での上肢支持による有意な変化や上肢支持姿勢の違いによる有意な変化はみられなかった.P0.1も姿勢による有意な変化はみられなかった.【結語】健常成人男性においては,上肢支持位で肺気量位は増加し,胸郭も拡張位となるが,上肢支持と体幹前傾姿勢による加算的効果や交互作用は認められないものと考えられた.