著者
稲葉 陽二 菅野 剛 石田 祐 小藪 明生 石田 光規 露口 健司 西川 雅史 市田 行信
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

経済格差とSC:経済格差が大きいとSCは壊れる。認知的SCよりも構造的SCが関連しており、所得格差よりも資産格差が大きく負の相関がある。また、市町村レベルの所得格差の拡大と認知的SCと構造的SCの低下は、生活満足度の低下と関連している。教育とSC:SCの醸成を規定するのは量的側面ではなく質的側面であり、質的側面が高いと孤立化しにくい。また、学習の社会的成果は、地域の特性を強化する上で普遍的な影響を与える。地域の歴史的・文化的背景とSC:地域の歴史的経緯がSCに影響を与え、既存地区のほうが近隣と距離を置き、地域参加や地域への愛着も低いため、行政を通じた地道な啓蒙活動が重要である。
著者
菅野 剛
出版者
日本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

世田谷区で実施した郵送調査データ(世田谷区在住の25歳から64歳までの男女について選挙人名簿より系統抽出、有効回収票374通、有効回収率23%)を分析し、社会的ネットワークの測定法について研究を行った。主な調査項目は以下の通りである:対象者の性別、年齢、居住地域、居住年数、学歴、世帯収入、個人収入、地域での困りごとと対策への参加の有無、社会活動への参加の有無、親しいつきあいの相手3人までについての様々な項目、職場・地域・友人/知人における職場の種類と人数、名刺・年賀状・電子メールのやりとりの人数、主観的健康状態、階層帰属意識、ソーシャルサポートなど。回収率は決して高いとは言えないが、空き巣等による犯罪被害が世田谷区で多いことによる警戒や、個人情報保護法の施行とプライバシーへの関心が高まっている時期に調査を実施していること等も理由として考えられる。回収票には無回答による欠損値が少なく、協力者は丁寧に回答している傾向等の特徴も見られた。ただし、男性に比べ相対的に女性の方が回答しており、世田谷区地域の特徴を反映して世帯年収の分布が高めに偏っているなどの注意点がある。調査から得られた主な知見として、性別・年齢を始めとする社会的属性ごとの、社会的ネットワーク指標への無回答率の違い等の基礎的な確認、困りごとを感じている程度・生活満足度などの世田谷区での地域差、性別・年齢・学歴・収入等の社会的属性による社会的ネットワークやソーシャルサポートの相関関係の把握、社会関係と生活満足度の関連等があり、様々な分析を進めた。また、吹田市で行った既存調査データとの比較項目により、社会的ネットワークの測定項目群をMTMM(多特性・多方法/Multi-Trait Multi-Method)データとして捉え、構造方程式モデリング(SEM)を適用することで、指標の信頼性と妥当性について検証を行った。
著者
真鍋 恵子 真鍋 満久 須藤 加代子 菅野 剛史
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
生物物理化学 (ISSN:00319082)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.457-462, 1982-12-25

The physico-chemical and kinetical properties of abnormal pseudocholinesterase (p-ChE) in two families (J. T. and K. K.) were studied and discussed. The p-ChE levels of the patient J. T. an d K. K. were 10% and 3% of the lower limit of normal ranges, respectively. The p-ChE of patient J.T . was classified as homozygote for atypical gene by the inhibition studies. However, the p-ChE of K. K. showed much larger Km values for several substrate s than normal controls and the Hill's number of the patient's p-ChE was 1. 10, though the v alues less than 1.0 were usually obtained from normal control. Therefore, the p-ChE of K. K. have not the allosteric property with negative cooperativity, as was the nature of normal one. Further studies by isoelectric focusing and slab PAG electrophoresis revealed the traces of the activity of p-ChE in the patient J.T ., but any activity band was not detected in the patient K. K. These results indicated that the patient J. T. was homozygote of atypical gene and that the patient K. K. was hom ozygote for silent gene. It was suggested that the analysis of Hill's number, additional to the c onventional inhibition studies, might be useful for the detection of the silent gene of p-ChE in deta ils.