著者
橋本 健二 佐藤 香 片瀬 一男 武田 尚子 浅川 達人 石田 光規 津田 好美 コン アラン
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

市区町村および地域メッシュ単位の統計と質問紙調査の結果から、以下の諸点が明らかとなった。(1)1990年から2010年の間に東京圏の階級・階層構造は、旧中間階級とマニュアル労働者が大幅に減少し、新中間階級とサービス産業の下層労働者が増加するという2極化の傾向を強めた。(2)この変化は、都心部で新中間階級と高所得世帯が増加し、周辺部では非正規労働者と低所得世帯が増加するという空間的分極化を伴っていた。(3)しかし、都心の南西方向では新中間階級比率と所得水準が高く、北東方向では低いという、東西方向の分極化傾向は維持された。(4)空間的な分極化は住民の政治意識の分極化を伴っていた。
著者
稲葉 陽二 菅野 剛 石田 祐 小藪 明生 石田 光規 露口 健司 西川 雅史 市田 行信
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

経済格差とSC:経済格差が大きいとSCは壊れる。認知的SCよりも構造的SCが関連しており、所得格差よりも資産格差が大きく負の相関がある。また、市町村レベルの所得格差の拡大と認知的SCと構造的SCの低下は、生活満足度の低下と関連している。教育とSC:SCの醸成を規定するのは量的側面ではなく質的側面であり、質的側面が高いと孤立化しにくい。また、学習の社会的成果は、地域の特性を強化する上で普遍的な影響を与える。地域の歴史的・文化的背景とSC:地域の歴史的経緯がSCに影響を与え、既存地区のほうが近隣と距離を置き、地域参加や地域への愛着も低いため、行政を通じた地道な啓蒙活動が重要である。