著者
鈴木 哲 松井 岳巳 安斉 俊久 孫 光鎬 菅野 康夫
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では,マイクロ波を用いた完全な非接触での生体計測手法を応用し,血圧変動を推定する手法の確立を目指すことを目的とした.手法の有効性の確認のための,①推定法の理論的検討,②システムの試作,③実験室内における試作したシステムの評価実験,を実施した.さらに,臨床的知見の蓄積とシステムの問題点の確認のため,④医療現場における心不全患者へ適用した実証実験,の4点の実施を目標とした.結果として,理論構築およびシステム試作,さらに評価実験を行い,ある程度良好な結果を得た.一方で,臨床的知見の蓄積のための調査については,安全性と精度に課題があったため十分な実施が出来ず見送る結果となった.
著者
永井 利幸 永野 伸卓 菅野 康夫 相庭 武司 神崎 秀明 草野 研吾 野口 輝夫 安田 聡 小川 久雄 安⻫ 俊久
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌 (ISSN:18831273)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Suppl1, pp.50-1-50-1, 2015-11-07 (Released:2016-04-07)

心臓サルコイドーシスにおいて、ステロイド治療は標準的治療として確立しているが、ステロイド治療の途中中止あるいは適切な中止時期に関して検討した報告は皆無である。今回我々は過去 30 年間に当院で心臓サルコイドーシスと確定診断(日本サルコイド ーシス/肉芽腫性疾患学会 2006 年診断基準)され、ステロイド 治療を導入された連続 70 例を後ろ向きに解析した。 観察期間内(9.8 ± 5.7 年)の検討で、12 例が臨床的あるいは画像 的活動性の改善を理由にステロイド治療が途中中止され、途中中 止群のステロイド治療期間は 3.4 ± 3.6 年であった。途中中止群、 継続群の 2 群間で年齢、性別、左室駆出率、ガリウムシンチ所見、 FDG-PET 所見、心不全既往、心室性不整脈既往、そしてステロ イド用量に関しても有意差を認めなかった。途中中止群のうち、5 例が心臓死の転帰をとり、継続群と比較して死亡率は有意に高値 であった(42% vs. 16%, P=0.047)。さらに、途中中止群は継続 群 と 比 較 し て 観 察 期 間 内 に 著 し く 左 室 駆 出 率 が 低 下 し た (-23.1 ± 31.5 % vs. 8.4 ± 31.8 % , P=0.019)。 結論として、心臓サルコイドーシスの⻑期管理において、臨床的 あるいは画像的に一時的な改善が認められたとしても、ステロイ ド治療の途中中止には慎重を期すべきである。