著者
塩崎 雄之輔 菊池 卓郎
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.827-832, 1992
被引用文献数
1 3

リンゴ'ふじ'/マルバカイドウの開心形樹 (栽植距離9m×9m, 栽植密度123本/ha) 12樹について, 5年生から24年生までの20年間にわたって, 収量と葉面積指数, 新梢長等のいくつかの樹体特性について測定を行った. 10年生以降, 樹高は3.5~4.0mに維持され, 樹冠はもっぱら水平方向に拡大した. 樹冠占有面積率および葉面積指数 (LAI) は20年生まで増加を続け, 前者は約70% (1樹当たり約55m2), 後者は約2.0に達し, 以後ほぼ一定になった. 収量 (1ha当たり)は樹冠占有面積率およびLAIの増加に伴って増加した.LAIとそれに対応する収量 (1ha当たり) は, 1.0で約20t, 1.5で約35t, 2.0で55t以上であった. 樹冠占有面積の増加に伴い, 樹冠占有面積当たり収量と単位葉面積当たり収量の増加が認められた. これは樹冠が扁平で樹冠内部に光線がよく透入するように枝が配置されていることに加え, 樹冠占有面積当たりspur数の増加と平均shoot長の減少とが大きく寄与していることが示唆された.
著者
石川 幸雄 宿谷 昌則 田澤 真人 垣内田 洋 宮田 弘樹 北野 博亮 安藤 邦明 菊池 卓郎
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

人体・生物が持つ環境生理機能を建築に模擬応用する「バイオミメティック(生物模擬)建築」を実現するために必要となる要素技術、複合技術、評価法を構築し、その環境・エネルギー性能を評価した。ここでは、有望機能である「発汗機能」、「植物導管揚水機能」、「衣替え機能」の他、「自律調光窓」、「日射制御外壁」を建築要素技術として構築し、実験と解析に基づき性能を確認評価するとともに、人体エクセルギー消費の考え方に基づく室内環境評価結果を示した。
著者
荒川 修 塩崎 雄之輔 菊池 卓郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.297-301, 1999-03-15

リンゴ樹の樹冠内の光条件の測定方法について, 樹冠内の全天光に対する割合を, 照度(lx), 光合成有効光量子束(μmol・m^<-2>・s^<-1>)および日射量(W・m^<-2>)の測定から求め, その違いについて検討した.照度の測定による相対照度と光合成有効光量子束の測定による相対光合成有効光量子束との間には高い正の相関が認められた.しかしながら, 両者の値は明らかに異なり, 相対光合成有効光量子束は相対照度の値に比べて6.0%高かった.このことは, 1日の積算の光合成有効光量子から求めた相対光合成有効光量子と相対照度との関係にも認められ, その差は曇天日で6.7%, 晴れの日で6.8%だった.日射計による1日の積算日射量から求めた相対日射量と相対光合成有効光量子との間にも高い正の相関が認められたが, 相対日射量の値が相対光合成有効光量子の値に比べて11%高かった.