著者
中島 聡美 金 吉晴 小西 聖子 白井 明美 伊藤 正哉
出版者
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

複雑性悲嘆の治療法の開発および有効性の検証のために2つの研究を行った。(1)Shearが開発した複雑性悲嘆療法を複雑性悲嘆を主訴とする成人(6例)を対象に、実施したところ、治療後に複雑性悲嘆症状、うつ症状、PTSD症状のいずれも有意な改善を示した。(2)Wagnerによるインターネットを媒介とした認知行動療法を参考に筆記課題を行う治療プログラムを開発した。重要な他者を喪失した一般成人遺族28名を対象に紙面べ一スにて実施したところ、筆記後において複雑性悲嘆での有意な減少が見られた。複雑性悲嘆に対して2つの認知行動療法の有効性が示唆された。