著者
大塚 斌 菊田 文夫 近藤 四郎 高橋 周一
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.311-318, 1992-04-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
19

(1) 足の形状とその革靴のサイズとの関連を検討するために, 日本人成人の男性149名, 女性178名の左右両足について, 足長および足囲ボールを計測した.この計測値をもとに, 靴の適正サイズをJIS規格によって判定した.同時に足の靴に対する「適合感」の好みを, 「ぴったり」・「ふつう」・「ゆるめ」の三つに分類して, その分類ごとに靴の適正サイズと自称サイズの一致度を検討した.(2) 革靴の自称サイズのうち最も多いのは, 足長サイズでは男性が25.0 (cm), 女性が23.0 (cm) であって, 足囲ボール表示サイズをあわせてみた場合には, 男性では25EEE (ボール部周径が255mm), 女性では23EE (ボール部周径が234mm) であった.(3) 足長の適正サイズと自称サイズの一致度は, 男性では約41%, 女性では約32%であった.被験者のうち, 男性は38%の者が, 女性は59%の者が自分の足長サイズは知っているが, 足囲ボール表示サイズについては知らなかった.この結果は, とくに市場に多く出回っている婦人靴に, 足囲ボールサイズの表示がない場合が多いが, DやEに相当するものが多いという事情によるものと考えられた.(4) 足長の自称サイズと適正サイズとの差異をみると, 「ぴったり」, 「ふつう」, 「ゆるめ」と移るにつれて, 男性では自称サイズが適正サイズよりも大きい者の割合が増加するが, 女性ではこの傾向は認められなかった. (5) 足の靴に対する「適合感」の好みを, 「ぴったり」・「ふつう」・「ゆるめ」の三段階に分けてみると, 男女ともに「ぴったり」・「ふつう」・「ゆるめ」と移るにつれて, 自称の足囲ボール表示サイズはしだいに大きくなる傾向がみられた.(6) 女性の自称サイズは, 足長・足囲ボールの計測値から判定される適正サイズよりも大きい傾向が認められた.
著者
大塚 斌 藤田 真弓 近藤 四郎 菊田 文夫 高橋 周一
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.377-385, 1993-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18

The foot projected contours from the right and left feet were taken with 149 male and 177 female Japanese adults. The samples were classified using two methods, especially focussing on the shapes of the forepart in the feet. One method is a classification using the foot length I and the foot length II. Comparing the foot length between I and II, the feet were divided into three types. The other method is a classification using the angles of the toe 1 and the toe 5. The feet were divided into four types, depending on whether the toe 1 was outward to the toe 5 or not, and whether the toe 5 was inward to the toe 1 or not.The results disclosed that the occurrence in type of A. 15 denoting the longer foot length I, the outward toe 1 to the toe 5 and the inward toe 5 to the toe 1, was the most frequent, amounting to ca. 44% in males and ca. 45% in females. It was, therefore, concluded that the shoes last fitting this type of A · 15 should be industrially produced most frequently.
著者
菊田 文夫 近藤 四郎 大塚 斌 高橋 周一
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.511-525, 1992 (Released:2008-02-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

日本人成人の男子149名,女子178名について,足部および下腿部の26計測項目の計測を行い,左右足の差の検討を行なった。本論文では,各計測項目の左右差だけでなく,靴を選択するときに重要な足長,足囲ボール,足幅などの組み合せにおける足の左右差を重視した。左右差データに「入れ子式」分散分析法を適用することにより,見かけの左右差に含まれる計測誤差の割合を計算し,左右差があると認める境界値を設定した。その結果,足長については,左右足ともに等しい者の割合は男子で約17%,女子で約74%,足幅では男女ともに約53%,足囲ボールでは男女ともに約45%であった。また,足長,足囲ボール,足幅の組合せにおける左右差パターンをみると,男子では足長が左>右で足幅と足囲ボールの左右が等しい者が全体の約15%で最も多く,一方,女子ではこれら3項目ともに左右足が等しいパターンが最も多く,全体の約17%を占めていた。
著者
小澤 道子 森 明子 久代 和加子 桃井 雅子 片桐 和子 堀内 成子 園城寺 康子 菊田 文夫
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護大学紀要 (ISSN:02892863)
巻号頁・発行日
no.28, pp.39-49, 2002-03
被引用文献数
1

本学は1995年度入学生より,改訂カリキュラムを採用した。改訂カリキュラムの特徴として,自学自習能力の育成,統合化学習の推進,科目配置の順序性があげられる。本報告は,改訂カリキュラム導入期の3年間における卒業時点での学生側から見たカリキュラムの満足度と教科カリキュラムの順序性,統合性に対する評価の推移を知ることを目的とした。調査方法は,調査日を卒業式前日とし,質問紙を配布しその場で回収をした。質問紙の構成は,教科カリキュラムの統合性を知るために「総合看護・看護研究II」と履修した科目との関連,教科目の順序性,カリキュラムの満足の度合,授業や教育システム,教育支援に対する評価などである。その結果は,次の如くである。(1)『総合看護・看護研究II』(いわゆる卒業論文)にこれまで履修した教養科目・基礎科目・専門科目の,各科目の関連のあるものを科目の出現率で検討すると,3年間とも基礎科目と専門科目の出現率が高く,教科カリキュラムの統合性が支持されていると解釈できる。(2)改訂カリキュラムでは,看護へめ高い志向をもつ学生に,あえて1年次では,教養科目に力を入れる科目配置にした。しかし3年間とも学生は,入学次から看護学の科目を求めていた。入学年次に教養科目と看護学の科目をどのように配置していくのかが課題として残された。(3)カリキュラム全体に対する満足度は,3年間ともその高い順に「総合看護i看護研究H」,「専門科目群」,「実習科目群」であり,全体の平均は,5段階の4:「やや満足」から3:「どちらでもない」の間に分布じた。(4)カリキュラム運用に間しては,「専門的知識が身につく」「自分の視野を広げるのに役立つ授業が多い」等が3年間ともに肯定的回答が高く,また,「本学の学生として経験したことは肯定的にとらえている」とした学生は,9割以上を占めていた。一方,「情報処理関係の教育が充実している」には,否定的回答が年次毎に徐々に増加していた。今後とも加速的に変化する情報技術革命に対する設備投資という大きな側面と,日常的な維持管理への対応の側面の両面からの取り組みが急務な課題であろう。以上,カリキュラムの受け手である学生側の3年間の評価は,一部に年次差が見られたが,総じて,カリキュラムの統合性と順序生が受け入れられ,満足できるものとして示された。そして,より実効あるカリキュラムのためには,このような評価活動の重要性が再認識された。
著者
大塚 斌 菊田 文夫 近藤 四郎 高橋 周一
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.311-318, 1992-04-15
被引用文献数
3

In order to investigate the relation between foot sizes and leather shoes sizes, the foot lengths and ball-joint girths of right and left feet in Japanese adults(149 males and 178 females)were measured. Their proper shoes sizes were assigned to JIS Standard from the measurement values. The similarity between proper size and self-styleed size of leather shoes in each subject was investigated concerned with three grades of favorite fitted feeling of the foot to shoes: "tight," "fit" and "loose." The most frequent self-styled sizes were 25.0(cm) EEE in males and 23.0(cm) EE in females in JIS Standard. The 38% in males and 59% in females recognized their self-styled sizes of their foot lengths, but without the recognition of their ball-joint girths. As the grade of fitted feeling shifted from "tight" to "loose," the difference between proper size and self-styled size of the foot length became bigger in males, but the tendency was not clear in females.