著者
眞鍋 康子 井上 菜穂子 高木 麻由美 藤井 宣晴
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.70-75, 2012-04-30 (Released:2012-05-25)
参考文献数
46

AMPキナーゼは,真核生物において高度に保存されたセリン/スレオニンキナーゼである。キナーゼ活性が同定されたのは1970年代初期であるが,その生物学的重要性が認識され始めたのは最近になってからである。細胞内のエネルギー・レベルを感知して,低エネルギー環境に適応するための種々の調節を行う。生命活動のイベントの多くは,細胞レベルであっても個体レベルであっても,何らかの形でエネルギー代謝と関連している。そのため,AMPキナーゼが担う役割も単なるエネルギー・センサーに留まるものではなく,細胞の基本的活動(増殖・分化など)から疾患の生起にまでわたる。本稿では,AMPキナーゼの分子構造および機能を解説する。
著者
曽根 涼子 山崎 文夫 藤井 宣晴 鍋倉 賢治 池上 晴夫
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.465-474, 1993-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
29
被引用文献数
1

激運動後における迷走神経活動の回復過程を呼吸性心周期変動の大きさの変化から検討することおよび呼吸性心周期変動の位相の変化を明らかにし1その変化の発生機構について検討することを目的として, 健康な男子大学生6名を被検者としてトレッドミルによるexhaustive走を行なわせ, 心周期および血圧の呼吸性変動の大きさおよび位相の変化を運動後5時間にわたって追跡調査した.呼吸周期および一回換気量は, それぞれ全測定を通して6秒および21に規制した.1) 呼吸性心周期変動の大きさはexhaustive走によって著しく減少するが, 運動後約2時間で前値に復した.呼吸運動を基準とした呼吸性心周期変動の位相は運動によって有意に遅れた.そして運動後2時間は急速に, それ以後は徐々に回復する傾向を示した.2) 呼吸性SBPの大きさおよび位相には運動後に顕著な変化は認められなかった.以上の結果から, 激運動によって抑制された迷走神経活動は運動終了から約2時間で回復すると考えられる.また, 運動後には呼吸性心周期変動の位相は明らかに遅れた.これは迷走神経の活動度の低下を反映している可能性がある.
著者
藤井 宣晴
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.313-317, 2003-06-01
参考文献数
9
被引用文献数
1