著者
仲条 仁 藤井 琢哉 石川 良文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_173-I_179, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

東日本大震災の経済被害においては,製造業を中心としたサプライチェーンの崩壊による間接被害が深刻化したことが大きな特徴といえる.本研究では,製造業の各企業における生産被害に着目し,被災内容や生産停止の実態について,インターネットや新聞情報等から調査し,国内約1,300事業所の被災情報を収集・整理した.企業の所在地や業種,被災内容別に生産停止期間等の分析を行った結果,原材料・部品調達困難が主要因となり生産停止となった事業所は約10%存在し,その生産回復までの期間は約2ヶ月半であることが明らかとなった.その他,被災要因別・産業別の被災事業所分布やその特性を把握した.また,震災後の道路交通ネットワークの走行水準を一般車プローブデータから把握し,事業所生産復旧との関係について分析した.
著者
今井 龍一 神谷 大介 井上 晴可 田中 成典 藤井 琢哉 三村 健太郎 伊藤 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_58-I_66, 2021

<p> 建設現場における労働災害をゼロにするには,効果的な安全管理の対策の徹底が肝要である.安全管理の一方策として,ビデオカメラを用いて危険箇所への侵入や建機と接触する恐れのある作業者をリアルタイムに警告することが考えられるが,この場合,作業者の自動識別が必要となる.深層学習を用いた人物識別の既存研究では,顔認証,歩容認証や人物同定などで従来よりも高精度な成果を得ることが報告されているが,服装などが類似する作業者が往来する建設現場への適用は困難である.</p><p> 本研究は,建設現場の作業者が常に装着するヘルメットに着目し,深層学習の畳み込みニューラルネットワークに基づく人物の識別手法を提案した.そして,模様と符号の学習モデルに同手法の評価実験を実施し,建設現場における人物識別に適用できる可能性のある知見を得た.</p>