著者
田中 成典 中村 健二 加藤 諒 寺口 敏生
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.71-84, 2013-12-27

マイクロブログから特定の話題に対するユーザの反応を取得する技術が研究されている.マイクロブログをソーシャルセンサとして有効活用するには,ユーザごとの特性を知る必要がある.しかし,マイクロブログでは,ユーザが属性を公開していない場合が多々あるため,ユーザごとの特性を把握できない.このことから,マイクロブログのユーザ属性を推定する研究が注目されている.しかし,既存手法では,主にマイクロブログの投稿内容にのみ着目しており,リアルタイムに発信されるマイクロブログの特性を属性推定に活かせていない.そこで,本研究では,各単位時間の投稿数に基づきユーザをクラスタリングし,投稿内容,生活習慣と投稿時間帯から職業属性を推定する手法を提案する.実証実験では,投稿内容のみを使用して推定する既存手法と,時間的特徴をも考慮する本手法について比較実験を行い,本提案手法の有用性を確認した.Research is being conducted on technology to get users' reactions to specific topics in microblogs. It is necessary to know the users' characteristics in order to effectively utilize microblogs as social sensors. However, it cannot understand the users' characteristics, because user attributes are not often to the public in microblogs. For this reason, research on estimating user attributes in microblogs has been drawing attention. However, existing methods, which merely focus on the description contents in microblogs, do not take advantage of the characteristics in microblogs that transmit in real time to estimate users' attributes. This research proposes a method for classifying the users according to number of posts per unit time and estimating the occupation attributes by description contents, lifestyle and time zone of posts. Our demonstration experiments verify usability of the proposed method by comparing the existing methods of estimating merely using description contents with the proposed method of estimating using description contents and temporal characteristics.
著者
田中 成典 中村 健二 加藤 諒 寺口 敏生
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.71-84, 2013-12-27

マイクロブログから特定の話題に対するユーザの反応を取得する技術が研究されている.マイクロブログをソーシャルセンサとして有効活用するには,ユーザごとの特性を知る必要がある.しかし,マイクロブログでは,ユーザが属性を公開していない場合が多々あるため,ユーザごとの特性を把握できない.このことから,マイクロブログのユーザ属性を推定する研究が注目されている.しかし,既存手法では,主にマイクロブログの投稿内容にのみ着目しており,リアルタイムに発信されるマイクロブログの特性を属性推定に活かせていない.そこで,本研究では,各単位時間の投稿数に基づきユーザをクラスタリングし,投稿内容,生活習慣と投稿時間帯から職業属性を推定する手法を提案する.実証実験では,投稿内容のみを使用して推定する既存手法と,時間的特徴をも考慮する本手法について比較実験を行い,本提案手法の有用性を確認した.
著者
田中 成典 中村 健二 寺口 敏生 中本 聖也 加藤 諒
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.73-89, 2013-06-28

携帯端末の普及にともない,ユーザの状況に応じて様々な情報をリアルタイムに提供するサービスに注目が集まっている.そのため,GPSから取得した位置情報や,マイクロブログの投稿内容からユーザの行動を推定する研究が行われている.著者らは,これらに加えて,新たにユーザの習慣的な行動に着目した推定手法について検討を行った.本研究では,マイクロブログにおけるユーザの投稿内容と投稿数の変化から行動のパターンを抽出し,指定した時間帯における習慣的な行動を推定する手法を提案する.この手法により,マイクロブログの投稿内容には行動に関する記述がない場合でも,指定した時間帯におけるユーザの行動を推定できる.実証実験では,投稿内容のみを用いた手法と習慣行動もあわせて考慮する本手法とを比較し,提案手法の有用性について検証した.Services to provide variety of information in real time with reference to users' situations are receiving attention, as portable terminals have become widespread. Accordingly, some studies are being made to estimate the users' activities from their location information obtained by GPS or from the contents of their microblog posts. In addition to these, the author and his colleagues examined a new estimation approach focused on the habitual behavior of users. The present study proposes an estimation method of users' habitual behavior within designated periods of time by extracting behavioral patterns from the changes in contents and numbers of their posts in microblogs. This method enables estimation of users' behavior within designated time periods without any behavioral description provided in their microblog posts. Our demonstration experiments compare a method of merely using posted contents with this method that also considers habitual behavior as well, and verify its usability.
著者
池辺 正典 田中 成典 古田 均 中村 健二 小林 建太
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1687-1695, 2006-06-15

近年のインターネットの複雑化にともない,Web の自動解析による情報取得に対する需要が高まっている.そのため,Web ページをカテゴリに分類する手法やWeb の関係情報を解析する手法が数多く提案されてきた.しかし,既存の研究では,Web の自動解析は,リンク関係を中心とした解析を行っており,リンク関係のないWeb ページを関連付けることが困難であった.このため,本論文では,リンク構造解析だけでなく,形態素解析によって任意の単語から関係情報の抽出を行うことで,リンク関係のないWeb ページを関連付ける.また,その結果と品質判定を行ったリンク構造解析結果を組み合わせることで,信頼性の高いWeb ページの関係図を作成する.さらに,アルゴリズムの評価として,Web から取得した情報を利用して,組織の関係図を作成する.そして,既存研究においての主要な方式であるリンク構造解析による結果との比較を行った.評価方式には,リンク構造解析で一般的に用いられている評価値とグラフ理論による可視化を採用し,その結果から本方式の有用性を確認した.
著者
蔭山 雅洋 山本 雄平 田中 成典 柴田 翔平 鳴尾 丈司
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.49-54, 2018 (Released:2019-01-09)

平成25年に文部科学省が報告した運動部活動での指導のガイドラインでは, 指導者が効果的な指導を行うには, 自身の経験に頼るだけでなく, スポーツ医・科学の研究の成果を積極的に習得し, 活用することが重要であるとされている. 近年では, センサ技術やIT技術の発展により, 計測装置の小型化が進み, バッティング直後に, スイングの結果を即時にフィードバックできる計測装置が開発されている. この計測装置では, 取得された計測データから打者のバットスイングの特徴を計測することが可能となる. しかしながら, アマチュア野球選手の指導現場では, 未だに, 科学的なデータに基づいた指導方法は, 確立されていない. その原因として, これまで我が国の野球において, 合理的な指導と非合理的な指導が混在していることに加えて, 算出された数値に対する解釈が難しいことが考えられる. そこで, 本研究では, これまで得られたデータに基づき作成した評価シートの提示が高校野球選手の打撃に関する理解および意欲に及ぼす効果を検討し, スイング計測装置を用いた打撃指導に役立てることを目的とする.
著者
中本聖也 北野光一 寺口敏生 田中成典 西江将男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.783-785, 2011-03-02

近年,リアルタイム性の高いCGMであるマイクロブログの利用が増加している.マイクロブログは,実世界とWebをリアルタイムに結び付けることができるため,位置情報サービスの分野で注目されている.しかし,マイクロブログに投稿される情報は膨大な量であり,特定の地域における話題のみを抽出することが困難である.そこで,マイクロブログから場所に関する単語のバーストを検出し,話題性が高い地域を抽出する研究が行われている.しかし,バーストのみに着目した解析では,日常的な地名の出現傾向の違いを考慮できない問題がある.そこで,本研究では,地域における話題を類型化することで,マイクロブログから地域の話題を適切に抽出する手法を提案する.
著者
仙石 康雄 松岡 誠 杉木 真一郎 田中 成典 栗田 典之 関野 秀男
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-8, 2004 (Released:2004-03-24)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

巨大分子の電子状態を計算する手法の1つとして、Fragment 分子軌道(FMO)法がある。FMO法は分子をフラグメントに分割して計算することにより、通常の分子軌道(MO)計算では計算不可能な巨大分子の電子状態を計算できる。FMO法の計算精度およびコストはフラグメントの分割方法に大きく依存する。我々は、密度汎関数法(DFT)に基づくFMO法を独自に開発し、これを用いてDNAの電子状態を塩基分割及び塩基対分割の二種類のフラグメント分割方法で計算した。これらの計算から得られた分子の全エネルギーとMO分布について通常のDFT法による結果と比較した結果、塩基ごとに分割したFMO計算は、塩基対ごとに分割したFMO計算と同程度の計算精度で、全エネルギーとMO特性を得ることができることが明らかになった。
著者
望月 祐志 坂倉 耕太 秋永 宜伸 加藤 幸一郎 渡邊 啓正 沖山 佳生 中野 達也 古明地 勇人 奥沢 明 福澤 薫 田中 成典
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.119-122, 2018 (Released:2018-01-30)
参考文献数
14
被引用文献数
8

We have been developing the ABINIT-MP program for the fragment molecular orbital (FMO) method. The list of inter-fragment interaction energies (IFIEs) is available from FMO calculations and is useful in analyzing the nature of interactions in a given target system. In this Letter, we summarize the current status of ABINIT-MP and also the machine-learning assisted analyses of IFIE data.
著者
寺口 敏生 田中 成典 西江 将男
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.411-427, 2011-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
31

近年,情報関連技術の普及と発展に伴い,カーナビゲーションを代表とする地理空間情報サービスが普及している.しかし,地理空間情報サービスの基盤となる地図情報の整備は人手による現地踏査に依存しているため,新店舗の開店などの実空間の情報変化に地図情報が追従できていない問題がある.そこで,著者らは,Web上の新店舗の開店情報を対象として,自然言語から店舗名,住所や業種などの店舗情報を自動収集するテキストマイニングの研究を行ってきた.しかし,新規開店に関連するキーワードだけを用いてマイニングを行った場合,業種別の単語出現傾向の違いや,単語の連接関係によって生じるノイズなどの自然言語の曖昧性に起因する課題に加え,情報自体の正誤を評価できないという課題に直面した.そこで,本研究では,キーワードによるマイニングに加え,マーケティング分析の指標に基づいて,店舗の業種と出店位置の地理的特性との関係を活用することで,これらの課題を克服することを目指す.実験から,地理的特性を考慮した情報を評価することによって,新店舗に関する開店情報を高精度に取得できることを実証した.
著者
山本 雄平 田中 成典 姜 文渊 中村 健二 田中 ちひろ 清尾 直輝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.1334-1350, 2018-05-15

我が国では,2020年の東京オリンピックに向けて,スポーツに関わる政策が積極的に推し進められている.その施策の1つである「スポーツ × ICT」では,スポーツ分野における計測機器の開発やデータ計測と可視化手法の高度化,そして新サービスの提案など,最新ICTの効果的な利活用が進められている.しかし,スポーツ分野にICTを適用する試みは始まったばかりの黎明期であり,教育現場や地域クラブの指導者のみならず,高度な専門知識を保有したスタッフにおいても,自在に操ることは難しい.そこで,本研究では,「スポーツ × ICT」に関わる既存研究を調査し,現状把握と効果的な活用方法を模索するとともに,アメリカンフットボールのプレーデータの可視化システムを開発する.そして,選手にセンシング機器を適用し,統計的手法と組み合わせてプレー分析を行い,カレッジフットボールの監督・コーチなどの指導者に新たな気づきを提供できるかの観点に基づき,実用の可能性を検証する.
著者
塚田 義典 田中 成典 窪田 諭 中村 健二 岡中 秀騎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.796-812, 2015-10-15 (Released:2015-11-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1 6

我が国では,高度経済成長期に集中整備された多くの道路橋が老朽化しており,適切な長寿命化修繕計画の策定が急務である.適切な点検・補修計画の策定,および工法の選定には,現況の形状を正確に把握する必要がある.しかし,現地での再測量作業には通行止め等の措置が付随するため,全国で約70万橋を対象に実施することは,コスト面と人的資源の面で困難である.この問題に対して,MMSを用いることにより道路の通行止めを行わずに道路橋上部工の現況を3次元で可視化する研究がなされている.しかし,MMSは道路に面した領域のみを計測対象にしていることから,路面だけのモデルにとどまり,上部工全体のモデルを生成することはできない.加えて,橋梁の下部工のモデル化も不可能である.そこで,本研究では,地上設置型のレーザスキャナとUAVを用いて取得した点群データから橋梁の上部工と下部工を一体とした3次元モデルの生成手法を提案する.
著者
田中 成典 中村 健二 山本 雄平 今井 龍一 窪田 諭 姜 文渊
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.826-845, 2016-10-15 (Released:2016-11-12)
参考文献数
26
被引用文献数
4 2

高度経済成長期に建設された多くの高架道路橋は老朽化を迎えているため維持管理が必要である.しかし,これらの高架道路橋は,設計時や竣工時の図面が紙媒体であり,廃棄されているケースが多く維持管理業務に支障をきたしている.そこで,MMSの点群データから高架道路橋の維持管理用のSXF図面を自動生成する研究がなされている.既研究では,高架道路橋の継ぎ手の位置で点列を分割しスパンごとに道路橋の線形を生成している.しかし,継ぎ手を抽出できない場合や設計図に記載された線形の起終点が継ぎ手の位置から離れている場合,生成したクロソイド曲線と直線や円弧との連続性が失われる問題がある.そこで,本研究では,平面の直線,クロソイド曲線,円弧と縦断面の直線と2次曲線の起終点を算出し,各線形を連続に接続する解析手法を提案する.それにより,継ぎ手の情報なしで,高架道路橋上部工のSXF図面を高精度に生成することを実現する.
著者
田中 ちひろ 山本 雄平 姜 文渊 田中 成典 中村 健二 中島 伸介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.580-589, 2020-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
18
被引用文献数
3

スポーツ庁では,我が国の国際競技力の向上に関する重点政策において,日本代表選手の活躍を科学な側面から支援することを目指している.そこで,筆者らは,GNSSセンサによるフィールドスポーツの可視化システムを開発してきた.特に,アメリカンフットボールに着目し,QB,WR,DBのマッチアップを対象にした軌跡画像を用いて,深層学習によるパス成否の判定を目指してきた.ただし,プレーが完結したトラッキング情報のみを用いているため,プレー中の成功率の予測や,その予測値に基づくタイムリーな動作の選択と修正をサイドラインから指示できるようなプレー中の気づき情報の獲得には至っていなかった.そこで,本研究では,軌跡の経時変化を加味したトラッキング情報を用いることで,プレー中の成功率を予測することを試みる.実験では,クイックパス,ショートパスやロングパスなどの軌跡を対象に分析を行い,その有用性を実証した.
著者
松尾 龍平 山本 雄平 姜 文渊 田中 ちひろ 中村 健二 田中 成典 鳴尾 丈司
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.980-991, 2023-05-15

我が国では,競技力向上を目的としたスポーツ情報科学に関する研究支援が求められている.中でも,フィールドスポーツでは,選手の位置情報を取得することで,選手のStats情報の獲得や戦術分析を補助する活動が実施されている.選手の位置情報の取得方法は,映像に対して深層学習を用いた物体検出手法を適用する方策が採用されている.しかし,物体検出手法では,対象物が未学習の場合や,学習時とかけ離れた特徴を有する場合,検出精度が低下する.これに対して,アノテーションシステムによる自動アノテーション機能を用いて学習データを作成することが考えられるが,精度良く検出することができず作業効率化が望めない課題が残存する.そこで,本研究では,フィールドスポーツにおいて,学習データを簡易に作成することができるアノテーションシステムの開発を目指す.システムの開発にあたり,データ分析にかかわる専門家へのヒアリングを通じ,選手を精度良くまた効率良く検出することが重要であると明らかになった.そして,そのニーズに対して,フィールドスポーツに特化した検出モデルを搭載することで,既存システムと比べ,作業時間を2分程度短縮することに成功した.
著者
田中 成典 山本 雄平 姜 文渊 中村 健二 清尾 直輝 田中 ちひろ
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.821-830, 2020-08-15 (Released:2020-08-15)
参考文献数
14
被引用文献数
1

スポーツにおけるICTの活用として,選手をトラッキングする画像処理の研究が行われている.しかし,アメリカンフットボールなどのフィールド上での選手のオクルージョンが頻発する競技では,選手位置が正確に取得できない.そのため,選手の移動軌跡が分断され,正確なトラッキングが難しいことが課題となっている.そこで,本研究では,複数地点から撮影した映像から得られた移動軌跡を用いて,それらを相互に補完することでオクルージョンに頑強な選手のトラッキング手法を提案する.これにより,GNSSセンサなどのデバイスを相手選手へ装着ができない課題を解決する.
著者
藤本 雄紀 今井 龍一 中村 健二 田中 成典 有馬 伸広 荒川 貴之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_259-I_267, 2017
被引用文献数
1

道路交通分析において,道路上に設置された様々な機器のデータを用いた定量的な分析に加えて,マイクロブログから道路利用者の意見を抽出する定性的な分析が行えるようになってきた.災害時での活用を念頭に置くと,道路管理者が瞬時に多種多様な投稿の中から信憑性の高い情報を確認できる必要がある.しかし,マイクロブログは誰もが自由に投稿できるため各投稿内容の信憑性が不明である.この特性は,災害時にマイクロブログを活用する際の弊害となっている.本研究では,投稿者の属性や投稿傾向の観点から,信憑性の高い記事の投稿者を特定する手法を考案し,その有用性を検証した.
著者
田中 成典 山本 雄平 今井 龍一 神谷 大介 中原 匡哉 中畑 光貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.821-832, 2021

<p>昨今,深層学習を用いて物体の詳細な部位を識別して,姿勢や行動を推定する研究が盛んである.例えば,車両の部位を識別することで,逆走や改造車両を検出できる.本研究では,それらの用途の中でも深層学習の導入が特に注目されている交通量調査への適用を試みる.当該調査では,作業の省力化や効率化を目的として,動画像から車種ごとの通過台数を計数する技術開発が推進されているが,既存技術には,形状の似た車両の車種分類に失敗する課題がある.その対応策として,調査員が着目する部位の形状を考慮して分類することが考えられる.そこで,本研究では,深層学習を用いた車両部位識別技術を開発する.加えて,再学習のコストを軽減するため,教師データの自動生成技術も検討する.そして,実証実験を通じて,それらの技術が有用であることを明らかにした. </p>
著者
中野 達也 望月 祐志 甘利 真司 小林 将人 福澤 薫 田中 成典
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.173-184, 2007-09-15 (Released:2007-10-19)
参考文献数
57
被引用文献数
2 1

1999年に北浦らにより提唱されたフラグメント分子軌道(FMO)法は、分子系をフラグメントに分割し、フラグメントのモノマー、ダイマー・・・の計算から系全体を計算する方法であり、タンパク質やDNAのような巨大分子系全体を量子論的に扱う計算方法として、近年注目を集めている。本稿では、FMO法の概要と、多層FMO(MLFMO)法に基づいたタンパク質の励起状態計算、及びFMO法に基づいたconfiguration analysis for fragment interaction (CAFI)やvisualized cluster analysis of protein-ligand interaction (VISCANA)といった解析方法について報告し、FMO法の今後について展望する。