著者
鈴木 款 ベアトリス カサレト 藤村 弘行
出版者
静岡大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

複合ストレス下における生物素過程と化学の素過程に関する研究において、サンゴの白化は水温の高水温下でサンゴ内部の褐虫藻の光合成活性能の低下と、サンゴの消化による細胞の縮小あるいは退色、バクテリアによる加速により起こることを初めて明らかにした。サンゴ礁の基礎生産量の再評価により従来の報告より2~3 倍高いこと、サンゴ内部の研究により、サンゴは褐虫藻・バクテリアの複合半閉鎖システムにより生命が維持されていることを明らかにした。
著者
藤村 弘行
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.560-563, 2016-11-20 (Released:2017-05-01)
参考文献数
9

造礁サンゴには褐虫藻と呼ばれる数十マイクロメートルの単細胞の藻類が共生しており,この褐虫藻の光合成で作られた光合成産物をエネルギー源としてサンゴの軟組織下部にある骨格との隙間(石灰化部位)にカルシウムイオンを送り込む。一方でミトコンドリアでの有機物分解で生じた二酸化炭素は炭酸水素イオンや炭酸イオンとなって,石灰化部位に運ばれ炭酸カルシウムが生成する。サンゴの白化現象は,強い光で破壊された褐虫藻の光合成系が高水温により修復されなくなり,サンゴと褐虫藻とのこのような物質のやり取りを通した共生関係が崩れることによって生じる。最近では海洋酸性化がサンゴ礁への新たな脅威となり,サンゴ礁は衰退の一途をたどっている。
著者
瀬名波 出 小西 照子 平良 東紀 玉城 史郎 藤村 弘行 石川 正明 若井 謙介 大城 尚紀 小田 拓也 平岡 雅規 原田 周作
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では火力発電所や下水処理施設などから排出される二酸化炭素(CO2)を海藻を育てるための資源として再利用した。高濃度の CO2を海水に人工的に溶かし、それを海藻に与えることで藻類の光合成(成長速度)を飛躍的に高めた。通常の海水に比べて約 1.9 倍以上に成長が高まる結果を得た。また海藻を原料としたバイオエタノールの試作を成功させた。このようにCO2を減らし,また CO2を新たな資源として再利用する「炭素回生システム」研究開発を行った。
著者
大森 保 藤村 弘行
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

サンゴ礁における炭酸系変動の時系列観測により、瀬底島サンゴ群集は二酸化炭素濃度=945ppmvに達すると石灰化速度がゼロになること、および、アラゴナイト飽和度が1(平衡状態)となる結果が得られた。IPCC報告書の数値予測モデルによれば、早ければ21世紀末以降に、大気中の二酸化炭素濃度が950ppmvレベルに達し、アラゴナイト質骨格を形成する海洋生物の生存が極度に脅かされ、サンゴ礁生態系激変の可能性が示唆される。サンゴ飼育水槽実験により、光ストレス・農薬・有害化学物質ストレスに対する代謝応答(光合成・石灰化)、枝状サンゴの骨格形成における量元素(Sr, Mg, U)の取り込み応答、稚サンゴの骨格形成の応答等について解明した。さらに、サンゴの骨格形成における基質タンパク質の効果について解明した。