著者
中村 誠一 森島 邦博 西尾 晃
出版者
金沢大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

本国際共同研究はホンジュラスの世界遺産「コパンのマヤ遺跡」において、ミューオン透視という日本発の物理学イノベーションをマヤ文明の神殿ピラミッド内部の探索に利用する新しい発想の考古学調査法により、マヤ碑文に記載されているコパン王墓を世界に先駆けて発見しようとする文理融合研究である。コパン遺跡アクロポリス内の11号神殿をターゲットとして、ミューオン透視法を適用し王墓の可能性がある未知の空間を同定する。可搬式ライダー機器を使った三次元計測によって構築された3Dモデルに発見空間を正確に位置づける。そこへ最短距離で到達できるトンネル経路を設計し11号神殿内部を発掘調査し透視結果を考古学的に検証する。
著者
石黒 茂 西尾 晃 宮尾 陟 森川 嘉夫 竹野 一 柳谷 岩雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.141-146, 1987 (Released:2007-02-23)
参考文献数
24
被引用文献数
1

マグネシウム(Mg)欠乏飼料で幼若ラットを飼育すると脾臓のヒスタミン含量が著明に増加する.この増加したヒスタミンがどのような細胞に含まれているのかを明らかにする目的で組織学的観察を行った.Mg欠乏飼料(0.001%Mg)で幼若ラット(平均体重50g)を飼育すると,8日目には脾臓の腫大がみられ,対照ラットの約2倍の重量を示し,ヒスタミン含量は約30倍に増加した.エポキシ樹脂包埋の厚切標本の光学顕微鏡観察により多数の顆粒細胞が観察された.電子顕微鏡観察では,核の形態と顆粒の電子密度から好中球および好酸球が鑑別されるが,この二種類の細胞以外に,数個から20数個の顆粒を含有する細胞が観察された.この細胞の顆粒の大きさは肥満細胞の約2倍(1μmを越える)に達するものも認められた.遊離脾臓細胞をギムザ染色すると,Mg欠乏ラットでは,対照ラットでは観察されなかった好塩基性骨髄球および好塩基球の出現が観察された.これらの細胞内にはo-phthalaldehydeと反応して黄色の螢光を示す顆粒が散在して認められた.一方,腹腔肥満細胞を同様にo-phthalaldehydeと反応させると黄色の螢光を示す顆粒は密に存在しており,好塩基性細胞のものとは異なっていた.以上の成績より,Mg欠乏ラット(Mg欠乏8日目)脾臓のヒスタミン含量増加には,好塩基球の増加が関与していることが示唆された.
著者
足立 陽子 角熊 俊也 鏡 亮吾 西尾 晃 赤坂 浩司 常峰 紘子 小高 泰一 平松 靖史 多田 寛
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.315-319, 2010

抗真菌薬“イトラコナゾール内用液”は,造血器悪性腫瘍患者に対して真菌感染症予防を目的に投与されるなど,その有用性が知られている。一方で,同薬には固有の苦味があり,服薬困難となってアドヒアランス低下につながるケースが散見されていた。そこで,今回われわれは,同薬をオレンジジュースと一緒に服薬する方法(オレンジジュース群)を考案し,薬剤吸収(血中濃度)および飲みやすさ(5段階味覚評価)への影響を検討した。その結果,水で服薬した場合(対照群)と比べて,オレンジジュース群の血中濃度に差異は無く,飲みやすさで改善が認められた。本法は臨床現場で簡便かつ安全に実施でき,服薬アドヒアランスの向上に期待できるものと考えられた。
著者
足立 陽子 角熊 俊也 鏡 亮吾 西尾 晃 赤坂 浩司 常峰 紘子 小高 泰一 平松 靖史 多田 寛
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.315-319, 2010 (Released:2010-06-09)
参考文献数
14
被引用文献数
1

抗真菌薬“イトラコナゾール内用液”は,造血器悪性腫瘍患者に対して真菌感染症予防を目的に投与されるなど,その有用性が知られている。一方で,同薬には固有の苦味があり,服薬困難となってアドヒアランス低下につながるケースが散見されていた。そこで,今回われわれは,同薬をオレンジジュースと一緒に服薬する方法(オレンジジュース群)を考案し,薬剤吸収(血中濃度)および飲みやすさ(5段階味覚評価)への影響を検討した。その結果,水で服薬した場合(対照群)と比べて,オレンジジュース群の血中濃度に差異は無く,飲みやすさで改善が認められた。本法は臨床現場で簡便かつ安全に実施でき,服薬アドヒアランスの向上に期待できるものと考えられた。