著者
紙上 敬太 西平 賀昭 東浦 拓郎
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.63-72, 2009-02-01 (Released:2009-05-01)
参考文献数
26

The interactive effects of exercise intensity and physical activity level on the brain and cognition of young adults were investigated using the electromyographic reaction time (EMG-RT), the P3, and the NoGo P3, as well as the contingent negative variation (CNV) of event-related brain potentials. Participants (n=26 : 24.0 ± 0.7 years) were divided on the basis of their regular physical activity level into active and inactive groups. Then, they performed a Go/NoGo reaction time task in the no exercise, control condition ; as well as after light, moderate, and hard cycling exercises. Results indicated that increases in P3 and NoGo P3 amplitude following moderate exercise were larger in the inactive group, suggesting that inactive individuals were more sensitive to exercise intensity than active individuals. Active individuals might be better able to sustain their attention during the Go/NoGo reaction time task, despite the exercise intensity. These findings are suggestive of a differential effect of exercise intensity on cognitive function that might be dependent on the level of regular physical activity. The effects of exercise intensity on EMG-RTs were observed across groups. However, the P3 latency was not affected by exercise intensity. These contradictory results are possible related to the nature of the cognitive task, such as its difficulty. Moreover, increases in CNV amplitudes following moderate exercise were larger than in other exercise conditions across groups, suggesting that motor preparation process is also facilitated by moderate, acute exercise. These findings provide additional evidence for the beneficial effects of acute aerobic exercise on the brain and cognition of young adults.
著者
八田 有洋 西平 賀昭 東浦 拓郎 金 勝烈
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.43-52, 2010 (Released:2017-02-15)
参考文献数
44

長期的な剣道鍛錬が脳─脊髄運動神経機能に及ぼす影響について, 末梢の脊髄運動神経機能については末梢運動神経伝導速度 (motor nerve conduction velocity : MCV) を用いて, 中枢の随意運動に伴う脳内処理過程については運動関連脳電位 (movement-related cortical potentials : MRCP) を用いて剣道鍛錬者と一般健康成人を対象に研究を行った. 1) 剣道鍛錬者は利き側だけでなく, 非利き側の尺骨神経伝導速度も一般健康成人より有意に速い値を示した. 2) 自発的な非利き側握力課題に先行して頭皮上より記録される運動準備電位 (Bereitschaftspotential : BP) の開始潜時は剣道鍛錬者が一般健康成人よりも有意に短い値を示した. 3) 一次運動野の皮質錐体路ニューロンの活動を反映するmotor potential (MP) 振幅は, 利き側と非利き側の握力課題において剣道鍛錬者が一般健康成人よりも有意に大きい値を示した. したがって, 脳─脊髄運動神経機能に長期的な運動トレーニングによる適応変化が生じる可能性が示唆された.
著者
八田 有洋 西平 賀昭 東浦 拓郎 金 勝烈
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.43-52, 2010

<p>長期的な剣道鍛錬が脳─脊髄運動神経機能に及ぼす影響について, 末梢の脊髄運動神経機能については末梢運動神経伝導速度 (motor nerve conduction velocity : MCV) を用いて, 中枢の随意運動に伴う脳内処理過程については運動関連脳電位 (movement-related cortical potentials : MRCP) を用いて剣道鍛錬者と一般健康成人を対象に研究を行った. 1) 剣道鍛錬者は利き側だけでなく, 非利き側の尺骨神経伝導速度も一般健康成人より有意に速い値を示した. 2) 自発的な非利き側握力課題に先行して頭皮上より記録される運動準備電位 (Bereitschaftspotential : BP) の開始潜時は剣道鍛錬者が一般健康成人よりも有意に短い値を示した. 3) 一次運動野の皮質錐体路ニューロンの活動を反映するmotor potential (MP) 振幅は, 利き側と非利き側の握力課題において剣道鍛錬者が一般健康成人よりも有意に大きい値を示した. したがって, 脳─脊髄運動神経機能に長期的な運動トレーニングによる適応変化が生じる可能性が示唆された.</p>
著者
西平 賀昭
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2010-2012
著者
今中 國泰 西平 賀昭
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、顕在的・潜在的知覚と運動反応に関して、逆向マスキング下の反応時間と事象関連電位、偏側性運動準備電位から検討した。逆向マスキング下の反応時間課題では、感覚閾値付近の弱い刺激(prime)とその数十ミリ秒後に提示される強い刺激(mask)の2つの連続刺激を用い、それらに対してできるだけ早く反応するという単純反応時間課題を用いた。またprime刺激の検出率及び脳波事象関連電位を測定し、単純反応時間と脳内情報処理の時間関係を検討した。その結果、単純反応時間は逆向マスキング下ではprime刺激が顕在的には知覚されないにもかかわらず、prime刺激があるときの方がないとき(つまりmask刺激のみ)よりも反応が早く起こることが示された。またその短縮した単純反応時間は、刺激呈示から偏側性運動準備電位(S-LRP)立ち上がりまでの時間(対側性運動準備過程が始まるまでの時間)と相関性が高く、LRP立ち上がりから反応動作までの時間(運動準備過程に要する時間)とは関連性がなかった。この結果から、逆向マスキング下の反応時間短縮効果は、顕在化されないprime刺激によって知覚過程の活性化が生じ知覚情報処理時間が短縮したか、あるいはprime刺激の感覚入力が直接運動準備過程の情報処理を賦活させたか、これらのいずれかによって運動準備過程の早期化が起こったものと考えられた。事象関連電位からは、逆向マスキング下のprime刺激によりP100(1次視覚野付近の活動)は明確に生じたがP300(刺激の認知)にはprime刺激の影響は生じなかった。したがって、prime刺激は初期視覚過程の処理はなされているが認知処理は行われていないことが示された。本研究ではprimeの潜在知覚による反応時間短縮効果について、行動的指標に加え脳波事象関連電位からそれらの背景にある脳内情報処理過程を明らかにした。