著者
西川 義文 室井 喜景 鈴木 穣 マフムド モタメド 猪原 史成 西村 麻紀 古岡 秀文 フェレイグ ラガブ 梅田 剛佑
出版者
帯広畜産大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

トキソプラズマは世界人口の3分の1のヒトに感染しており、様々な精神疾患や神経疾患の発症リスクになることが推測されている。しかし、本原虫感染が精神疾患の発症や行動異常に至るメカニズムは解明されていない。そこで本研究では、宿主中枢神経系を支配するトキソプラズマ由来ブレインマニピュレーターの解明を目的とした。脳機能に関与する宿主シグナルに影響を与える原虫分子として、TgGRAIを見出した。TgGRAIはNFkBのシグナルの活性化に関与し、TgGRAI欠損原虫株を用いたマウス行動測定の実験によりTgGRAIの恐怖記憶の固定への関与が示唆された。本研究により、脳機能を改変する原虫因子の存在が示唆された。
著者
堀切園 裕 石垣 久美子 西村 麻紀 飯塚 恵悟 南雲 隆弘 関 真美子 枝村 一弥 賀川 由美子 浅野 和之
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3+4, pp.20-25, 2018 (Released:2019-06-27)
参考文献数
20

前胸部腫瘤を主訴に、12歳齢、去勢雄のチワワが来院した。初診時に患者は無症状であったが、約5ヶ月間で腫瘤が増大するとともに発咳を呈するようになった。第184病日に胸骨正中切開による前胸部腫瘤摘出術を実施した。腫瘤は前大静脈や気管を圧迫し、周囲組織と癒着していた。摘出した腫瘤の内部は広範囲で壊死が起こっていた。病理組織学的診断は甲状舌管遺残腺腫であり、腫瘤摘出後に患者の臨床症状は改善し、良好な経過が得られた。本疾患は犬の前縦隔腫瘍の鑑別診断として考慮する必要があると考えられた。