著者
角南 なおみ
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.203-207, 2021-06-25 (Released:2021-07-22)
参考文献数
10

背景 : 2020年のCOVID-19発生を受け, 本学医学部1年次生のコミュニケーション授業の対面と実習が中止となった. 方法 : 授業内容を刷新し, Keynote, Slack, Power Point, Zoom等を使用した授業プロジェクトを有志学生とともに立ち上げた. 結果 : 新入生に対し, "正解のない問いを探求する" "学生をつなぐ" というテーマのもとICTを使用して実践された. 考察 : 新たなコミュニケーション授業におけるICT活用は, 1) 新入生同士をつなぎ, 2) チーム課題を通して関係構築の場を提供し, 3) チャット機能による参加者全体の双方向的交流に役立った. これらの実現には, 学生のフィードバックと協力が重要であった.
著者
角南 なおみ
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.323-339, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
41
被引用文献数
6 4

教師は日々, 子どもといかに関わればよいのかという点について模索しながら教育実践を行っている。だが, これまで介入が必要とされる問題場面での子どもとの関わりについて教師の視点から実践的意味を問い直し整理されることはほとんどなかった。そこで, 本研究は, 小学校教師34名に対し, 子どもに肯定的変化が見られた関わり経験について半構造化面接から得られた66データをグラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した。その結果, 【問題解決】【指導】【受容的関わり】【周囲への協力要請】【居場所と関係作り】の5つのカテゴリーが導出された。つぎに, 問題場面における教師の関わりの特徴を「教師主体の解決方略」「子ども主体の解決方略」「受容的関わり」の3種と関わりの場面を整理した。これらの分析結果をまとめ, 場面別の機能構造と問題の主体を仮定した仮説モデル1と, 時間の経過と問題の程度の連関を仮定して2次元配置した仮説モデル2を生成した。最後に, 教育現場での教師の指導と受容的関わりの相補的関与の可能性と, 子どもに肯定的変化を促す関わり要因について検討した。