著者
谷口 剛史
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.584-595, 2019-06-01 (Released:2019-06-11)
参考文献数
41
被引用文献数
1

The Mitsunobu reaction is widely used for transformation of hydroxy groups into various functional groups and inversion of the stereochemistry of secondary alcohols in organic synthesis. The Mitsunobu reaction, however, has some serious problems that inhibit its application of the reaction to practical synthesis on large scales. Especially, the reaction requires hazardous azo reagents such as diethyl azodicarboxylate (DEAD) and produces large amounts of undesired waste that sometimes complicate purification of the desired products. We have recently developed catalytic Mitsunobu reactions using new azo reagents recyclable by iron-catalyzed aerobic oxidation. Ethyl 2-(3,4-dichlorophenyl)hydrazinecarboxylate and ethyl 2-(4-cyanophenyl)hydrazinecarboxylate (or their azo forms) were identified as good catalysts by our systematic investigation. The modified catalytic reaction using these azo reagents was applicable to broad scope of substrates. High thermal stability of the reagents was shown by SC-DSC analysis, suggested low explosive nature of these reagents.
著者
名塚 健史 猪狩 寛城 竹中 良孝 山田 智教 諸澄 孝宜 谷口 剛俊 立谷 守
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI2283-CbPI2283, 2011

【目的】<BR> 我々は,2006年の全国高校野球選手権埼玉県大会(夏季大会)より年間3大会(春・夏・秋)の理学療法士(PT)によるメディカルサポートを開始し5年が経過した。本報告の目的は,5年間のメディカルサポートの対象となった部位や障害・外傷,またそれらへの介入内容を明らかにし,サポート内容を振り返る事で今後の課題を明確にしていく事である。<BR>【方法】<BR> 対象は2006年の夏季大会から2010年の秋季大会までの14大会のうちメディカルサポートを実施した95試合とした。2006年から2008年までは夏季大会はベスト8以降,春・秋季大会はベスト4以降,2009年以降では夏季大会はベスト16以降,春・秋季大会はベスト8以降の試合に対し活動を行った。<BR> メディカルサポートの内容は,試合前はテーピング,試合中は外傷のチェックと応急処置,試合後はクーリングダウンとしてストレッチ指導を実施した。また試合後は必要があればテーピング・アイシング・ストレッチの指導も実施した。なおクーリングダウンは2007年の夏季大会から開始し,原則は全ての高校が対象だが精神面も考慮し敗戦校は希望制としている。<BR>【説明と同意】<BR> 本報告の目的および個人情報保護について埼玉県高等学校野球連盟(高野連)に十分に説明し,同意を得た。<BR>【結果】<BR> 5年間でメディカルサポートに参加したPTはのべ223名であり、1会場平均4.2名であった。デッドボールなどアクシデント後にベンチなどで確認を行った件数は267件、実際にPTが何らかの技術的介入をしたのは178件であった。介入部位としては大腿部が最も多く,続いて肩関節・腰部・下腿・肘関節の順であり,上肢38%,下肢45%,頭部・体幹17%であった。介入の内容としてはアイシングが44%と最も多く,続いてストレッチ35%,テーピング19%,その他2%の順であった。また骨折の疑いや熱中症などで救急搬送が行われたのは3件だった。<BR> 試合中のアクシデントによる外傷と試合以前からの障害の割合は,外傷59%,障害38%,その他3%であった。外傷の受傷機転はデッドボール47%,守備中25%,走塁中15%,自打球3%,その他10%であった。また介入時期の割合は試合前7%,試合中31%,試合後62%であった。<BR>【考察】<BR> 実際に対応を行ったのは野球の競技特性でもある上肢よりも下肢の方が多かった。下肢の障害としては肉離れ,慢性的な足関節捻挫,熱中症に伴う下腿筋けいれんが多かった。また慢性的な障害よりもデッドボールやプレー中のアクシデントによる外傷への対応が多かったのも下肢の介入件数が多かった理由ではないかと考えられる。この結果より,野球というオーバーヘッドスポーツに対しても上肢のみではなく全身への介入が求められ,幅広い知識が必要となる。また外傷が多いことから外傷に対する素早い応急処置の技術の向上が必要であると考える。<BR> 介入時期としては試合後に多くなっており,これはクーリングダウンを開始した07年夏以降著明にみられ,クーリングダウン時に選手とコミュニケーションをとる事で疼痛の訴えを聞きやすい状況にあるのではないかと考える。試合後の介入としてはストレッチが最も多く,選手の訴えに対する的確な評価とそれに対応するストレッチ法の指導が必要になると考える。<BR> 試合以前からの障害が全体の38%を占めるにも関わらず,試合前の介入が全体の7%となった。これは試合前には何らかの障害があっても訴えにくい環境があること,また大会後半からの介入のためトレーナーが帯同している高校が多く,テーピングなどの事前処置はトレーナーが対応しているケースが多いことが考えられる。また大会後に詳細な介入結果の提示が出来ていなかったため,メディカルサポートで何ができるのか指導者側にうまく把握してもらっていない状況があると考える。早急にこの結果の提示と,それをもとに高野連・指導者と勉強会を行い,PTがどのように考えどのような介入を行っているのかを伝える必要があると考える。<BR> また参加人数は1日原則4名体制だが,シフトの関係上2名でサポートを行い,試合後のクーリングダウンで投手・野手を分けて行えなかった日程があった。これはアナウンスの時期が遅い,継続して参加するスタッフが少ないなどの問題点が上がった。今後は現場経験の少ない理学療法士でも参加しやすいよう,現場で必要な知識や技術を身につけてもらえるように年数回,段階的に勉強会を行うことを計画している。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 5年間の埼玉県における高校野球のメディカルサポートの内容を整理し,今後の課題を明らかにした。これらをもとに,メディカルサポートに関わる理学療法士の育成のための勉強会や実技講習会,また選手や指導者にフィードバックすることで障害予防へつながる有益な資料となると考える。
著者
谷口 剛 伊藤公人 五十嵐 学 村上 悌治 高田 礼人 原口 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.135, pp.185-192, 2006-12-22

インフルエンザウイルスにおける抗原変異の規則性を発見するために,アミノ酸残基の共変異を解析する共変異とは,タンパク質を構成するアミノ酸残基のうち〆複数の位置のアミノ酸が共に置換する現象である.従来からアミノ酸残基の共変異を解析する手法がいくつか提案されていたが,それらの手法では進化の過程における分岐や時間的関係が考慮されていなかったそこで,これらの問題を解決するために,進化系統解析によって得られる系統樹を利用する手法を提案する.過去40年間のH3N2亜型インフルエンザウイルスのHAタンパク質を対象とし,共変異の検出を行い,その結果を示す,また,共変異は時代と共に変化するため,共変異の変化を検出するための手法を提案する.The influenza viruses undergo antigenic drift to escape from antibody-mediated immune pressure. In order to predict possible structural changes of their molecules in future, it is important to analyze the patterns of amino acid substitutions in the past. In this paper, we present a new method to extract the sets of residue positions which were involved in correlated mutations. We also discuss a method to detect changes of correlation among co-evolving residues.
著者
谷口 剛 原口 誠 伊藤公人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.128, pp.251-258, 2007-12-21

インフルエンザウイルスの遺伝子は突然変異を起こしやすい.抗体による免疫圧力によって,抗原性が変化したウイルスのみが生き残り,次の流行を引き起こす.ウイルスの進化の詳細を理解するために,本論文では,インフルエンザウイルスの進化において,アミノ酸置換の起こる残基位置が時代と共に変化するか否かを明らかにすることを目的とする.コントラストセットマイニングの枠組みを用いて,隣接するグループ列間の特徴的違いを発見するアルゴリズムを提案し,進化系統解析と提案手法を組み合わせることによって,アミノ酸置換の起こる残基位置の時代的変化を解析する.The influenza viruses undergo antigenic drift to escape from antibody-mediated immune pressure. In order to predict possible structural changes of their molecules in future, it is important to analyze the patterns of ammo acid substitutions in the past. In this paper, we present a method to extract segment of ordered groups in a phylogenic tree constructed from influenza virus gene sequences. We develop an algorithm for segmentation of ordered groups based on a contrast set, which identifies differences between two groups. We apply our algorithm to given ordered groups obtained from the phylogenic tree.
著者
谷口 剛 原口 誠 伊藤公人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.128, pp.251-258, 2007-12-21

インフルエンザウイルスの遺伝子は突然変異を起こしやすい.抗体による免疫圧力によって,抗原性が変化したウイルスのみが生き残り,次の流行を引き起こす.ウイルスの進化の詳細を理解するために,本論文では,インフルエンザウイルスの進化において,アミノ酸置換の起こる残基位置が時代と共に変化するか否かを明らかにすることを目的とする.コントラストセットマイニングの枠組みを用いて,隣接するグループ列間の特徴的違いを発見するアルゴリズムを提案し,進化系統解析と提案手法を組み合わせることによって,アミノ酸置換の起こる残基位置の時代的変化を解析する.The influenza viruses undergo antigenic drift to escape from antibody-mediated immune pressure. In order to predict possible structural changes of their molecules in future, it is important to analyze the patterns of ammo acid substitutions in the past. In this paper, we present a method to extract segment of ordered groups in a phylogenic tree constructed from influenza virus gene sequences. We develop an algorithm for segmentation of ordered groups based on a contrast set, which identifies differences between two groups. We apply our algorithm to given ordered groups obtained from the phylogenic tree.