著者
谷田貝 雅典 坂井 滋和
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.69-78, 2006-09-20 (Released:2016-08-03)
参考文献数
10
被引用文献数
3

教授者と学習者の視線が一致する一斉講義における遠隔教育の研究事例はない.本研究では,視線一致型テレビ会議システム,従来型(視線不一致)テレビ会議システムを利用した授業と,対面授業における教育効果の比較分析を行った.各授業では質問紙調査と学習効果測定試験を実施した.試験成績を分散分析した結果,各授業間の成績差は見出されなかった.質問紙評価を分散分析および多重比較により評価した後,主観学習評価として理解感と学習意欲に関する項目を省き,因子分析をした結果,「ノンバーバルコミュニケーション」「飽き」「緊張」「視線・姿欲求」「疲労・不満」「弛緩」の6因子が抽出された.各因子を独立変数,試験成績(客観学習評価)および主観学習評価を従属変数として,単回帰分析および重回帰分析を行った.結果,以下のことが明らかとなった.「ノンバーバルコミュニケーション」は,主観学習評価および客観学習評価に対し正の影響を与える.視線が合わない学習環境では,学習者に学習活動の負荷を与える.視線が一致する遠隔教育は,対面一斉講義の教授方略が適用できるが,「飽き」に関する対策が必要である.
著者
谷田貝 雅典 坂井 滋和
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.69-78, 2006
参考文献数
10
被引用文献数
5

教授者と学習者の視線が一致する一斉講義における遠隔教育の研究事例はない.本研究では,視線一致型テレビ会議システム,従来型(視線不一致)テレビ会議システムを利用した授業と,対面授業における教育効果の比較分析を行った.各授業では質問紙調査と学習効果測定試験を実施した.試験成績を分散分析した結果,各授業間の成績差は見出されなかった.質問紙評価を分散分析および多重比較により評価した後,主観学習評価として理解感と学習意欲に関する項目を省き,因子分析をした結果,「ノンバーバルコミュニケーション」「飽き」「緊張」「視線・姿欲求」「疲労・不満」「弛緩」の6因子が抽出された.各因子を独立変数,試験成績(客観学習評価)および主観学習評価を従属変数として,単回帰分析および重回帰分析を行った.結果,以下のことが明らかとなった.「ノンバーバルコミュニケーション」は,主観学習評価および客観学習評価に対し正の影響を与える.視線が合わない学習環境では,学習者に学習活動の負荷を与える.視線が一致する遠隔教育は,対面一斉講義の教授方略が適用できるが,「飽き」に関する対策が必要である.