著者
平木 隆夫 木浦 勝行 郷原 英夫 金澤 右 豊岡 伸一 加藤 勝也 三村 秀文
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

肺アスペルギローマの症例に対してラジオ波焼灼療法を行った。治療に伴う有害事象はなく、安全に治療された。その後、CTによる経過観察を治療後26ヶ月まで行い、焼灼域は経時的に縮小傾向していった。また治療後16ヶ月には焼灼域の生検を行った。焼灼域はほとんどが線維性組織で、菌糸はごくわずかにみられるのみであった。よって、この研究によりラジオ波焼灼療法はアスペルギローマに対して安全かつ有効であることが示唆された。
著者
豊岡 伸一 高野 利実 高坂 貴行 堀田 勝幸 松尾 恵太郎 市原 周治 藤原 義朗 宗 淳一 大谷 弘樹 木浦 勝行 青江 啓介 谷田部 恭 大江 裕一郎 光冨 徹哉 伊達 洋至
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.409-415, 2009 (Released:2009-10-08)
参考文献数
20

目的.ゲフィチニブ投与患者では上皮成長因子受容体(EGFR)変異例で予後が良いことが報告されている.一方,喫煙,性差はEGFR変異に影響し,さらに,肺癌の予後因子であることが示唆されている.本研究では,EGFR変異,性差,喫煙が,ゲフィチニブ治療を受けた肺腺癌患者の生存期間に与える影響を検討した.対象と方法.ゲフィチニブにより治療された肺腺癌患者362例において,EGFR変異,性差,喫煙が全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)に及ぼす影響を評価した.結果.EGFR変異は169例(46.7%)に認めた.多変量解析では,変異例で野生型例に比べOSおよびPFSが有意に長かった(P<0.001).EGFR変異の有無による群別で性差,喫煙量は,OSおよびPFSの延長とは関連がなかった.一方,性別,および,喫煙により分類した群別での解析では,EGFR変異は,OS,PFSの延長と有意な関連を認めた(P<0.001).結論.本検討から,ゲフィチニブ投与を行う患者を選択する際,EGFR変異は重要な指標であると考えられる.