著者
小畠 郁生 下山 正一 小野寺 恭一 松川 正樹 小野寺 邦彦 豊田 康祐
出版者
財団法人深田地質研究所
雑誌
財団法人深田地質研究所年報
巻号頁・発行日
vol.3, pp.49-57, 2002-06-28

1968年に気仙沼市大島東岸の若木浜の海崖からジュラ紀大型アンモナイトを発掘した。標本の形態的特徴を記述し,暫定的にその属種をPerisphinctes sp. aff. ozikaensis Fukadaとした。産出地点を志井田に従い舞根層上部と考え,本種の産出を基にUpper Oxfordianとするか,近年の諸知見に基づき小々汐層上部と考えUpper Tilhonianとするかなどは,課題として残る。今後さらに示準アンモナイトの探索に努める必要がある。いずれにせよ,大島対岸の舞根層複式地産ならびに牡鹿半島萩ノ浜層産の類縁属種との比較は,対比上の見地からも検討されるべきであろう。
著者
豊田 康祐 安部 康信 津田 麻理子 土師 正二郎 崔 日承 末廣 陽子 喜安 純一 大島 孝一 鵜池 直邦
出版者
The Japanese Society of Hematology
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.815-819, 2014

Primary effusion lymphoma (PEL)は体腔液中に限局して腫瘍細胞が増殖する稀なB細胞性リンパ腫であり,原則的に明らかな腫瘤形成は認められないとされ,human herpes virus 8 (HHV8)感染が陽性である。しかしながら本邦を中心にHHV8感染が認められないPEL類似の症例も報告されており,これらをPEL-like lymphoma (PEL-LL)とする疾患群も提唱されている。今回我々は胸水貯留で発症したPEL-LLを経験した。心疾患を有する70歳男性であり,リツキシマブ併用経口ソブゾキサン,エトポシド少量療法にて7か月間完全奏効を維持している。PEL-LLはPELと比較し,予後良好であることが報告されており,CD20抗原が陽性であることからリツキシマブの追加効果が期待されている。PEL-LLは高齢者に多い疾患であり,より忍容性のある有効な治療法の開発が期待される。