著者
粟野 皓光 清水 裕史 筒井 弘 越智 裕之 佐藤 高史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.324, pp.85-90, 2011-11-21

ランダムテレグラフノイズ(Random Telegraph Noise: RTN)は微細デバイスの信頼性や回路特性に関わる物理現象であり,様々なモデル化手法が提案されている.閾値電圧の変動幅と変動時定数は,種々のモデルに共通する特に重要なパラメータであるが,測定データからこれらを求めることは困難な課題となっている.本研究では,キャリアの捕獲と放出の過程を統計的モデルとして表現し,マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)を用いて各パラメータをベイズ推定する手法を提案する.人工的に生成したRTN信号に提案手法を適用し,良好な結果が得られたが,実測信号については課題も見られた.
著者
越智 裕之 佐藤 高史 筒井 弘 中村 行宏
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

長寿命なデジタル記憶システムの実現に向け、長期安定性に優れるマスクROMの実装されたシリコンウエハ全体を完全に絶縁層で封止し、非接触で電源供給や相互通信を行うための構成方式の検討を行った。非接触電源供給技術としてオンチップ太陽電池に注目し、ブーストインターリーブ太陽電池を提案した。非接触相互通信技術としてオンチップダイポールアンテナに注目し、低消費電力な送受信回路を提案した。高集積、超低電圧動作が可能なNAND型マスクROMの特性を明らかにした。これらを総合して恒久保存メディアのアーキテクチャ検討を行い、待機時消費電力を極限まで削減する階層的なパワーゲーティング手法の有用性を示した。
著者
越智 裕之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.102, pp.97-102, 1997-10-28
参考文献数
9
被引用文献数
2

本稿では、今後ますます進歩する半導体技術にふさわしいFPGAアーキテクチャの将来像として、Field Programmable Accumulator Array (PA)を提案する。これはFPGAの基本セル中のLUTをALUに量き換えたものである。主な応用を固定語長の数値処理に特化することにより、高速化、高集積化、コンパイルや再構成の容易さなどを狙う。現在のテクノロジで実現可能な第1世代のFPAAチップの試作経過や、近い将来に浮動小数点演算対応、DRAM混載の第3世代FPAAによって非ノイマン型の新たなスーパーコンピューティング向きアーキテクチャが誕生する可能性についても言及する。This paper proposes the Field Programmable Accumulator Array (FPAA) as an FPGA architecture in a near future. Each cell in an FPAA has an ALU, while each cell in an FPGA has LUTs. FPAAs are useful especially for numerical processing, and we can expect higher-speed, higher-density, easier compilation, and less time for reconfiguration compared with FPGAs. This paper also reports on the first-generation FPAA chip which the author is currently designing, and discusses the possibility of the third-generation FPAAs which has hundreds of floating-point ALUs and on-chip DRAM to establish a new style of supercomputing.