著者
仲林 清 小池 義昌 丸山 美奈 東平 洋史 福原 美三 中村 行宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.906-914, 1997-04-25
被引用文献数
50

インターネット上の情報提供システムWWW (World-Wide Web) を利用した個人適応型CAIシステムCALATについて述べる. CALATはWWWのサーバ/クライアント構成を拡張したシステムであり, サーバ側で個々の学習者毎のCAIプロセスが稼動し, 学習者はWWWクライアントを用いてネットワーク経由で学習を行う. サーバ側にCAIプロセスと個々の学習者の対応関係を保持する学習者識別機構を設け, WWWのステートレスプロトコルを変更せずに, 演習問題の解答内容などに応じて学習の流れを変更する個人適応型学習機能を実現した. また, サーバから転送した制御スクリプトをクライアントで解釈実行する表示制御方式を開発し, (1) 表示応答速度の向上, (2) サーバからの教材画面制御, (3) 対話型シミュレーション教材の利用, などを可能とした. 実装したシステムの評価を行い, 学習者識別機構, データ転送表示機能の有効性を確認した. なお, 本システムはインターネット上で実際に試行運用を行っている.
著者
越智 裕之 佐藤 高史 筒井 弘 中村 行宏
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

長寿命なデジタル記憶システムの実現に向け、長期安定性に優れるマスクROMの実装されたシリコンウエハ全体を完全に絶縁層で封止し、非接触で電源供給や相互通信を行うための構成方式の検討を行った。非接触電源供給技術としてオンチップ太陽電池に注目し、ブーストインターリーブ太陽電池を提案した。非接触相互通信技術としてオンチップダイポールアンテナに注目し、低消費電力な送受信回路を提案した。高集積、超低電圧動作が可能なNAND型マスクROMの特性を明らかにした。これらを総合して恒久保存メディアのアーキテクチャ検討を行い、待機時消費電力を極限まで削減する階層的なパワーゲーティング手法の有用性を示した。
著者
白井 諭 池原 悟 河岡 司 中村 行宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.12-21, 1995-01-15
被引用文献数
14

最近、言語間の発想法の違いを克服し、機械翻訳の品質を向上させるための方法として、多段翻訳方式や用例翻訳方式が提案され、その効果が期待されている。また、現在、翻訳困難な表現や構文は、人手による原文前編集の対象となっているが、これらの多くは、言語間の発想の違いを反映したものであることを考えれば、前編集も言語間の発想の違いを克服する方法の一つであり、その自動化による訳文晶質の向上が期待される。しかし、自然言語の表現には、同形式異内容の間題があり、副作用の生じないよう、前編集の内容をそのまま自動化することは困難であった。これに対して、本論文では、(1)単語の精密な文法的属性と意味的属性を使用すれば、原文に対する自動書き替え規則の適用条件が詳細に記述できると予想されること、(2)原文解析によって文溝成要素の文法的、意味的性質が明らかになった段階で書き替えを適用すれば、書き替えによる予想外の副作用を排除できると期待されること、の2点に着目して、原文自動書き替え型の翻訳方式を提案する。新聞記事を使用した翻訳実験によれぱ、自動書き替え規則の適用された箇所は102文中、44文、延べ52箇所であり、そのうち訳文品質が明らかに向上した文は33文であった。また、規則の適用された文の構文意味解析の多義の数が平均5.39/文から1.31/文まで減少した。これらの結果、本方式は翻訳品質向上ならびに多義減少の効果の大きいことが分かった。
著者
辻野 孝輔 鴫谷 篤人 小林 亙 泉 知論 尾上 孝雄 中村 行宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.333, pp.55-60, 2003-09-22

近年、2チャンネル・ステレオを用いた三次元音響効果システムが研究、開発されている。こうしたシステムにおいては、頭部伝達関数(HRTF: Head Related Transfer Function)を用いて音源の立体感を表現することが一般的であるが、従来の手法には、演算量が大きくリアルタイム実装に適さないという問題点があった。これに対し、頭部伝達関数の特徴が周波数帯域によって異なることを利用した、組み込み実装に適した低演算量のアルゴリズムが提案されている。我々は、このアルゴリズムを利用した音像定位処理の高精度実装を行い、また、実装したシステム上で移動音を自然に表現するための音像位置の補間手法の検討および評価を行ったので、これを報告する。
著者
菅野 裕揮 中村 行宏 宮本 龍介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.85, pp.11-16, 2008-06-05

近年,画像処理による物体認識に関する研究が数多くなされている.その中でも最も高精度な物体認識手法の1つに多段粒子フィルタに基づく手法がある.このような高精度な手法は計算量が非常に多いため,車載や監視などの組込み用途において用いる場合,処理の並列化や専用ハードウェア化が必要となる.本研究では多段粒子フィルタの並列化検討を行う.この並列化検討を基にOpenMPを用いた並列実装を行い,マルチコアプロセッサ上において並列化前と後の処理時間を測定することで並列化検討の結果について評価する.