著者
足立 亨介
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.578-581, 2011 (Released:2011-09-08)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2
著者
足立 亨介
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

甲殻類は見た目に緑青食から赤燈色まで様々な色を呈するが、これは外骨格中に含まれる色素タンパクであるクラスタシアニン(CRCN)によるものである。CRCNはアポタンパク質とアスタキサンチン(Asx)が結合した複合体としての色を本来呈するが、加熱などで変性するとタンパク質の変性によりAsxが放出され、赤色を呈する。エビ・カニがゆでると赤くなるのはこのためである。本研究では組換え発現系によってクルマエビCRCNアポタンパク質を調製し、Asxと再結合することによりその色彩多様性の解析を試みた。
著者
足立 亨介 池島 耕
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-07-18

本研究ではマングローブ物質循環の鍵を握る落葉とこれを摂食するカニの関係について考察した。フィールドおよび飼育実験などからカニは落葉の34%を摂食していると算出された。カニ腸内細菌、および生息土壌細菌のメタゲノム解析においては両者ともにcellulose degradationに属する菌が見出された。また両者において還元糖量の換算で数10-約100mg/kg soil/24hのセルロース分解酵素活性が見られた。我々のこれまでの成果を考慮すると、調査フィールド内では落葉中のセルロースの1/3程度はカニの消化液→腸内細菌→土壌細菌の3要素によって分解を受け手入ることが示された。
著者
中辻 伸嘉 秋田 もなみ 林 芳弘 野村 晋平 足立 亨介 森岡 克司
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.309-315, 2018 (Released:2019-12-20)
参考文献数
26

本研究は加太産天然マダイ(RK)及び養殖マダイ(RC)の物性(破断強度)を比較し,生化学及び組織学的アプローチから物性の決定要因を検討した。RK 及び RC の肉の破断強度はそれぞれ55.6及び34.9 gw であり,RK で有意に高い値を示した。従来から知られている破断強度と関係性がある筋肉中のコラーゲン含量は RK で高い傾向があったが,有意差はなかった。一方,組織学的観察から RK 及び RC の筋繊維面積はそれぞれ6299.5及び9524.5 µm2 であり,RK の筋繊維面積は RC より有意に小さく,筋繊維の結合組織である筋内膜の網目構造が密であることが観察された。以上のことより,RK の物性は RC より硬く,これには筋肉中の結合組織の構造が主に関与することが示唆された。