著者
辻 延浩 佐藤 尚武 宮崎 総一郎 大川 匡子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

これまでに開発してきた睡眠学習プログラム(指導案)をデジタルコンテンツ化し、そのWeb学習教材の有効性と活用性を検討した。Web教材については、画像等に関わる5項目と、内容等に関わる5項目で評価した。いずれにおいても高い評価が得られ、睡眠教育に対して有効な活用が期待できると考えられた。また、睡眠教育プログラムを滋賀県下の学校園に広めることを目的に、教員が睡眠の科学的知識を習得し、幼児・児童・生徒の基本的な生活習慣の確立に向けて睡眠の教育を展開させることのできる教員の研修プログラムを考案し実践した。その結果、幼稚園の教師ならびに保護者から高い評価を得ることができた。一連の睡眠教育研修プログラムは教師の研修成果を高めるとともに、子どもたちの生活習慣を改善するのに有効であることが確かめられた。
著者
川勝 佐希 國土 将平 笠次 良爾 長野 真弓 森田 憲輝 鈴木 和弘 渡邊 將司 上地 広昭 山津 幸司 堤 公一 辻 延浩 久米 大祐 石井 好二郎
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.78, pp.43-60, 2018 (Released:2018-08-07)
参考文献数
54
被引用文献数
1 1

A survey was conducted to assess physical activity, depression, and sense of coherence among early adolescents. This study used a cross-sectional sample of 12,086 students (G5-G9) from 28 public elementary schools and 22 public junior-high-schools in Japan. A total of 9,424 students (G5-G8) were surveyed from December 2013 to December 2015 using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ) -short form to measure physical activity (PA), the Depression Self-Rating Scale for Children (DSRSC) for depressive symptoms, and the Sense of Coherence Scale-13-item version (SOC-13). Vigorous PA (VPA) of the G5 boys (4h 20 min) was significantly longer than that of the G5 girls (1h 30min) and the VPA of the junior-high-school students increased significantly compared with that of the elementary-school students. The VPA of the G8 boys reached 6h 30 min, whereas that of the G8 girls approached 3h, which was a significant difference. Additionally, more junior-high-school students participated in sports-club activities than did elementary-school students. The mean DSRS-C score of the G5 girls (10.24±5.73) was significantly higher than that of the G5 boys (9.31±5.31). No other differences by grade, were found among the elementary-school students. The depressive symptoms of the junior-high-school students indicated they had a greater risk for depression than the elementary-school students did. The mean SOC score of the G8 boys (44.58±8.11) was higher (better) than that of the G8 girls (43.46±8.30). Furthermore, the elementary-school students' score on the SOC was higher than that of the juniorhigh-school students; the score tended to decrease as the grade increased.
著者
辻 延浩 佐藤 尚武 宮崎 総一郎 大川 匡子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

小学校の系統的な睡眠学習カリキュラムを構築することを目指して, 教材を開発するとともに, 睡眠学習プログラムを作成して実践化を試み, その有効性について検討した。さらに, 開発した睡眠学習教材をデジタルコンテンツ化し, 学校園の授業や校内研究会等で活用できるようにすることを目的とした。得られた結果の大要は以下のとおりである。(1) 現行の小学校体育科の保健領域(3~6年生)の指導内容に沿って睡眠の科学的知見を位置づけ, 発達段階をふまえた系統的な睡眠学習教材を作成した。睡眠学習における児童の評価は, 3年生と4年生では, 授業の楽しさ, 内容の理解度,生活への活用度,教具の適切度ついてほぼ全員から「大いにある」または「まあまあある」の評価が得られた。5年生と6年生では, 中学年に比べて「あまりない」あるいは「まったくない」とする児童の数が多少増えているものの, 多くの児童から高い評価が得られた。授業者および授業観察者の評価では, 提示した資料の説明の仕方でいくつかの改善点が指摘されたが, いずれの学年の授業においても, 児童が睡眠の科学的知見を通して, 自分の睡眠生活を見直したり, 再発見したりしていたことが高く評価された。これらの結果から, 開発した教材およびプログラムは, 児童に睡眠の大切さに気づかせるとともに, 睡眠に関する知識を深めることができると考えられた。(2) Web教材は, 「睡眠科学の基礎」, 「健やかな体をつくる睡眠6か条」, 「快眠に向けて補足6か条」で構成させた。Web教材に対して質問紙調査(5段階評価)を実施した結果, 画像等に関わる項目の平均得点は3.9~4.3の範囲にあり, 内容等に関わる項目の平均得点は3.8~4.5の範囲にあった。Web教材の改善に向けては56件の具体的な指摘を受けた。これらをふまえて, リンクのはり方, 図の色調, 図中の文字, カット図の挿入について改善を加えた。