- 著者
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畑山 知子
長野 真弓
大貫 宏一郎
- 出版者
- 日本未病システム学会
- 雑誌
- 日本未病システム学会雑誌 (ISSN:13475541)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.1, pp.6-11, 2008-07-15 (Released:2010-09-09)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
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本研究の目的は, 酸化ストレスおよび抗酸化力と生活習慣および血液指標との関連を検討することである。対象は, 健常な男女42名 (男性10名, 女性32名, 平均年齢47.8±10.8歳) である。身長と体重よりbody mass index (BMI) を算出した。酸化ストレスはFree Radical Analytical System 4: FRAS4 (H&D社製, イタリア, 輸入元株式会社ウイスマー) により, 酸化ストレス (d-ROMs) および抗酸化力 (BAP) を分析した。また, 血液生化学検査 (糖・脂質・蛋白代謝および肝・腎機能・糖尿病指標) を実施し, 対象の基本的特性と生活習慣行動を質問紙にて調査した。酸化ストレスには有意な性差が認められ, 抗酸化力は飲酒習慣のある群で有意に低い値を示した。性別の相関分析を実施したところ, 女性では, 空腹時血糖値と抗酸化力との間に有意な負の相関関係が認められ (-0.365, p<0.05) , 男性ではγ-GTPと抗酸化力との間に有意な負の相関関係が認められた (-0.675, p<0.05) 。d-ROMsには有意な関連は認められなかった。以上より, FRAS4により測定された酸化ストレスには性差がある可能性が示唆され, 飲酒習慣を反映すると考えられた。また, 抗酸化力は正常範囲内であっても血糖値やγ-GTPと負の相関を示したことから, FRAS4による抗酸化力の評価は初期段階の代謝異常, すなわち未病状態を反映する可能性が示唆された。