著者
豊浦 正広 五十嵐 哲也 齋藤 豪 寺田 貴雅 茅 暁陽
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:21888949)
巻号頁・発行日
vol.2016-CG-162, no.1, pp.1-7, 2016-02-01

カラー写真などの任意の画像から多色織ジャカード織物パターンを生成する.ジャカード織物は数百本から数千本の並列化された経糸と緯糸が交差して構成され,各格子点での経糸と緯糸の上下を定義することで模様を作り出すことができる.多色織パターンは,各行各列の経糸色・緯糸色と格子点での上下関係を示す二値画像によって表現できる.従来法ではグレースケール画像のみを対象にしたり,カラーチャンネルごとに独立に処理したりしていたために,入力画像が持つ色調や陰影を十分に保つことができなかった.本研究では多色織パターンの生成のために (1) 任意色の経糸・緯糸による画像二値化,(2) 入力画像に適切な糸色の自動選択を提案する.実験では,生成されたパターンから製織した結果を示し,提案手法の有効性を示す.
著者
茅 暁陽 藤代 一成 柏木 賢治 郷 健太郎 豊浦 正広
出版者
山梨大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

加齢黄斑変性症(AMD)は,年齢を重ねるに従って網膜の中心に位置し視力の中核的機能を担う黄斑に異常が生じ,見え方の質が著しく低下する病気である.本研究では,老齢者でも患者自らが身近なPC・携帯端末等を用いて自身の症状を手軽に検査でき,その結果に基づいて,日常生活の場面ごとに個人の視覚特性に合致したコンテンツを提示することにより,視野の歪みを軽減し,中心暗点で消失した情報を補い,患者の見え方の質,ひいては生活の質まで大幅に改善させられるような情報工学技術としてCR(Corrected/Complemented Reality)技術を確立する.

1 0 0 0 OA 運動視差

著者
豊浦 正広 柏木 賢治
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.243_4, 2014 (Released:2016-04-19)

観察者の身体・視線方向の変化によって,視野中の対象物の位置が変わること.身体移動や視線方向変化の量と,対象物の位置の変化の情報は脳内で統合され,対象物までの距離が知覚される.例えば,視線方向を同じだけ変化させても,近くにあるものほど視野中の位置が大きく変わり,遠くにあるものほど位置があまり変わらないので,この位置の変化量から対象物までの距離を推定できる.単眼による観察によっても運動視差は生じるので,単眼失明者も運動視差を利用することで距離の知覚が可能である.
著者
畠 康高 豊浦 正広 茅 暁陽
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.338-347, 2014-07-30 (Released:2015-11-06)
参考文献数
22
被引用文献数
1

鉛筆画は,モノトーンを用いながら豊かな表現が可能であり,ラフなスケッチとしても完成度の高い芸術作品としても多くの人に親しまれている.我々はビデオを鉛筆画風動画に自動変換する手法を提案する.静止画を自動的に鉛筆画に変換できるLIC法を用いた鉛筆画生成法を用いる.しかし,静止画の鉛筆画変換手法を動画の各フレームにそのまま適用すると,ちらつきやシャワードア効果が発生する.この問題を解決するために,フレーム間で相関を保ったストロークを生成する新しい技術を提案する.前フレームのストロークを基に,輝度の変化に合わせて,不足するあるいは過剰なストロークのみを,追加または削除し,オブジェクトの移動に合わせてストロークの位置を移流することで課題を解決する.
著者
阿部 敬由 豊浦 正広 茅 暁陽
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.131-134, 2012-03-09

我々は,指定した画家のスタイルを写真に転写する手法を提案する.提案手法によって,その画家が描いたような絵画調画像を写真から生成できる.写真が入力として与えられると,まず,指定した画家のデータベースから,入力した写真と似た構造を持った絵画が探索される.探索には,人間がシーンの大まかな構造を知覚するのに利用しているとされるGIST特徴量を用いる.次に,探索された絵画の色遣いと筆使いを入力写真に転写することで,その画家のスタイルを反映した絵画調画像を生成する.この提案手法では,写真と画家を指定するだけで,画材や技法を意識することなく,自動的にその画家のスタイルの絵画調を生成することができる.
著者
茅 暁陽 高橋 成雄 小俣 昌樹 吉田 典正 豊浦 正広
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、ユーザの情動を感知する情動センシング、情動をコンピュータ内で認知・利用する情動アナリシス、情動に適応する画像や映像を合成する情動適応型イメージシンセシスの各フェーズからなる閉じた処理ループを構成することにより、人間中心の情報ネットワークシステムの重要な基盤技術としての新しい CG技術-affective rendering の確立を目的として、感情価と覚せい度で構成される 2 次元情動モデルを使用し、各種視覚要素が情動に与える影響の調査、生体情報より2次元情動空間における状態の推定および情動を特定な状態に誘導する視覚アニメーションの設計と提示技術を開発した。