著者
石川 彰夫 パナヒプル テヘラニ メヒルダド 内藤 整 酒澤 茂之 小池 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.6, pp.854-867, 2009-06-01
被引用文献数
16

仮想視点が空間の中に入り物体群の間を通り抜ける(ウォークスルー),新たな画像ベースレンダリング方式を研究している.はじめに,筆者らは,被写体空間を取り囲み撮影した多視点映像を用いて"ウォークスルー"を実現するための技術的な要件を示す.従来の画像ベースレンダリング方式には,カメラ配置の制約と視点位置の制限があった.筆者らは,それらの課題を解決するために,空間を多数の小領域に分割し各々に局所的な光線空間を設定するという,新しいフレームワークを提案する.また,新フレームワークにおけるウォークスルーの中で必然的に生じるオクルージョンの新たな処理方法も提案する.計算機シミュレーションにより,提案手法がウォークスルーを実現しているとともに,正確な視差を生成し,オクルージョン問題も適切に解決していることが分かった.
著者
山崎 俊彦 福島 悠介 徐 建鋒 酒澤 茂之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.486, pp.119-122, 2015-02-24

筆者らはインターネット上に存在する大規模プレゼンテーション動画を対象に、視聴者らが受けるであろう印象を推定する試みを行っている。本稿では、新たにword2vecを用いた文書特徴、および音の強さやテンポの取り方と言った音声特徴を用いた印象推定について報告する。これにより、従来の内容・構文分析よりも高い精度で印象推定が行えることを確認した。
著者
高山伸也 明堂絵美 酒澤茂之 愛澤伯友
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2013-AVM-80, no.7, pp.1-6, 2013-02-15

音楽付写真スライドショーが広く使用されているが、独立して作成された写真と音楽を同時に再生するだけでなく,視覚と聴覚の感覚が適合する提示ができれば,魅力的なサービスとなる.また,視覚に合わせて音楽が自動生成できれば,手軽に音楽付写真スライドショーを楽しめる.筆者らは,写真データを画像解析して視覚効果を自動付与し,付与された視覚効果に対応する旋律を自動生成して提示する写真再生システムを構築した.しかし,同システムでは,単音のみの旋律生成に止まっており,音楽表現が乏しいという課題があった.そこで本報告では,音楽のジャンルを予め指定し,多楽器で構成される伴奏と共に高度な旋律を生成することで,より豊かな音楽表現を可能とした写真再生システムを提案する.また,提案システムにおいて,主観評価試験を実施したので報告する.
著者
酒澤 茂之 浜田 高宏 松本 修一 坂口 裕直 高山 享
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.93, no.14, pp.57-64, 1993-04-23

現行のCDTV(Conventional Definition TV)と周波数帯域、受像機の互換性を保ちながら画質改善および画質向上をめざすEDTV2の放送方式が検討されている。CDTV互換を保つためにレターボックス形式となるEDTV2の素材を27MHz級トランスポンダあたり2チャネル伝送することを目標として、MUCCS45(45Mbps多重通信TV符号化システム)を改良し適用することとした。本稿では、CDTV用MUCCS45をEDTV2に適用した場合の問題点を分析し、レターボックス内の補強信号部と映像信号部とで量子化器の切替え、および補強信号と映像信号にまたがるブロックの量子化を見直すことで解決を図った。その結果、SNRで2.5[dB]、主観的にもかなりの画質改善が得られた。
著者
杉本 修 内藤 整 酒澤 茂之 羽鳥 好律
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.12, pp.2620-2632, 2010-12-01

Full Referenceフレームワークに基づくマルチメディアアプリケーション向けの知覚映像品質評価方式を提案する.本論文では,圧縮符号化による画質劣化に伴うユーザの知覚品質劣化の程度を七つの画像特徴量の重み付き和により定義された客観評価値により推定する.また,フレームレートに応じた客観評価値の補正を行うことにより,テレビ伝送用フォーマットのみを前提とした客観評価方式では対応できていなかった幅広い種類のアーチファクトをもつ低フレームレート画像に対する知覚映像品質の導出を可能としている.計算機シミュレーションにより提案方式の性能評価を行い,MPEG-4 part. 2及びH. 264/AVCエンコーダによりビットレート32 k~512 kbit/sで符号化した3~15 fpsのCIF,QCIF解像度の動画像の主観画質を相関0.88以上で推定可能であることを示す.また,上述のフレームレートに応じた客観評価値の補正により主観画質の推定精度を向上できること,及び7種の特徴量が等しく画質推定に寄与していることを示すことにより,提案方式が幅広い種類の映像に対応可能であることを示す.