著者
野口 武悟
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.156-171, 2004-05-15 (Released:2017-05-04)

本研究では,学校図書館法成立前後から1960年代に至る盲学校図書館の実態を,地域の視覚障害者に対する図書館サービスの構想と展開を中心に明らかにした。学校図書館法によって制度化された盲学校図書館は,地域の視覚障害者に対する図書館サービスにその独自の方向性を見出し,議論と実践の広がりを見せた。まさに盲学校図書館は,地域の視覚障害者に対する「公共図書館的使命」を帯びていたのであった。この方向を後押ししたのは,厚生害更生援護事業であり「学校図書館審議会」最終答申であった。ところが,地域の視覚障害者の利用は伸び悩んでいた。結局,1960年代も後半になると,(1)学校の敷地内にあることが裏目に出たこと,(2)盲学校図書館づくりの停滞により,地域の読書ニーズに応えていなかったこと,(3)地域の視覚障害者をめぐる読書環境が変化し盲学校図書館の地域に対する必然性が弱まったこと,などの要因が複合し,盲学校図書館における地域の視覚障害者に対する図書館サービスは挫折してしまうのであった。
著者
野口 武悟
出版者
専修大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、これまで詳らかでなかった特別支援学校における学校図書館の現状と課題を、全国の特別支援学校を対象とした質問紙調査とそれを踏まえて行った訪問調査により明らかにした。その結果、現状には、(1)特別支援学校と小学校、中学校、高等学校の学校図書館とを比べると大きな開きがあること、(2)特別支援学校の校種間、本校と分校の間、そして設置者(国立、公立、私立、及び公立であれば設置している都道府県)の間で、それぞれ、大きな開きが生じていることが明らかとなった。とりわけ、知的障害児を対象とする特別支援学校の学校図書館は著しく低い水準にとどまっており、その改善が急がれる。
著者
植村 八潮 野口 武悟
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、学校図書館において導入可能な電子書籍の利用環境構築のモデルを提示することを目的とする。そのためには、電子書籍が円滑に学校および学校図書館に導入できる環境(システム)の構築が不可欠である。一方、デジタル教科書の検討が進んでおり、電子書籍への関心も高まりつつある。しかしながら、学校および学校図書館において、電子書籍の取扱い環境やシステムについて検討は十分になされていない。そこで、学校図書館とベンダー(事業者)を対象に調査を行い、学校図書館における図書館基幹システムと利用インターフェースについて、現状と課題を明らかにした。まず、学校図書館における図書館基幹システムの導入やその運用状況に注目し、学校図書館業務の情報化の状況を調査し、現状を明らかにした。さらに、学校図書館において導入しやすく、かつ図書館基幹システムとも連携可能な電子書籍システムのモデルとして、学校図書館とベンダーを対象とした調査を基に、専用端末によるスタンドアロン型と、パソコンやタブレットPCを用いたクラウドサーバー型の2タイプのモデルを提案した。前者はインターネット環境のない学校向けで、セキュリティ対策やメンテナンスが学校の負担とならない設計である。後者はある程度の規模・利用数にも柔軟に応じられるシステムで,アクセシビリティへの対応も考慮した設計である。この二つのモデルを協力を得た学校図書館で、教師並びに児童生徒に実際に使用してもらい検討した。さらに、システムベンダー(事業者)を対象に訪問によるインタビュー調査と、システム導入学校図書館へのインタビュー調査を行い、学校図書館における図書館基幹システムと利用インターフェースについて、現状と課題を明らかにした。
著者
野口 武悟
巻号頁・発行日
2006

筑波大学博士 (図書館情報学) 学位論文・平成18年3月24日授与 (甲第4133号)