著者
前田 雅子 前田 稔彦 松元 加奈 森田 邦彦
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.335-339, 2015 (Released:2015-12-25)
参考文献数
11
被引用文献数
3

目的 : 診療時グラム染色検査の導入が抗菌薬の使用動向に影響を及ぼすかを検討することを目的とした.方法 : グラム染色導入前後での抗菌薬の種類・使用量の動向, 診療経過の動向を後方視的に調査した.結果 : 抗菌薬処方頻度 (100 人当たり) は, マクロライド系は20.9件 (2006年) から3.6件 (2012年) , 第三世代セフェム系は7.9件 (2005年) から2.4件 (2012年) に減少の一方, ペニシリン系は1.6件から3.9件に増加した. それにともなって1人当たりの抗菌薬消費額が約1/5に低下した. 小児急性副鼻腔炎患者50人当たりの抗菌薬不使用患者数は9倍に増加した一方, 治療期間中に抗菌薬2種類以上を処方された患者数は26名から9名に減少し, 治癒に要した日数は約6日間短縮された.結論 : グラム染色導入がよりよい抗菌薬使用につながる取り組みとなる可能性が示唆された. 多施設での研究的取り組みによる評価の必要性が考慮される.
著者
前田 稔
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.2-16, 2003-05-01

学校図書館蔵書の除去にマインドコントロールの危険は潜むのだろうか。裁判官を悩ませたのは表現の自由の解釈よりも,むしろ思想の自由の扱いであった。本稿では除去をめぐる合衆国裁判所判決群の対立・混乱の歴史を紹介した上で,その背後には司法の自己制限と思想の自由という2つの原理が存在することを指摘する。このことにより表現の自由よりも思想の自由を基点とした説明が今後の図書館界に適切であることを示す。
著者
前田 稔
出版者
京都大学
雑誌
京都大学生涯教育学・図書館情報学研究 (ISSN:13471562)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.213-216, 2005-03-31

性的内容を含む図書について、一般社会においては、成年者と未成年者では法制度上異なる取り扱いがなされており、成年者が優先されている。しかし、図書館の運用では、そもそも収集対象とならない場合が多く、児童を保護する要請が顕在化することは少ない。一方、インターネットの場合は収集意図と無関係にあらゆる情報が図書館内に流入してくる。このため、児童の保護への意識が喚起されているものの、決定的な解はみつかっていない。
著者
前田 稔
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

病院患者図書館の現状に関する調査活動について、全国の病院に対するアンケート調査を行った。この調査は約5年ごとに行ってきた調査であり、今回は5300病院を対象に行った。調査項目は下記である。①図書室や本棚の設置状況(a.患者用独立図書室あり b.患者図書室検討中 c.図書室的機能をもつ患者用図書コーナーあり d. 医療従事者用医学図書室あり e.医学図書室の患者開放 f.患者向け本棚なし)②患者向けの図書室や本棚の利用対象(g.入院患者 h.通院患者 i.家族や付添人 j.院外市民 k.職員)③患者向け図書提供と関わるかたはどなたですか(l.司書 m.医師 n.看護師 o.医師看護師以外の医療系職員 p.事務系職員 q.病院OB r.院内ボランティア s.院外団体からの支援 t.公立図書館 u.委員会等で合議 v.近隣病院と連携 w.図書担当者なし x.他)④患者向け図書の運営(y.院内貸出 z.院外貸出 a.病棟へ巡回配本 b.貸出手続きあり c.図書を分類整理 d.分類ラベルの貼付 e.担当者の常駐 f.蔵書目録(リスト)の作成 g.読み聞かせ h.小児看護のプレパレーションで利用 i.他)⑤患者向け院内提供資料(j.闘病記 k.医学専門書 l.健康関連書 m.一般書 n.絵本・児童書 o. 漫画 p.新聞 q. 雑誌 r.パンフ s.独自制作資料 t.映像音声資料 u.ネット端末 v.アプリ w.他)⑥通話外のスマートフォン・タブレットと患者(x.病床での使用可 y.待合室での使用可 z.利用区域で使用可 a.院内禁止 b.端末を貸出 c.患者用院内無線LANあり)アンケート結果に関しては現在集計中であるとともに、集計中に調整点が判明したため、現在調整中である。今後、集計結果について報告を行っていく予定である。
著者
前田 稔
出版者
生涯教育学講座紀要編集委員会事務局
雑誌
京都大学生涯教育学・図書館情報学研究 (ISSN:13471562)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.213-216, 2005-03-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
前田 稔
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.154-163, 2006-09-01 (Released:2017-05-24)

船橋市西図書館の蔵書廃棄事件最高裁判所判決が示した「公的な場」,「公正」について考察した。「公的な場」の概念とパブリック・フォーラム論との関係,「思想,意見等を公衆に伝達する」機能からみた図書館職員の職務の「公正」,購入と除去の違いについて検討した。その結果,表現の自由と思想の自由の両者を基礎に職務の独立性を支える新たな概念として「公的な場」概念が示されたと評価するに至った。
著者
原田平 輝志 前田 稔 金沢 洋子 桃園 裕子 小嶋 正治
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.1407-1410, 1986-03-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
6 7

Interconversion of 2-deoxy-2-fluoro-D-glucose (FDG) and 2-deoxy-2-2-fluoro-D-mannose (FDM) catalyzed by acid has been detected by 19F-NMR method. Although FDG and FDM were stable towards 1 N hydrochloric acid, in stronger acidic media the two hexoses underwent epimerization at C-2.
著者
原田平 輝志 前田 稔 甲斐 康信 尾前 裕子 小嶋 正治
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.165-172, 1985-01-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
22
被引用文献数
26 34

Methyl 3-O-benzyl-4, 6-O-benzylidene-2-O-(trifluoromethanesulfonyl)-β-D-mannopyranoside (7) was examined as a substrate for the preparation of 2-deoxy-2-fluoro-D-glucose (1) by fluoride ion treatment. The triflate (7) reacted rapidly with tetraalkylammonium fluorides in acetonitrile or tetrahydrofuran to give methyl 3-O-benzyl-4, 6-O-benzylidene-2-deoxy-2-fluoro-β-D-glucopyranoside (10) in 52-57% yield. Removal of the protecting groups from 10 by the use of 50% methanesulfonic acid afforded the required 1 in good yield. This synthetic sequence may provide an effective alternative to known methods for preparing 18F-labeled 1.
著者
原田平 輝志 前田 稔 矢野 裕二 小嶋 正治
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.3317-3319, 1984-08-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
9
被引用文献数
15 18

A nucleophilic displacement reaction of methyl 3, 4-O-isopropylidene-2-O-(trifluoromethanesulfonyl)-6-O-trityl-β-D-talopyranoside (10) with tetraalkylammonium fluorides in acetonitrile gave methyl 2-deoxy-2-fluoro-3, 4-O-isopropylidene-6-O-trityl-β-D-galactopyranoside (11). Excellent conversion of 11 into 2-deoxy-2-fluoro-D-galactose (1) was achieved by hydrolysis with 5 N hydrochloric acid.
著者
前田 稔
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

病院患者図書館および公立図書館の質的調査、全国の病院患者図書館の訪問調査、海外の病院患者図書館の訪問調査、児童養護施設の読書環境調査を通じて、健康に関する情報提供と市 民生活との関連について、各方面から積極的な活動が展開されている現状が明らかになるとと もに、専門的な情報の提供の際には、病院側と市民側との相互協力が課題となることが明らか になった。
著者
前田 稔
出版者
九州大学
巻号頁・発行日
1974

博士論文
著者
佐治 英郎 荒野 泰 前田 稔 井戸 達雄 大桃 善朗 中山 守雄
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

細胞殺傷性の強い高エネルギーβ線を放出する放射性核種を結合した化合物を体内に投与して癌細胞周辺に送達・集積させることにより、その放射線が透過する範曲内で癌細胞を直接死亡させることが可能となる。この『内用放射線治療薬剤』の開発するために、本研究では、有効な放射性核種の選択とその製造方法、充分な治療効果を得られる放射能のデリバリーシステムの構築・担体分子への旅射性核種の効率的結合法、放射線量に関する放射線生物学的評価等について総合的に調査し、以下の結果を得た。1.癌の治療に十分な飛程、線量などを与える放射性核種の選択を行い、放射性ヨウ素-131、レニウム-186、 188、ルテチウム-177、銅-64等のβ線放出核種が有効であることを認めた。2.1での選択された旅射性核種の製造のための核反応の選択、製造方法、他施設への運搬、院内サイクロトロンによる製造系について、時間、方法を含めてシュミレーション的に調査し、これが可能であることを見出した。3.放射性同位元素を用いた癌の治療には、癌細胞自身あるいはその周辺に多量の放射能を集積させること、および非標的組織からの速やかな放射能の消失を達成するために、放射能のキャリア分子を探索し、抗体、リポソーム、核酸、腫瘍部位に発現受する容体結合物質などにその可能性があることを認めた。4.「がんの内用放射線治療薬剤の開発に関するシンポジウム」を開催し、上記の結果を報告すると共に、それに関して、他の薬学、臨床放射線治療分野、核医学診断分野などの医学、核反応と放射性核種の製造分野の研究者と癌の内用放射線治療薬の有効性について討議した。この結果は今後の内用放射線治療薬の開発研究に有益な情報となった。