著者
野口 武悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.259-270, 2015-07-01 (Released:2015-07-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が2016年4月に施行されると,行政機関等の公的機関には障害者への「合理的配慮」の提供が義務化される(民間の企業等は努力義務)。情報面での「合理的配慮」を的確に提供するためには,その基盤となる情報のアクセシビリティ向上に取り組まなければならない。情報のアクセシビリティ向上の取り組みは,古くからボランティアの力も借りながら行われてきたが,現状でもその取り組みは不十分である。情報の発信者は,自ら発信した情報のアクセシビリティの確保に責任をもつべきである。公的機関はもちろんのこと,民間の企業等においても,社会的責任の1つとして自ら発信する情報のアクセシビリティ向上を進めていく必要がある。
著者
野口 武悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.259-270, 2015
被引用文献数
1

「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が2016年4月に施行されると,行政機関等の公的機関には障害者への「合理的配慮」の提供が義務化される(民間の企業等は努力義務)。情報面での「合理的配慮」を的確に提供するためには,その基盤となる情報のアクセシビリティ向上に取り組まなければならない。情報のアクセシビリティ向上の取り組みは,古くからボランティアの力も借りながら行われてきたが,現状でもその取り組みは不十分である。情報の発信者は,自ら発信した情報のアクセシビリティの確保に責任をもつべきである。公的機関はもちろんのこと,民間の企業等においても,社会的責任の1つとして自ら発信する情報のアクセシビリティ向上を進めていく必要がある。
著者
野口 武悟 植村 八潮
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

本研究の目的は、アクセシブルな電子書籍の製作・提供をめぐる海外の動向を把握したうえで、日本国内においてアクセシブルな電子書籍を安定的に製作・提供し得るプロセスをモデル化することである。当初の研究計画通り、本研究の2年目にあたる平成27年度においては、アクセシブルな電子書籍の製作・提供プロセスを検討した。アクセシブルな電子書籍の普及が進まない大きな要因として指摘されるのが、製作のハードルの高さ(工程、コスト、時間など)である。従前よりも容易に製作できる方法が見出され、これらハードルを下げることができれば、アクセシブルな電子書籍のタイトル数の拡大と普及に資する可能性は高い。そこで、入手が容易な既存の製作ツール3つ(「InDesign」(アドビシステムズ株式会社)、「PLEXTALKProducer」(シナノケンシ株式会社)、「DaisyRings」(株式会社東芝))を事例として用い、アクセシブルな電子書籍を実際に製作し、実証的に検討を進めた。その結果、出版界に広く普及しているDTPソフトである「InDesign」を用いて音声読み上げ対応のアクセシブルな電子書籍を製作することは可能であるが、ある程度のノウハウが必要であり、容易な製作手段とは言い難いことがわかった。一方で、DAISYフォーマットの電子書籍製作のための専用ツールである「PLEXTALK Producer」や「DaisyRings」を用いれば、比較的容易に一定の品質を担保したアクセシブルな電子書籍を製作することはできたものの、DAISYフォーマットの電子書籍の市場流通がない日本においては一般流通と普及などが課題となることが分かった。本研究の最終年度にあたる平成28年度では、これまでの成果をふまえつつ、アクセシブルな電子書籍を安定的に製作・提供するためのプロセスのモデル化とマニュアル作成に取り組む。
著者
野口 武悟
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.156-171, 2004-05-15 (Released:2017-05-04)

本研究では,学校図書館法成立前後から1960年代に至る盲学校図書館の実態を,地域の視覚障害者に対する図書館サービスの構想と展開を中心に明らかにした。学校図書館法によって制度化された盲学校図書館は,地域の視覚障害者に対する図書館サービスにその独自の方向性を見出し,議論と実践の広がりを見せた。まさに盲学校図書館は,地域の視覚障害者に対する「公共図書館的使命」を帯びていたのであった。この方向を後押ししたのは,厚生害更生援護事業であり「学校図書館審議会」最終答申であった。ところが,地域の視覚障害者の利用は伸び悩んでいた。結局,1960年代も後半になると,(1)学校の敷地内にあることが裏目に出たこと,(2)盲学校図書館づくりの停滞により,地域の読書ニーズに応えていなかったこと,(3)地域の視覚障害者をめぐる読書環境が変化し盲学校図書館の地域に対する必然性が弱まったこと,などの要因が複合し,盲学校図書館における地域の視覚障害者に対する図書館サービスは挫折してしまうのであった。
著者
野口 武悟
出版者
専修大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究では、これまで詳らかでなかった特別支援学校における学校図書館の現状と課題を、全国の特別支援学校を対象とした質問紙調査とそれを踏まえて行った訪問調査により明らかにした。その結果、現状には、(1)特別支援学校と小学校、中学校、高等学校の学校図書館とを比べると大きな開きがあること、(2)特別支援学校の校種間、本校と分校の間、そして設置者(国立、公立、私立、及び公立であれば設置している都道府県)の間で、それぞれ、大きな開きが生じていることが明らかとなった。とりわけ、知的障害児を対象とする特別支援学校の学校図書館は著しく低い水準にとどまっており、その改善が急がれる。
著者
植村 八潮 野口 武悟
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

本研究では、学校図書館において導入可能な電子書籍の利用環境構築のモデルを提示することを目的とする。そのためには、電子書籍が円滑に学校および学校図書館に導入できる環境(システム)の構築が不可欠である。研究計画における背景を振り返ってみると、デジタル教科書の検討が進んでおり、電子書籍への関心も高まってきている。しかしながら、学校内における電子書籍の取り扱い環境やシステムについては、十分な検討はなされていない。そこで、初年度では学校図書館とベンダー(事業者)を対象に調査を行い、学校図書館における図書館基幹システムと利用インターフェースについて、現状と課題を明らかにした。まず、学校図書館における図書館基幹システムの導入やその運用状況に注目し、学校図書館業務の情報化の状況を調査し、現状を明らかにした。具体的には、全国の学校図書館に対してアンケート調査とヒヤリング調査を実施した。アンケートを設計する段階で、システムベンダーの協力を得た。アンケート調査は、全国の小・中・高等学校1086校(小学校624校、中学校314校、高等学校148校)に郵送で依頼し、同封した返信用封筒もしくはFAXにて回答を得た。調査期間は、2016年8月から10月である。アンケート調査とヒヤリング調査から、学校図書館における図書館基幹システムの導入率は全体で7割、特に、高等学校においては9割であることが分かった。最も大きな課題は、図書館基幹システムが導入されていても、そのシステムがインターネットに接続できない学校が少なくないことである。このままでは公共図書館と学校図書館の総合目録データベースの整備といった図書館ネットワークの構築と運用、さらには今後、学校図書館でのクラウドサーバー型電子書籍システムの導入に向けて、障壁となることが予想された。