著者
野村 泰稔 矢子 嗣人 服部 洋 中山 正純
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.296-302, 2022-03-15 (Released:2022-03-20)
参考文献数
9

In industrial, agricultural, and chemical plants, rotating machinery is the most regularly used and important equipment, and its troubles and failures have a significant impact on production and quality. Therefore, the development of technology for detecting abnormalities and diagnosing the soundness of rotating machinery has been an important topic of study for many years. Recently, anomaly detection using unsupervised learning methods of machine learning has been studied in various fields. In this study, we attempted to develop an unsupervised anomaly detection method that does not require damage data in advance. Using a Variational Autoencoder (VAE), which is one of the machine learning techniques, we conducted an anomaly detection experiment through vibration experiments simulating some typical damages of rotating machines and investigated whether the system can recognize situations different from normal appropriately.
著者
宮本 崇 浅川 匡 久保 久彦 野村 泰稔 宮森 保紀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.1, no.J1, pp.242-251, 2020-11-11 (Released:2020-11-18)
参考文献数
69

深層学習に代表される機械学習の手法は近年に大きな性能の発展を遂げており,防災上の各種タスクへの応用も期待されている.一方で,データ数の本質的な不足やタスク処理過程の説明性・解釈性など,防災上の意思決定に用いる上で計算モデルに対処が求められる課題は多い.本稿では,機械学習モデルにおける研究動向からこの2点へ個別に対処するための方法論,およびそれら2点の課題に同時に対処する数理モデルとデータ駆動モデルを統合したアプローチについて,それぞれの考え方や具体的な手法,応用事例を調査する.
著者
野村 泰稔 村尾 彩希 阪口 幸広 古田 均
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_189-I_198, 2017 (Released:2018-02-08)
参考文献数
25
被引用文献数
3

近年,老朽化に伴う安全性の低下が懸念される社会基盤に対して,その構造健全性を如何に効率的かつ的確に評価するかが,維持管理計画を策定する上で益々重要となってきている.構造の健全性を評価する上で,ひび割れを検出することは,構造物の劣化や破壊を引き起こす大きな要因の一つであるため,特に重要である.本研究では,現在,各所で開発が進められている高所等,人が立ち入ることが困難な箇所の点検ロボットに実装するシステムを構築することを目的として,各種ひび割れの画像を深層畳み込みニューラルネットワークにより学習し,UAVやWebカメラ等により撮影される構造全体系の多数の画像に対して,リアルタイムにひび割れの有無・領域をスクリーニング可能なシステムの開発を試みる.
著者
川谷 充郎 小林 義和 野村 泰稔
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.橋梁交通振動のアクティブ制御による制振効果の確認研究代表者らが開発してきた模型桁,模型車両およびアクティブ制振装置を用いて実験的にアクティブ制御の制御効果を示すとともに模型実験で用いられた制御理論を用いて理論解析を行い,実験結果との比較を行った。解析で用いる制御理論は出力フィードバック制御とロバスト安定性が高いと思われるH∞最適制御理論とした.そして実橋に対するアクティブ制御の制振効果を理論的に確認するために,阪神高速道路梅田入路橋の応答データに基づき,曲げ振動だけではなく曲げとねじり連成振動に対しても制御を行い,出力フィードバック制御とH∞最適制御理論との制振効果の比較を行った.結果として,H∞最適制御理論による橋梁交通振動の動的応答解析結果から,曲げ振動および曲げとねじり連成振動共に制振効果が高いことが分かった.2.歩道橋群集歩行振動のアクティブ制御による制振効果の確認大阪ドーム前歩道橋のうち最も揺れやすいと報告されている,支間長30.19m,幅員3.4mの区間を対象として現地歩行振動実験を行い,振動応答結果に基づき歩行外力モデルを検討するとともに,歩行者の振動感覚アンケート調査を行った.さらに,単独共振歩行および群集歩行に起因する振動の低減化対策について解析的に検討した.結果としてTMDは単独共振歩行に対しては効果的であるが,群集歩行時には共振成分以外の振動はあまり低減されず,振動を感じることがわかった.アクティブ制御においては,最適レギュレータ理論,H∞制御およびファジィ制御を適用したが,全ての制御理論において制振効果が高く,歩道橋に対しても,その有用性が確認された.各制御理論の比較から,H∞制御が最も制振効率が良く,単独・群集歩行時の共振成分以外の様々な振動成分を低減できることが明らかとなった.