著者
井上 亮太郎 金本 麻里 保井 俊之 前野 隆司
出版者
日本感情心理学会
雑誌
エモーション・スタディーズ (ISSN:21897425)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.91-104, 2022-12-30 (Released:2023-02-28)
参考文献数
43

This study is to focus on factors on well-being and ill-being at work, and to develop a scale to measure quantitatively states of employees’ well-being. The proposed scales consist of the well-being scale (7 factors: 67 items) and the ill-being scale (7 factors: 62 items) at work, which will be positioned as subcategories of existing scales on the subjective well-being such as SWLS (Diner et al., 1985) and Maeno’s four factors of happiness (Maeno, 2013). Identified factors are expected to be used in the fields of career development for individual employees and human resource management, in order to improve the state of well-being and ill-being at work.
著者
金本 麻里 中村 敏健 明地 洋典 平石 界 長谷川 寿一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第9回大会
巻号頁・発行日
pp.63, 2011 (Released:2011-10-02)

サイコパシーは、反社会的特徴を持つ人格障害であり、他者の心的状態の認知能力の障害との関連が臨床研究により示されている(Blair, 2005)。先行研究(Ali et al., 2009;2010)では非臨床群を対象に表情・視線・音声刺激が表す感情についての認知課題が用いられ、高サイコパシー傾向者が感情理解に障害を持つことが示唆された。本研究では、その拡張として、感情的側面を含まない他者の心的状態の認知にも障害が見られるかを、大学生を対象に、Dumontheilら(2010)が成人を対象に作成した心の理論課題の成績とサイコパシー尺度得点との関係を見ることで検討した。この課題は相手の視点に立った振る舞いが遂行に必要となるコンピューター上の課題である。その結果、サイコパシー傾向と心の理論課題の誤答数とに正の相関が見られた。つまり、サイコパシー傾向が高いほど感情的側面を含まない他者の心的状態の認知に障害が見られることが示唆された。