著者
中村 敏健 平石 界 小田 亮 齋藤 慈子 坂口 菊恵 五百部 裕 清成 透子 武田 美亜 長谷川 寿一
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.233-235, 2012-03-30 (Released:2012-05-22)
参考文献数
14
被引用文献数
4 1

This study developed a Japanese version of the Machiavellianism scale (Mach IV) and examined its reliability and validity. A questionnaire survey of university, junior college and vocational school students showed sufficient internal consistency and test-retest reliability for the scale. Its correlational validity was demonstrated in terms of the relationships with psychopathic tendencies, prosocial behavior, and Agreeableness (a dimension of the Five-Factor personality model). These results indicated that the Japanese version of the Machiavellian scale IV is useful to measure Machiavellian tendencies.
著者
金本 麻里 中村 敏健 明地 洋典 平石 界 長谷川 寿一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第9回大会
巻号頁・発行日
pp.63, 2011 (Released:2011-10-02)

サイコパシーは、反社会的特徴を持つ人格障害であり、他者の心的状態の認知能力の障害との関連が臨床研究により示されている(Blair, 2005)。先行研究(Ali et al., 2009;2010)では非臨床群を対象に表情・視線・音声刺激が表す感情についての認知課題が用いられ、高サイコパシー傾向者が感情理解に障害を持つことが示唆された。本研究では、その拡張として、感情的側面を含まない他者の心的状態の認知にも障害が見られるかを、大学生を対象に、Dumontheilら(2010)が成人を対象に作成した心の理論課題の成績とサイコパシー尺度得点との関係を見ることで検討した。この課題は相手の視点に立った振る舞いが遂行に必要となるコンピューター上の課題である。その結果、サイコパシー傾向と心の理論課題の誤答数とに正の相関が見られた。つまり、サイコパシー傾向が高いほど感情的側面を含まない他者の心的状態の認知に障害が見られることが示唆された。