著者
中村 敏健 平石 界 小田 亮 齋藤 慈子 坂口 菊恵 五百部 裕 清成 透子 武田 美亜 長谷川 寿一
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.233-235, 2012-03-30 (Released:2012-05-22)
参考文献数
14
被引用文献数
4 1

This study developed a Japanese version of the Machiavellianism scale (Mach IV) and examined its reliability and validity. A questionnaire survey of university, junior college and vocational school students showed sufficient internal consistency and test-retest reliability for the scale. Its correlational validity was demonstrated in terms of the relationships with psychopathic tendencies, prosocial behavior, and Agreeableness (a dimension of the Five-Factor personality model). These results indicated that the Japanese version of the Machiavellian scale IV is useful to measure Machiavellian tendencies.
著者
大森 理絵 長谷川 寿一
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.3-14, 2009 (Released:2009-07-28)
参考文献数
48
被引用文献数
1 1

Based on results of molecular phylogenetic analyses and archaeological evidences, most researchers believe that the dog is descended from the wolf and that east Asia was the central place for the early events of domestication around 15,000-20,000BP. Many different theories of domestication have been proposed in respect of the evolutionary mechanism, and each theory can explain a particular aspect of the process which has different evolutionary backgrounds by its stage and phase. The dog is established in modern society as a companion animal. It has physiological and psychological benefits to human, which include facilitating therapy, reducing stress, and socialization. In addition to that, the dog has positive effects on child development and elderly people.
著者
長谷川 寿一 齋藤 慈子
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、イヌやネコといった伴侶動物の行動特性と、その家畜化の影響を明らかにすることを目指した。行動特性の遺伝的基盤に関して、ネコでは、イヌと同様に、アンドロゲン受容体遺伝子の多型と社交性の関連が示された。認知特性に関して、イヌではヒトの音声を左半球優位で処理している可能性、ヒトに対する視線接触の犬種差が示された。ネコでは、飼い主と他人の声の弁別、ヒト音声の感情情報の弁別、自分の名前と他の単語の弁別、飼い主の注意状態の弁別ができる可能性が示された。系統発生的変化を明らかにすべく、イヌとネコの近縁種を対象にした研究もおこなった。オオカミでは、同種内のあくびの伝染が確認された。ライオンでは、親和的行動が友好的な関係を維持する機能があること、仲直りによる葛藤解決はみられないことが明らかとなった。さらにイヌネコ同様に家畜化されたウマの近縁野生種であるシマウマでは、おとな個体が子ども個体よりも多く集団移動を率いることがわかった。
著者
長谷川 寿一
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.47-48, 1997-06-25 (Released:2009-10-13)
参考文献数
6
被引用文献数
1
著者
落合-大平 知美 倉島 治 長谷川 寿一 平井 百樹 松沢 哲郎 吉川 泰弘
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第22回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.85, 2006 (Released:2007-02-14)

大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)および旧ナショナルバイオリソースプロジェクト・チンパンジーフィージビリティスタディでは、国内で飼育されている大型類人猿の基本情報を収集および公開するとともに、廃棄される遺体の有効利用など、非侵襲的な方法での研究利用の推進をおこない、飼育動物の生活の質(QOL)の向上などにつながる研究の促進と、その研究成果のフィードバックに取り組んできた。本発表では、大型類人猿を飼育する36施設を実際に訪問しておこなわれたヒアリングと、社団法人日本動物園水族館協会(2004年6月2日現在、国内の91の動物園と69の水族館が加盟)によりまとめられた血統登録書や過去の文献などから、大型類人猿の日本での飼育の歴史についてまとめたので報告する。 日本の大型類人猿の飼育の歴史は、江戸時代である1792年にオランウータン(Pongo pygmaeusもしくはPongo abelii)が長崎の出島に輸入されたのが最初である。1898年には上野動物園でオランウータンが、1927年には天王寺動物園でチンパンジー(Pan troglodytes)が展示されている。ゴリラ(Gorilla gorilla)がやってきたのは、戦後の1954年であり、移動動物園で展示された。1950年以降は日本各地に動物園が設立され、1980年に日本がCITESを批准するまで、ボノボ(Pan paniscus)を含むたくさんの大型類人猿が輸入されている。近年は、チンパンジーが56施設352個体(2005年12月31日現在)、ゴリラが11施設29個体(2005年9月30日現在)、オランウータンが24施設53個体(2004年12月31日現在)飼育されているが、亜種問題や血縁関係の偏りなどが明らかになっており、遺伝的多様性を確保したままの個体数の維持が課題となっている。
著者
井上 裕香子 長谷川 寿一 齋藤 慈子 清成 透子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.16347, (Released:2018-01-15)
参考文献数
20
被引用文献数
2

The Social Value Orientation (SVO) explains individual differences in cooperation attitudes. In this study, we examine whether the SVO affects the time taken, and amount of information gathered, when judging the trustworthiness of other people. Participants were able to choose a partner based on the past allocation patterns of candidates, mimicking how people are able to select with whom they cooperate in their social environments. We investigated the effect of the SVO on the method of gathering information on character and choosing a social exchange partner. The results revealed that participants with a prosocial (cooperative) orientation took less time to choose a partner, gathered less information, and tended to choose partners who behaved equally with everyone, compared to participants with an individualistic (selfish) orientation. Our findings suggest that people with a prosocial orientation prefer partners who treat everyone equally, regardless of the relationship, while people with an individualistic orientation deliberately seek out candidates who are likely to provide a relationship which is beneficial to themselves.
著者
寺本 研 森 森裕介 長野 邦寿 早坂 郁夫 沓掛 展之 池田 功毅 長谷川 寿一
出版者
一般社団法人 日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.33-43, 2007 (Released:2009-01-01)
参考文献数
23
被引用文献数
6 6

Chimpanzees are a naturally highly sociable species. Therefore, it is desirable to keep captive individuals in a social group. Although the dyadic introduction method has been commonly used to form social groups, it has not always been successful. In the present study, we tested a new method to create three all-male groups, two of which consisted of .ve individuals, and one of nine individuals. This method requires three stages. First, male dyads were put into neighboring cages in which the individuals could see each other. Tentative social rank was determined by observing the males' behaviors in these dyadic encounters. Next, they were moved to an unfamiliar environment and housed individually. Several days later, they were introduced one by one to an outside enclosure. Three allmale groups have been maintained so far, suggesting that group formation was successful. The occurrence of severe injury was considerably lower than that seen commonly in multi-male multi-female groups. Moreover, signi.cant effects of the group formation on male behavior (e.g., increased number of active social behaviors and decreased abnormal behaviors) were observed. These results demonstrate the effectiveness of our new method of forming all-male chimpanzee groups.
著者
安藤 寿康 岡田 光弘 長谷川 寿一 大野 裕 平石 界 岡田 光弘 長谷川 寿一 大野 裕 平石 界
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

800組の青年・成人期の双生児を対象とした行動遺伝学的研究から、認知能力、パーソナリティなどの遺伝・環境構造の解明を行った。一般知能の遺伝的実在性、社会的適応に及ぼす内的環境適応の過程、パーソナリティの普遍的遺伝構造モデルの提案、自尊心感情の縦断的変化などが成果としてなされた。また双生児データのデータベース化、webによる双生児調査フレームワークの確立もなされた。
著者
安藤 寿康 内田 亮子 長谷川 寿一 大野 裕 神庭 重信
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

研究実施・運営上の主な実績は以下の通りである。(1)双生児レジストリの拡大:神奈川県、千葉県を中心に住民基本台帳から地域の双生児の悉皆的住所調査を行って住所リスト(レジストリ)を拡大し9000組のデータを得た。これにより、東京都その隣接県の主要地域をカバーする規模の大きな双生児研究を実施する基盤が整備されたと言える。(2)双生児サンプルの拡大と維持:上記のレジストリに基づいて調査への参加を呼びかけ、新たに約500組の青年期双生児の新サンプルを得、双生児被験者の数は800組を超した。またこれまでに協力してくれた双生児の親からも、養育態度、社会的態度に関する双生児の親からもデータを収集した。これにより、養育態度や社会的態度の家族内伝達に関する遺伝と環境の構造に関する研究が可能となった。(3)データの追加と収集:旧サンプルから新たに事象関連電位{作動記憶、情報処理測度、個別式知能検査(WAIS)のデータを、また新サンプルからは質問紙による卵性診断、と各種パーソナリティや摂食行動などに関するデータを入手した。これにより、より信頼性の高い遺伝率や遺伝と環境の構造のモデル探索が可能となった。これらの分析には構造方程式モデリングによるモデル適合を行った。(4)脳波解析プログラムの開発、脳波測定環境の改善:現在の測定状況に適合した特別の脳波解析プログラムを開発するとともに、正確な脳波測定のためにシールドルームを設置した。これは予定外の都合により脳波測定を行う実験室の場所の移動を余儀なくされたためであったが、結果的に実験条件の改善に寄与することとなった。
著者
長谷川 寿一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.138-144, 1995-04-01 (Released:2017-05-26)
参考文献数
8

「論文を執筆できる」ということは、大学教育における大きな到達目標のひとつであるに違いない。にもかかわらず,大学生にとって論文を書くことがどのような意味をもつのか,また大学人は学生に対して論文執筆をどのように教育したらよいのか,といった基本的な問いに対しては,従来,正面から答えられることが少なかった。本稿では,論文執筆の原点は,他者との交流を通じて自らの主張を節度をもって根拠づけることであるとの認識から出発し,レポートと論文の相違点,論ずるに足る主題とは何か,論拠の示し方などについて述べ,さらに,執筆上のトラブルや悩みの対処の仕方などを論じた。
著者
長谷川 寿一
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.4_81-4_82, 2011-04-01 (Released:2011-08-18)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1
著者
吉川 泰弘 長谷川 寿一 赤見 理恵 落合 知美 倉島 治 斎藤 成也 数藤 由美子 高見 一利
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.20, pp.vi, 2004

「大型類人猿情報ネットワーク(GAIN)」は、その前身である「チンパンジー研究利用に関するフィージビリティースタディ(ナショナルバイオリソースプロジェクトの一環)」が培ってきた大型類人猿由来の研究リソース配分ネットワークとその理念を引き継ぎ、動物園などの飼育施設や研究者とのネットワークの拡大、大型類人猿死亡時のリソース分配をおこなってきた。本集会では、GAINがおこなってきた調査(研究リソースのニーズ調査、国内飼育下大型類人猿の飼育状況調査など)の結果や、リソース配分の具体例などについて報告したい。またGAINをとりまく様々な立場(資源の利用者側、飼育施設側など)からの話題提供も予定している。そのうえで、大型類人猿研究の現状と将来展望、資源配布を中心とする研究支援システムの問題点やこれからの展開について検討したい。