- 著者
-
鈴木 二正
西山 由真
芳賀 高洋
大川 恵子
村井 純
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.4, pp.21-37, 2015-12-09
慶應義塾幼稚舎の小学2年生(児童数36名)のクラスでは,子どもたちの情報活用能力の向上を目標として,1年生のときから児童1人1台のタブレット端末を導入して授業実践を行ってきた(2013年9月~現在).学習におけるICT活用が特別なことではなく,ごく自然に,新しい文房具の1つであるという感覚を養い,ICTを思いどおりに使いこなせるようになることを期待している.タブレット端末は標準的かつ一般的な機能・アプリ等を選定し,直観的な操作・軽量性(機動力)等タブレット端末の特性を生かした学習における活用方法を模索している.加えて,共同研究者である慶應大学の学生とともにプロジェクトチームを構築し,授業記録・授業解析を行っている.一方,慶應義塾幼稚舎では10年以上前から情報科を設置して情報教育を行ってきたが,本実践により情報科の内容を精選していく必要性も感じている.本稿では,特に小学1年生時に行った計18時間の授業実践とアンケート調査等から,学習に対する児童の理解や意識の変容,学習スタイルの変容,児童のICTスキルの向上等を検討する.