著者
澤田 康徳 鈴木 享子 小柳 知代 吉冨 友恭 原子 栄一郎 椿 真智子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.40-53, 2023 (Released:2023-03-08)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究ではGLOBEプログラムを例に,身近な自然環境調査成果の全国発表会に関する感想文から,生徒と教員の発表会のとらえ方および生徒の調査の継続志向の特徴を示した.発表会のとらえ方には,生徒の参加や発表,調査に関する観点が生徒と教員に認められた.発表会の多様性は生徒に特徴的な観点で,日本各地や他の学校の環境およびその認識などを含む.すなわち生徒において全国発表会は,自然環境の認識や理解を日本規模で深める場の機能を有する.また,異学年間の活動の継続を考え今後の活動意欲につながっている.教員において全国発表会は,充実した調査の継続に重要な自校の測定環境をとらえなおす場として機能している.生徒の調査の継続志向は,科学的思考より調査結果や探究活動過程全体,生徒をとりまく人と関連することから,継続的調査に,発表会においてとりまく人などと連関させた生徒の振り返りや教員の測定環境のとらえなおしが重要である.
著者
武田 志乃 小久保 年章 小西 輝昭 酢屋 徳啓 及川 将一 鈴木 享子 寺田 靖子 早尾 辰雄 井上 達也 西村 まゆみ 島田 義也
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第39回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-150, 2012 (Released:2012-11-24)

【はじめに】原子力発電で利用されるウランは腎毒性物質として知られている。原発事故をはじめ、劣化ウラン弾汚染や原子力資源獲得競争による環境負荷の懸念などを背景に、ウランの毒性影響に関心がもたれ、放射線防護の観点から早急な対応が求められている。これまで我々は、標的臓器である腎臓のウランの挙動を調べ、ウランが近位直尿細管に選択的に蓄積し、組織損傷を引き起こしていることを示してきた。本研究では、微小ビームを用いたウラン局在量解析により、毒性発現および尿細管再生期における尿細管におけるウラン局在を調べた。【実験】動物の処置:Wistar系雄性ラット(10週齢)に酢酸ウラン(天然型)を背部皮下に一回投与(0.5 mg/kg)した。ウランの分析:腎臓中ウラン濃度は誘導結合プラズマ質量分析により測定した。腎臓内ウラン分布および局所量の解析は高エネルギー領域シンクロトロン放射光蛍光X線分析(SR-XRF)により調べた。下流部位近位尿細管の検出:SR-XRF測定試料の隣接切片について下流部位近位尿細管に特異的に存在するグルタミンシンターゼの免疫染色を行った。組織影響観察: TUNELおよびPAS染色した。【結果および考察】投与1日目ウランは下流部位近位尿細管に分布した。管腔側の刷子縁へのウラン沈着は認められず、尿細管上皮には腎臓平均ウラン濃度の50倍程度のウラン濃集部位が検出された。投与8日目では下流部位近位尿細管上皮の脱落が観察されたが、15日目になるとダメージ部位には再生尿細管が出現した。15日目の腎臓平均ウラン濃度は1日目の12%に減衰した。尿細管上皮のウラン濃集部位は減少したが、数ミクロン四方程度の微小領域に1日目と同等のウラン局所量の部位も検出された。このようなウラン濃集がばく露後どの程度持続するのか、今後明らかにする必要があると考えられた。
著者
園部 真美 恵美須 文枝 高橋 弘子 鈴木 享子 谷口 千絵 水野 千奈津 岡田 由香
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.233-240, 2008-03-25

本研究は,地域住民のボランティア活動に関する意識の実態を把握することを目的とし,大学主催のボランティア講演会参加者を中心とする計94名を対象として,質問紙調査を実施した。対象者の性別は女性が88.3%平均年齢は44.8歳であった。過去のボランティア活動経験者は40.9%,現在の活動者は16.7%,その内容は,過去現在ともに「障害児(者)」「子ども」の割合が多かった。ボランティア活動をしていない理由の「機会がない・きっかけがない」という者の中に,潜在的ボランティア活動希望者がいることが示唆された。ボランティア活動の魅力は,他者の利益のためと自分のためにする場合の二つがあることが明らかとなった。自分にできる子育てボランティアとして「赤ちゃんの面倒をみる」「上の子の遊び相手をする」が多かった。ボランティア希望者と利用者とをつなぐコーデュネーターの役割をとる人材育成や組織作りが今後の課題である。