著者
若尾 あすか 鈴木 真生 松村 耕平 野間 春生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-7, 2015-05-07

本研究は,ショップやショールーム,体験型交流施設などが集まる複合型商業施設への来訪者に対して周遊行動を誘導することを目的とする.複合型商業施設ではその施設内にある様々なテナントに足を運ばせることで全体としての利益向上を図っている.しかし,行き慣れた施設内においては,来訪者の行動の定型化が原因となり,来訪者の新しいニーズを生み出しにくい問題がある.子ども連れの来訪者に注目すると,目的としている場所以外に行く時間的な余裕が持ちにくい問題もある.我々は,それら問題を解決するため,スマートフォンを用いた宝さがしゲームを開発した.ユーザは用意された宝を見つけるために施設全体を歩き回る.それによって,ユーザは施設に関して新たな気づきを得る.ユーザは,宝の在処を示すヒントと宝に近づくと得られる通知のヒントを手がかりに,様々な店舗に隠された宝を探す.いくつかの宝にはミニゲームによる楽しみを付与して参加意欲を高める工夫をした.開発したゲームを用いたイベントを 3 月 29 日にグランフロント大阪内ナレッジキャピタルで開催されたワークショップフェスの一環として一般の参加者を対象に開催した.その結果,子どもとその子どもと一緒に参加した大人が施設全体を周遊する行動を促すことができた.